2003年3月11日(火)
アゴラ劇場の新しいやり方
平田オリザ氏が、経営し、運営していることで知られているアゴラ劇場という劇場が、駒場にある。劇場は、今まで、借りる側が、小屋貸しの料金を支払って、使うものだった。劇場は、場所貸しということになる。アゴラ劇場は、企画ものもやるが、そのような小屋貸しもしていた。小屋貸しは、劇場の経営上、必要なことであるし、そのことが問題であるわけではない。
しかし、アゴラ劇場は、そのような小屋貸しをやめた。自主的な企画ものしか、行わないことにした。そのために、一種のNPOのような運営に変更した。すごい。公、私人、企業からの寄付をもとに運営する基金をみずから作り、それと興行によって、運営していくことにしたということである。このやり方は、大衆的な芸術とは別の芸術を運営していく際に、必要であり、重要な方法である。
マスセールスとはことなったあり方を模索する際には、この方法はもっとも優れた方法だろう。しかし、斬新である。小屋貸しに変わるような基金を作る必要があり、興行としてもなりたつだけの企画を常時運営していかなければならない。誤解をさけるためにいうと、大衆がだめだとかマスカルチャーがだめだとか言っているのではない。
シフリンのBusiness of Booksのニュープレスのあり方とも共通する問題意識がここにある。ひつじ書房の編集力・コーディネート力に対して、このようなサポートの仕組みを作ることができるだろうか。アゴラ劇場の挑戦にはとてもドキドキする。こちら
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