6月の日誌

1996年6月8日 1月でカウンターが800突破


アクセスの数が、一日、25ということになる。とはいっても、日に2回は私がアクセスしている数だろうから、実質的には20人強というところだろうか。もちろん、繰り返して来ていただいている方も、いらっしゃるだろう。あつくお礼申し上げる。

求人の結果だが、結局、朝日新聞で求人をしたが、良い結果とはならなかった。応募者は何人かいたが、一言でいうと期待した能力の人がいなかった。新聞を見て応募してきた人は9名。こんなものかな。ひつじ書房を知っていて、関心を持っていたということでもなく、個人的な知り合いでもなければ、現状で提示できる時給の額では、経験を積んだ人を雇えないということだろう。2人と思っていたが、1人だけだが、エディタースクールの夜学に、個人的に通っていた女性に来てもらうことにした。いろいろ向上心もあって、努力屋さんのようだ。編集の知識はあまりないようだが、じきにかなり重要な力になってくれるものと期待しているところである。近いうちに、自己紹介をしてもらおう。

2人必要だったのは、現在来ている『プラグマティックス』の本当にたくさんある真っ赤かの直しをする必要が、あるからだったのだが、仕方ないので、妻の姉と妹にも手伝ってもらうことにした。一族郎党だなあ。DTPの一番の欠点がこれだ。赤字が多いとメリットが一度に失われてしまう。直しは、自宅でやってもらうので、今まで使っていたLC475、2台を貸し出すことにした。その代わりにPowerMac7600/120を2台買った。LC475は、安定したいい機械であった。

今週末には、柏の麗澤大学で、言語学会がある。

1996年6月16日 学会終わる。未発第2号刊行! 


言語学会が終了し、この春に店を出す学会は終わった。来週開かれる認知科学会も行きたかったのだが、余裕が今回はない。出した本の成果はいろいろで、予想通りには行かないことを今回も知らされた。今日は19570円の本が1冊売れた。さすが、言語学会である。学会でもホームページ見てますという方に何人もあった。ありがとう!

明日は、大学生協の新しい常備のかたち、定番の納品に埼玉大学の近くまでいく。『身体の構築学』が、20箇所の大学生協に入るなど、初回としてはなかなかといえるかもしれない。定番とは、私の解釈では、大学生協の人文書に強いところの売れ筋と必備の情報を、大学生協の書籍部内で共有しようという新しい方法で、一定のリストを生協主導で選定し、棚揃えを行うものである。いままでは、出版社がつくった常備のリストと各書籍部の自前のノウハウで棚はつくられてきた。大きな転換といえよう。(時期を逸したが、名古屋大学生協書籍部南部店の安藤店長が結婚された。おめでとう!安藤さんは、ひつじ書房が地方小しか取引のない時代から、注文で何冊も入れてくれて、当然ながら売って下さっていた。お幸せに!)

『未発』第2号刊行! 近日中に、ホームページの目録部分を改訂する。そのために目録をページメーカーで作り、罫線をインライングラフィックスで入れた。

金曜日に、アクセス数が1000を越えた。


1996年6月19日 ゲゲゲッ アクセスカウント 1655

この土日で言語学会で目録誌『未発』を200人以上の会員に配ったが、出版研究集会をJapan Search Engineに登録したということ、今日の午後にはNTTの新着情報にも登録したが、おかげでなんと1日100以上のアクセスである。これは新しい事態といえるかもしれない。金曜には1000件記念で神保町の柏水堂のケーキを編集長に振る舞ってもらったばかりだというのに。

月曜日、自宅兼オフィスの春日部の電話をISDNにした。これで、電話をかけながらWWWをのぞいたり、メンテナンスをすることも可能となった。ただ、その夜、アサヒネットでアクセスした感じでは、64同期よりもアナログ回線の方が早い。体感でかなり違う。これはどうしたことか。うーむ、がっかり。明日は事務所の回線をISDNに変える。幸いなことに電話番号の変更は無かった。

母の日に母にインターネット端末としてピピンを購入した。事務所でもつながるのが、両親の電話では、なんどやってもノーダイヤルトーンで、つながらないのである。バンダイに仕方なく電話して、モデムの感度を上げてもらったものを送ってもらうことなんと2度。どうしてもダメなのでNTTの修理の人に来てもらった。家の内部の回線をチェックしてもらったが何ともない。最後にNTTの方の交換機を代えてもらったら、一発でつながった。実は、私の父が労働運動をやっていたので盗聴でもされていて、おかしいのではないかと期待したのだが、自宅ではなにも出てこなかった。バンダイの担当の方、ご心配かけました。

出版研究集会で、話すことの草案ができた。ご意見がありましたら、どうぞお寄せ下さい。


1996年6月23日 津野さんに会った。


21日の津野さんの講演会は、面白かった。内容については別に紹介する。会場は、私がインターネット上で紹介したせいか、1割くらいは母体の出版労連とは関わりのない人だったような気がする。Japan Search EngineとNTTの新着情報のおかげだろう。何といっても1週間で1000アクセスを越えた(2000を土曜日に越えた)のは、ひつじの実力ではない。出版というものへの興味が、意外に強いということに驚かされる。
一方、インターネットを使っている人間は出版について興味を持っているのにもかかわらず、実際に出版に携わっている人間の方はほとんどインターネットをはじめとする様々な新しい状況に興味が、ないらしいことにこの2日で気づかされた。津野さんの講演会での、質問者は従来の出版関係の人からは一人も無かった。
出版に関わる人間の興味は後ろ向きなのだろうか? 新しく入った杉浦が出版という世界は、先端をいく業界かと思っていましたというようなことを言っていたが、出版という世界は、このようなところですでに力を失っているといえるのかもしれない。本は消えないだろうが、そのような出版は消えていくのだろう。
第10分科会のパネラーの話自体は面白く、たとえば、みすず書房の持谷さんは、優秀な書籍の営業とはこんな人なのだろう、と思わせる語り口で、話も具体的で面白かった。優れたキーワードを下さった。そのキーワードは、「顔が見えるような関係」「味方をどうつくるか」である。これは深い。時間があれば、こちらも概要を書き出してみたいが、無理だろう。
分科会で、10冊に1冊しか思い通りの本を作れない、残りの9冊は仕方なく出している本だと言っていた人がいたが、どうして仕方ない本を9冊も出すのだろうか?そんな出版社が多いから、新刊が多すぎるようになり、問題が起きているのではないのだろうか?ひつじとしては、10冊だして10冊同じ手間をかけると言うことはないし、1冊1冊違った気持ちで本を出してはいるが、1冊だって仕方なく出している本など今までにはない。そういった発言は理解できないというのが実感だ。


1996年6月28日 いろんなことがあるなあ


100万円クイズにひつじ書房のホームページがリンクされている。100くらいの質問事項の中の一つのようだ。担当者からメールが来てアクセス数が最近増えていませんか、という。えっ? 驚いた。私は、出版研究集会のホームページを紹介したために増えていたとばかり思っていたからだ。意外に世間には出版と言うことに興味を持っている人が多いものだと感心していたから、ずいぶんとがっかりした。恥ずかしいが、アクセス数が増えるのが結構楽しみだったりしたのだ。メールをもらってから楽しくなくなってしまった。クイズの正解を見つけるために来ている人ばかりだったら・・・。それにおかげで変なメールが来るようになった。朝鮮語入門のことを教えてほしいというのだ。私は、出版社のカタログというものを知っている人なら、新刊の案内のページを見に行けば、勝手にたどり着けると思うのだが、そうでもないらしいのだ。これも驚きであった。
担当の人に確認したら、18日にリンクをつけて、20日ごろからいろいろな新着情報を紹介する場所に登録したということだった。少し安心した。それ以前にすでに飛躍的に増えていたからだ。そのページの方に申し訳ないが、リンクを至急はずして下さいとお願いした。我々は専門書を扱っているので、関わりの少ない人に見てもらってもそんなに意味はないからだ。この手の新しい商売が起こってきたのも、ホームページを作ってみたものの、ほとんどアクセスされないページというのが多いのだろうなと勘ぐってしまった。
もう一つ驚きは、答えを教えてほしいというメールの中には、答えが見つからないという怒りのメールがあり(よけいなお世話だ)、それが有名な電気メーカーの会社のアドレスだったとことだ。仕事中に100個(?)のクイズを解いて回っているのだろうか。しかし、所属がわかってしまうメールアドレスで、メールのこわさを知らないというか、驚いてしまう。その会社のメール管理者に、こんな勝手なメールが来たとこちらから送ったらどうなるのだろうか?もちろん、そんなことはしないが、送られたメールは相手の手元に残ってしまうということを忘れているのだろうか。
やはり、ネチケットを至急刊行すべきだ。あと少しです。

津野さんの講演会には、けっこう意識的な出版関係者が来ていたようだ。メールをもらったり、電話をもらったりした。先に連絡をもらえていれば、オフもできたのに。7月半ばの『新文化』にひつじのホームページが載るそうだ。

本日で、石川綾子さんが、辞められた。10カ月の間、お疲れさまでした。専務の抜けた穴を、年度末の大変なときに埋めてくれた。本当に助かりました。

1996年6月30日 未発第2号一部オンライン化


4月、5月、6月と新年度になってから3カ月たった。やり残していることをなんとかかたづけよう。ホームページのメンテナンスにが少し遅れがちになるかもしれないが、許されたい。
アクロバット3.0のベータ版がでた。日本語にも対応しているそうだ。実験しよう。


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