2002年10月13日(日)午後

秋晴れの中、小平市立図書館で、ビジネス支援図書館シンポジウム

気持ちのよい秋晴れの中、小平市立図書館で、ビジネス支援図書館のシンポジウムが開催された。小平市の中央図書館は、西武線の小平から、萩山に乗り換え、そこから単線で一駅、青梅街道から、歩いて5分のところにある、郊外の図書館である。東京のベットタウンで、大きな企業としてはブリジストンがあり、大学は津田塾女子大、武蔵野美術大学がある。

2時から、4時半までのシンポジウムであった。内閣府の安藤さん、東京都産業労働局の島田さん、多摩中央信用金庫に永年勤め、地元多摩地域の経済に詳しい平山さん、浦安市立図書館の常世田さん、それと会長の竹内さん、司会は小平市立図書館の蛭田さんである。

パネラーの話はどれも見事なものであったが、はじめてお聞きすると言うこともあって、私は、平山さんの発言が非常に面白く、身に迫って、印象に残った。長年、中小企業を見てこられた中で、中小企業とは、人材においても、経営資金においても、組織においても、不十分な中で経営していて、もし、それらが十分にあるのであれば、それは大企業であるという。中小企業は、どれも、不十分でありながら、それを十二分に働かせて、持続しているそういう存在であるという。(なるほど。)中小企業のビジネスには5タイプあり、株式上場を目指すもの(市場志向)は少数で、少ない社員で、事業を継続していくタイプ(経営志向)、家業志向、生計志向、仕事志向がある。上場する企業は別にして、一人くらいでやっている仕事志向の企業は、図書館を使っているが、それ以外のタイプの企業にとって、図書館は縁遠いところと感じられているのではないか、そのタイプの企業と橋渡しができることがビジネス支援図書館の役割として期待されているのではないかということであった。

さらに、パネルでは図書館の司書は、ビジネスの知識が豊富であることも重要だが、むしろ、ビジネスを中心にやっていない人間の発想、外部の発想や生活者に近い発想が、重要であって、事業をしている人を助けたいという気持ちが重要だと述べていた。ハートがもっとも重要であるということだろう。とても共感できる。また、終了後に聞いた話では、ご自身は、ショップの開業のサポートをしていたということで、この地域にはそんなショップができると上手くいくのではないかという視点でいつも街をみていたということである。そして、実際にそのお店が上手くいくことが、平山さんの喜びであったという。そっちの話も機会があれば、詳しくお聞きしたいところである。

加えて、安藤さんの報告の中で、OECDの調査で、日本の競争力の低下、ひいては起業家精神では、最下位であること、常世田さんの働き盛りの自殺率が先進諸国で最高であることの指摘は、とても重い問題であると思った。起業家精神が低くても、こころ豊かな生活があり、精神が安定しているということは可能性としてはあり得ることであろう。ところが、これが連動しているとすると、自分の人生を自分で切り開けない国民であることが、起業家精神を最下位にし、自殺率を最高にしているのだということにならないだろうか?自主的に生きることができないが故に、困難に立ち向かえなかったり、人に助けを求めることすらできない、としたら。ビジネス図書館は、自分で自分の人生を切り開ける人をつくるのだとしたら、意義はとても大きいと言うことになるだろう。

小平市立図書館の蛭田さんに東京大学の根本さんのシンポジウムの懇親会であって、その後に直接、図書館でビジネス支援を行うプロジェクトに参加してほしい、「図書館を変える運動を起こすべきだ」と電話で30分近くも説得したことを思うと感慨深いものがある。

会場には、補助席もでて、80人近い人が集まった。私は、経済産業研究所が援助してくれて、400人近くが集まった先日のシンポジウムもよかったが、こちらの方にもとても元気づけられた気がする。

私の反省点としては、小平の視聴覚室のプロジェクターの調子が悪かったのを事前に見ておかなかった点。小平担当の私が、事前に確認しておかなかったのは、私の落ち度。安藤さん、島田さんに申し訳なかった。





おまけ
西武新宿線高田馬場でおりたところ、大音響。早稲田通りは、サンバやらアフロダンス(?)やら、鳴り物入りの大カーニバルであった。街頭は人で埋め尽くされていた。エネルギーのあふれる姿に感動。町おこし、人おこし、都市おこしだろう。楽しく、元気にやりたいものである。私は、エレキギターか三味線を習いたいと思っている。50歳になったら、旅芸人になろうか。話術を磨かなければ…

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