学会不開催などで新刊を見ていただく機会がなくなったこと
今回の「房主より」は、悲観的モードです。空元気も出せずに不安ぽい書きぶりになっています。（10日にメール通信として発信したものが元になっています）
非常事態宣言が解消されまして、東京では居酒屋も22時まで営業してもよいということになりました。22時まで開いているということですと飲みに行くと行っても、なかなか余裕をもって飲むというのにはなりにくいところです。それでも、再開されただけまだマシで、呑み助としてはさらなる解禁を待っているところです。
対面の授業が部分的に再開された地域もあるようですが、東京（23区）の大学は前期は対面での授業の再開はなく、先生方も大学にもなかなか行かれないのではないでしょうか。
研究書を刊行している出版社としては、春の売れ行きを心配しています。年度末から新年度に刊行した書籍の売れ行きが心配されるところです。2月から4月にできた書籍は、19冊あります。大学の閉鎖が続きますと大学の予算の執行も遅れるのではないか、春に売ろうと思って作った研究書も少なくありませんので、気がかりです。19冊ということは、年間の三分の一よりも多い冊数です。予算自体が、なくなってしまうということがなければ、時期は遅くなったとしても何とか購入はしていただけるのではないかと思っています。本当は春の学会で、展示して、お目見えして売っていきたいと思っていましたので、売れ行きはどうなることでしょう。4月の売り上げが少なくなりましたので、無利子扱いの日本政策金融公庫の緊急融資に申し込みました。無利子といっても、最初の2年間が無利子なだけで、（その段階で全額を返せばともかく）その後は利子がかかります。そのようなかたちで、リスクに対して手は打っていますが、どこまで回復するでしょう。
われわれにとって、本を出したことの宣伝の機会でもある学会が、中止になってしまっていますし、さらには秋の学会も日本語学会などもオンライン開催になってしまっています。オンライン開催ですと書籍の実物を見ていただくこともできません。講演会をするソフトはあっても、その場所に売り場を作る機能はありません。また、書籍を作るものにとって、原始的ですが、やはり、対面で本を並べて、見ていただいて買っていただけるというのは、大きな喜びであり、満足です。また、書籍というものには、旬（しゅん）というものがあって、新しく出した書籍にはその新しい風が吹いているということもできます。新刊ということ自体が、イベントというか事件だということもできます。それらが並んでいること。ライブなパワーというものはあるものです。学会が、リアルに開催されないとするとあるいは、店頭で新刊書を見られない状態の時、出会いの機会は、どうなっていくのでしょう。
どのように広報して、刊行を知っていただくか、学会不開催でも、何とか、告知したいと学会出店の代替えページを作って、代わりに伝えていく努力を行っています。
先日は、日本語音声コミュニケーション学会のネット開催に学会と提携していただき、刊行した著者の方に登場していただき、書籍の肝になる部分を解説するという機会を作っていただきました。オンラインでの開催でした。以下の学会のアイコンから、その時の学会の録画されたものをご覧になることが出来ます。Remoで開催した懇親会では、ひつじ書房のコーナーも作っていただきました。もう少しで刊行となるベトナム人の音声を教えるための書籍『ベトナム人に日本語を教えるための発音ふしぎ大百科』の予約も取らせていただくことができました。多くの方にご予約いただきました。ありがたいことです。
（↓↓↓ クリックしてみて下さい。動画には松本も登場します。ページの下の方です。）
ちなみに日本語音声コミュニケーション学会の学会誌は動画の含まれているPDFで配信しています。その編集は、ひつじ書房で行っています。入会の案内のページは、http://www.speech-data.jp/nihonsei/apply.htmlです。どうぞご入会下さい。
オンライン開催の際にどのように書籍展示の場所を作ることができるのか、Zoomなどにオンライン出展の機能があるとよいのですが、工夫をしながら、場所を作っていきたいと思いつつ、具体的な解決策は見いだせないでいます。
慣れない動画を作って、私が登場したりしています。iMovieという動画編集ソフトを勉強中です。擬似的な対面販売ができるといいのですが、実現できていないところです。もう少し見てみようと思っていただけるような何かが必要でしょう。動画にしろ、ネットでの広報にしろ、引きつける何かが必要だと思いますが、解を見いだしあぐねています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
追記
「関西言語学会第45回大会代替特別セール」は、新刊が並んでいますところをご覧になれます。
代替え出店
言語学会はこれから作ります。
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