2003年2月25日(火)

「図書館業務委託に反対」

文化通信の記事(2月24日)によると、東京の図書館をもっとよくする会主催で「やってはいけない!図書館の”委託”」という集会が開かれたとのことだが、講演者の黒川創さんが、「最初から結論づけるようなタイトルでは、公務員ではない一般の人は納得しにくい」と言及し、鈴木由美子氏は、委託を批判した上で、委託によって住民に窓口の対応が良くなったとの評判もあると指摘し、従来の図書館サービスのあり方についても指摘したとのことである。

「公務員ではない一般の人は納得しにくい」という指摘は、とても重要なことだと思う。そのような講演者を呼んだことを評価したいと同時に、黒川氏の指摘を良く考えて、住民の理解をえられるような活動をしてもらいたいものだと思う。小石川図書館で配られていた委託への反対のビラも、労働組合の論理で書かれてあって、とても賛同できるものではなかったことを思うと、そのことを切に願うものである。

ビラには委託になるとパートやアルバイトの職員になるので、サービスが低下すると書いてあった。委託に反対することは、おおむね賛成の気持ちをもっているが、この理由は単純にはうなずけない。多くの人が、パートやアルバイトをしている。みな、それぞれに責任感をもって、仕事をしているわけだ。もし、パート勤めをしている人がそのビラを受け取ったら、どのように感じるだろうか。正規職員だけしか認めないような書き方で、人がどううけとめるか、を気にしない文章を書いているのでは、だれにも共感してもらえないだろう。

もし、プロフェッショナルなスタッフが図書館の中に必要であるのなら、それはどういうことのためなのだろうか?そのサービスを現在、提供できているのだろうか?私は提供できていないと思っている。提供できていないサービスが、パートの職員や委託制度で失われるというのは、言えないことだと思う。もし、委託という流れを全体として批判するのであれば、もっと根本的なこと、役に立つサービスを提供するためにはどういう仕組みが必要なのか、ということを打ち出さなければ、理解を得ることはできないと思うのだが、そういうふうに思う図書館の方はどうもすくないようだ。

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