2020年3月12日(木)学会の開催がキャンセルになってしまったひつじメール通信(3月12日)に配信したものを元にしています。 学会やシンポジウムの開催がキャンセルになっています。3月は社会言語科学会が中止になりました。社会言語科学会は、昨年は秋には学会の開催がありませんでしたので、1年間学会がないことになってしまいました。 学会の開催ができなくなって、実際に集まって会って行うのではなく、ネット会議の機能を使ってやるということも行われています。教育工学会は、ZOOMを使って、学会を開催しました。全部の発表ではなくて、発表希望者のネット発表を実現したということのようです。教育工学というネット技術には慣れ親しんだ方が多い学会だから、実現できたということだと思います。急にこのような事態に対応できたということは、たいへんなことだと思います。敬意を表します。 日本教育工学会 2020年春季全国大会 オンライン試行について(お礼) コロナウイルスの影響での外出、集会を控えることがいつまで続くのでしょうか。まだ、分からないところです。4月中には沈静化していることを祈りたいと思いますが、楽観視もできにくいでしょう。学会をネット配信の技術を使って行うことができるようにすることは、学会運営において重要なテーマになっていくでしょう。それは間違いのないことだと思います。そのようにネットで開催されるとなった場合、出版社としては、出展の機会を失うことになってしまうのでしょうか。リアルに対面でなくても、何らかのかたちで参加ができるようにしたいものです。私たちの気持ちとしては、リアルな学会の場合は、学会に行って、先生方と会い、話しをし、本も売るということはとても重要なことです。それは、学会や学会に参加する方にとっても大きな役割を持っているものと考えています。 学会は、発表することと議論をすることが重要ですが、それだけではなくて、研究をされててきた研究書をその場で展示して、見てもらって売ることも(買っていただくことも)重要なことだと思っています。発表ともまた異なった形での研究の共有、議論の機会だと思います。啓蒙、啓発、普及も重要です。学問もパフォーマンスという要素もありますので、ある種の勢いというものが重要だと思います。発表と議論だけではなく、著書(研究書)というものも、研究にとって重要なパーツであると主張したいのです。 ZOOMのような会議室の機能の中に、そういう発表以外の存在を許容する仕組みがあるといいのですが。もし、非接触、リアルには集まらないそういう場所に書店が出店できるのか、調べてみたいと思います。また、そういうことを考える勉強会を学術出版社で検討するようなことが必要なのかも知れません。コロナウイルスは、人々の空間的なことも含めて、リアルな接触によって、感染し、拡散していきます。言語活動を含めた相互的行為によって起こります。そういう意味では、リアルなコミュニケーションというものが、ウイルスによって侵食されたというだということができます。人々が世界中を行き来するという空間ができ、それが普通になった時代に起きていることです。このようなことは、数年に1回は起こるような世の中になっていくという可能性もあります。 そういう時代のリスクを考えながら、学術出版も行っていくということです。ネットでの仮想販売ということも研究していきたいです。 社会言語科学会の際にデビューしようとしていた『自然会話分析への語用論的アプローチ--BTSJコーパスを利用して』(宇佐美まゆみ編 定価4500円+税 A5判並製カバー装 396頁)、強く推させていただきます。会話分析・談話分析研究に一石を投ずる書籍です。(amazon.co.jpにリンクします。) ---------- 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次・番外編 ホットケーキ巡礼の旅 日誌の目次へ
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