2003年5月11日の日誌 インターネット上での選挙活動

2003年5月11日(日)

インターネット上での選挙活動

本日の東京新聞で、民主党が選挙でマニフェストの方法をとりたい、そのためには公職選挙法の改定が必要と主張しているとのことであった。公職選挙法とインターネットについて考えてみたい。

以下は、『図書館の学校』に書いた草稿の一部。インターネット上での選挙活動ができない。こんなばかげた法律があるのか、というとまさに公職選挙法では、できないことになっている。そもそも、自由なビラの配布などを認めていない。立ち会い演説会もできない。インターネット上での選挙活動は開放すべきである。ただ、実際にはネットを使って、公約を知らせている候補者はいて、応援したいと思っている。先日の選挙でも、投票したMさん(当選)は、そのような1人である。本人にメールで問い合わせているが、まだ、返事が来ていない。

この原稿が掲載される頃には、選挙の結果が出ているが、原稿を書いている今、私の住んでいる区では、区議会議員選挙と区長選挙のまっただ中。宣伝カーから流れる名前とガンバリマスの<声に出して欲しくない>日本語の連呼が行われている。そんな騒音も民主主義のためのコストだというのだろうか。

ありきたりの選挙演説には、価値がないとか、連呼するだけの候補者の知性を疑うとかそのようなことを言いたいわけではない。ありきたりの選挙を拒否して、街頭演説をしなかった青島幸男氏を見れば、騒音を出さなければ、それでいいというわけでもない。地道に活動をすることは基本であることはまちがいがない。その議員がどういう人でどんなことをやってきたのか、どういうことをやりたいのかが、きちんとわかる方法があることが望ましい。それが、わからないでどうやって投票することができるのだろう。<略>

多くの候補が、名前と元気にガンバリマスくらいしかいわないのは、車からの移動中の発言なので、街頭から聞くことができるのはせいぜい10秒程度だからだろう。10秒程度の中で伝えられることは、名前くらいしかない。本当に知りたいことは、その人の人柄、やりたいこと、できることだ。それにはもっと時間が必要になる。文書のかたちであれば、数枚から十枚以上の分量が必要になるだろう。そういう文書を読んで比べてみたいと思うが、公職選挙法によれば、

第142条 衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書及び第1号から第2号までに規定するビラのほかは、頒布することができない。この場合において、ビラについては、散布することができない。

となっている。具体的に文書で、細かく伝えることが、禁止されているということになるから、こういうことをしたいというと選挙民に伝えることができなくなるのではないだろうか。情報がないところで、誰かを選んで投票するということ自体、そもそもできないのではないだろうか。

必要な情報が提供されない仕組みが存在しているということ。言論が自由であるはずの日本で、我々の代表を決める選挙に言論が自由ではないということはどういうことだろう。機会均等かもしれないが、自由ではないだろう。

その人となりを知る必要がある。そのためにはきちんとした主張を読める必要がある。第142条は、そのような必要な情報の公開を妨げる法律なのではないだろうか。紙ではだめでも、他の方法はどうなのかと思うのは、当然のことだ。では、インターネットで自分の意見を告示することはどうだろうかと思うだろう。函館市選挙管理委員会事務局のホームページによれば、明快。

Q.インターネットを使って選挙運動はできるの?
A.できません。

そのような中でも、インターネットで自分の政策を公開している議員候補も少なからずいるので、インターネットでの活動をできるようにするべきであるとの議論自体を起こそうと思っているのか、それとも海外のドメインで、選挙期間以前のものであれば、よいということになっているのだろうか。宣伝カー、ビラ、街頭演説以外の言論の手段を法的に認めさせるように公職選挙法を改定すべきだ。<略>

ネットでこの問題についての発言を集めてみた。

毎日キャリアナビ〜福富忠和の今週のIMHO
インターネットと政治

民主党 2000年8月10日
インターネット上での選挙活動を可能にする「公職選挙法の一部を改正する法律」案づくりにあなたの意見をお寄せください
(構想日本)
[提言]政策を競う選挙にするための公職選挙法改正の提言<公職選挙法改正案>
(構想日本)
インターネットを使った選挙についてどう考えますか?
サイバースペースから見える政治と選挙
1996年11月7日共同通信配信原稿 (c)1996 廣瀬克哉
新党さきがけのホームページ

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