アサヒネットのメールの調子が良くないので、ホームページのメールの送り先を、ニフティ経由にかえた。困ったものである。
専務が、出産のため、春日部事務所(自宅)勤めになって、3月から帰宅するようになったのだが、いまだに仕事のペースがうまくつかめない。東京に事務所を移してから、ほとんど事務所に泊まり込み状態だったので、夜も仕事をしていた。今もこうしてしているわけだが、通勤が間にはいると調子が出ないのである。明日は、妻と子供が退院なので、ペースをつかむどころではないが、そろそろつかまなければ、なるまい。
遅れていた『朝鮮語入門』刊行。原稿は早くいただいていたのだが、私の怠慢でここまで遅れてしまった。計画では、ロシア語、ベトナム語などなどもあるのだが。そうそう頭の中で、トルコ語も考えている。
目録作成中なのだが、自分でも驚くほどシリーズが多い。自分でもわからなくなってきているくらいだ。目録はページメーカー6.0Jで作っていて、紙用のバージョンができあがるとほぼ自動的にホームページに落とせる。ひつじホームページの屋台骨はなんと言っても、図書目録なので、ようやく補修ではなくて、改訂といえるようになるだろう。編集長の真理ちゃんも、いろいろな絵柄を考えてくれると言っているので、こうご期待といったところだ。
アサヒネットのメールはやっと直った。よかった、よかった。
知り合いの民俗学の研究者に見せるため、『日曜研究家』第4号を購入するためにアクセスにいった。神田の書店街のすずらん通り沿いにある目立たないお店なのだが、ここは地方小出版流通センターのお店なのである。『日曜研究家』という雑誌は、お菓子の歴史とかひとことでいうとレトロ趣味のいろんなものことの研究を社主の串間さんが中心になって、作っている研究雑誌である。社主の串間さんは、文の立つ方で、立ち読みをすると買わずにはいられなくなってしまうので、立ち読みはしないようにしているのだが、紹介したため、しかたなく買ってしまった。(串間さんすいません)まあ、私は、勝手に平成の柳田国男と呼んでいます。
柳田は、雑誌と葉書地方のインテリを組織して民俗学を打ち立てたのだが、串間さんは雑誌と雑誌の中のアンケートとパソコン通信網によって全国のヘンテコな人を組織したのであった。諸兄も拝読されることを希望します。
ひつじ書房ですといって領収書を切ってもらったら、アクセスの畠中さんに名刺をもらってしまった。刊行が遅れることが多いので、情報を流してくれと言われてしまった。すいません。ということで、定期的に畠中さんにファックスを送ることにしました。神田村の方々はこれからは、ひつじ書房の刊行計画は、畠中さんに聞いて下さい。
1996年4月20日 在庫と経費の関係
「在庫がふえると利益が出て、税金が増える」ということを税理士さんに聞いていたのだが、どうしてそうなるのか、理解できていなかった。今でもできているとはいいがたいが・・・。
資産がふえるということでしょう?とおっしゃるかもしれない。しかし、資産が増えると利益が増えるわけはおわかりだろうか?今年本を作って100万円かかったとして、すべて売れれば、それは経費となって、売り上げが150万円なら、150-100で利益は50となる。ところが、50万円分しかうれなかったら?半分だから75万円の売り上げとしよう。75-50万なので25万円なのだが、50万円分の在庫は、経費としては認められず、現金がそのまま50万円分手元にあるのと同じ、つまり資産ということだが、とみなされるわけだ。となるとこの50万円はそのまま手元にあるわけだから、先ほどの25万円と足して利益は、75万円ということになる。現実には、すでに100万円は外注費として払っているわけである。出費しているのに、売れていなければ、現金がそのまま残っているとして、税法上は計算されてしまう。
これは、かなり恐ろしいことである。売れない本は、その製造費は印刷所に支払っているにもかかわらず、現金として残っているという扱いになるからだ。去年から、税理士さんに来てもらっているが、指導されてはじめてわかったことなのである。実はいままで使った印刷代は税法上も経費として認められるとばかり思っていたのである!
研究書を刊行する出版社としてやっていこうと思っている我々は、通常は売れない本を、何とかしてコツコツ売っていくかと日夜考えているわけだが、これにはガツーンと来ました。ただし、売れない本は売れていないという「実績」があれば、価値がないという風にみなすことができて、次回の申告の際に、経費として組み込めるようになるのである。ただ、1年の間は、実際には支払っていて、手元に一銭もないのにそのお金があるということに税法上扱いになるというのは、なんということでしょうか? これではゆっくりしたペースの出版などはなりたちにくいじゃないかな、と思ってしまいます。
『日本語条件表現史の研究』は、製本所のミスのため、若干日程がのびることになってしまいました。残念ながら、製本所も代えることになりました。ここ1年間お付き合いしてきた印刷所(製本所まで請け負っていた)とのお別れでもあります。お待ち下さっている読者の方々まことに申し訳ございません。
1996年4月23日 Desktop Publishers
Desktop Publishersに記事が載った。アップル社は、パソコンで、マルチリンガルに文章を扱えるようにしている点で、ひつじのような言語学の出版社には大の恩人なのだが、どうもその優れた技術を伝道するという点に関しては、弱腰だと言わざるを得ないと思ってきた。われわれが先に刊行した『朝鮮語入門』は、ハングルを英語や日本語の文書内に混在することができるそうした技術を本づくりに使ったものなのだが、われわれの友人でもあり著者でもあるハングルの達人岡本さんの協力でなんとかしてきたのだが、残念ながら、あまり詳しくない人には今まではなかなか難しかった。それが、ようやくというかやっとというか、いよいよ正式にKorean
Language Kitが出るということになって、Desktop Publishersに一つの先例としてひつじの記事が載ったのである。アップルには本当に心からマルチリンガルを推進してくれることを願いたいものだ。
1996年4月24日 出版労連の研究集会にパネラーとしてでることに・・・
「少部数の出版物をどうするか?」だそうです。私のような若輩者が・・・。津野さんの本を読まれてのことらしい。やっぱり、出版関係の方には結構読まれているということか。どうすれば、話題を提供できて、有意義な話になるのだろうか?折に触れて考えていかなければなるまい。
1996年4月26日 『地下鉄のアリス』
昨年、現代文学会という学会で、パネラーとしてしゃべらせてもらったのだが、その仕掛人であった榎本さんが、ホームページを作ったということで、さっそくリンクさせていただくことにした。この時の話の前半はオンラインジャーナルに、後半はFreak
Outという雑誌に載っている。Freak Outという雑誌は、強烈に面白い雑誌で、現代美術を扱っているのだが、批評家ずらして分析しているのではなく、同伴しているという感じ。これが、なかなかすごいのです。そんなマイナーなと思える対象なのに1万部でているといってた。これも貴重なことです。
その鼎談の時に、私は別役実の放送劇『地下鉄のアリス』について話した。ストーリーは多岐にわたるのだが、話の基調にあるのは地下鉄が円還状に完成するという噂である。それが、完成されれば、完結してしまい、そこから出られなくなってしまうのでは、ないかという不安がよぎっている。不安の中には期待もあるようだが。
今考え直すと、インターネットのメタファーにもなりそうな気がする。だから言及したわけなんだが。ネットワークが、商業化して、私はそれはいいと思うのだが、大企業の論理に組み込まれて行かないか、という不安。お金のやりとりも可能になることで、われわれも世界に向けて商売が成り立っていくようになるわけだが、いったんそうなると大きいところ、組織的なところの論理が当然、勝つようになるだろう・・・。
アリスは、地下鉄の信号が赤にも関わらず地下鉄を暴走させる。「いくということはいつも危険を伴うことなのだから」といって。
1996年4月27日 求人
6月末で、石川さんが退社することになってしまった。専務(妻)もまだまだ復帰には遠いので、いい人がいたらということで、募集しようということになった。休職中の人がひつじのホームページを読んでいるとも思えないが、目に留まった方がいらっしゃいましたらどうぞ。ただし、薄給・重労働ですし、経済的にはアルバイト扱いです。
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