2002年9月1日(日)
本の学校の分科会を私が考えるとしたら
本の学校が、2年ぶりに開かれる。
私は、この会に出席して、新しい発見があった。浦安市立図書館の常世田さんと初めて会ったのも、この会だったし、電子本の動きを知ることができて、T-Timeをひつじで出したのも、ここでの出会いがきっかけだ。『だれが「本」を殺すのか』に取り上げてもらったのもこの会での発言が元になっている。その点で恩恵を受けているといえる。私も参加しようと思っているが、気になっていることがある。それは分科会の構成である。電子本だけで、分科会を作る意味があるのだろうか。出版流通だけで分科会を作る意味があるのか、本の作り方で、分科会を作る必要があるのだろうか。3年前であれば、それは意味があっただろう。
しかし、本の流通が変わったとして、電子的に本を作ったとして、本を巡る状況が大きく変わるかというとリアリティがない。取り次ぎや出版の制度が悪いと言ってすむ問題ではないし、実際には読者、利用者をどう巻き込んでいくかというプロモーションの問題になりつつある。
私が、分科会の企画を作るとするとこうだ。
1)市民のための情報共有とは
2)情報のインターフェース
3)情報デザインとしての新しい本の分類図書館員であるとか、書店員であるとか、編集者であるとか、出版社の営業であるとか、そのようなことを取り払って、情報をどう作り届けていくかという課題を議論すべきではないのだろうか。そのような枠組みであれば、所属に関係なく、横断的な議論ができるだろう。
すでに、古い枠組みで分科会を設定してしまったことは、新しい何かを生み出すエネルギーが無くなってしまったようで、悲しい。あるいは、私がこの数年間で、いろいろ勉強して、それなりのことを知ってしまったということなのだろうか。それとも、過去の本の学校の提案してきたことを、どこまでできたのかを確認するのが、会自体の目的なのだろうか。次へのビジョンを求めること自体が、間違いで、むしろ、わかったことを確認や勉強することが目的なのだろうか。それでも、過去には、提案や夢や将来へのビジョンがあったように思うのだが、そのようなものはもうないのだろうか?
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