2003年3月21日(金)
アイロニーなコミュニケーション
コミュニケーション。わかるようでわからない。どうやるのがいいのだろう。ひとまず、定義すると<人と人とが自分の気持ちをきちんと伝えあえること>あたりだろうか?
さらに<意味><技術><教育>の3つに興味がある。そもそもどういうことがコミュニケーションで、コミュニケーションの技術というものはあるのだろうか。技術があったとして、それをどう学んだり、教えたりしたらよいのだろう。
これからの段階だが、ひとつの目安としてコミュニケーション学会での題目を見るとプレゼンテーションの技術とか、狭い意味でのビジネスコミュニケーションのことのようだ。それなら、学会と言うよりも、ビジネス系の様々な具体的な研修の方が役に立ちそうだ。でも、できれば、単なる研修の単なる個人的なスキルではなく、誰でも使えるパブリックな考えや技法として共有できるものでありたい。
そのような関心で『話し言葉の日本語』(井上ひさし・平田オリザ 小学館)を読んだ。平田さんのワークショップのように定式化できる部分はどんどん明確にし、その上で、芸術の部分を知ってほしいというのと同様にコミュニケーション自体を腑分けしていこう。この本の中で井上さんが「アイロニーが大事なんです」と言っているが、コミュニケーションの技法でもどうようだろう。私に言わせると「間の取り方」というようなものだろうか。コミュニケーションは一方的な伝達ではないとすると、アイロニーが必要になるのではないだろうか。このようなことは「話し方教室」の本には書いていない。でも、アイロニーが重要だということではないだろうか。アイロニーがあれば、杓子定規ではなく、そのテーマは本人にとってせっぱつまったものであり、さらにまだまだ解決策が見いだされていない中での、実践であるということも伝わるのではないだろうか。自信満々でも自信なげでもない、実際の生き方にはアイロニーが必要だ。そのような立場にいるのであれば、アイロニーが漂うのではないか。
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