2015年4月7日(火) 編か編著か刊行まじかの書籍の表紙に編といれるのか、編著と入れるのか、という議論がありまして、表紙に編と書くのか編著と書くのか調べてみました。 研究書・学術書の要素が強い出版社は、編であることが多いように見受けられました。編著とする場合は、執筆者名を全部表紙にあげている場合が多いです。 編とつきますのは、研究書的な書籍の場合と、教科書的な書籍の場合では意味合いが違うように思います。研究書的な書籍の場合は、研究の初期的な段階の後に多いのではないでしょうか。 編著とするのは英語教育や日本語教育などの言語教育関係の図書が多いように感じています。私は、編著とするのなら、執筆者全員を表紙に載せるのが合理的だと思います。著者は全員乗せるべきだと思います。 ひつじ書房は、原則として、編を使いたいと思っています。英語のeditの翻訳は、編集であり、編であって、このことばには、著ということは含まれていないと考えます。 編著と名乗るのは、そのご本人にとってそうなのであって、書誌的な意味では、合理的ではないと考えています。 調査しました結果です。研究書でも出版社によって、揺れがないわけではありませんが、方針はきちんとあるようです。以下は敬称なしです。失礼の段、お許し下さい。 ○勉誠出版 ●日韓漢文訓読研究 ●中世寺社の空間・テクスト・技芸 ●東アジアの音楽文化 ○みすず書房 ●宗教を語りなおす近代的カテゴリーの再考 ○岩波書店 シリーズ 日本の安全保障 そもそも、みすず書房と岩波書店には編の本がほとんどない。シリーズもの、講座もの的な書籍でしかありません。編とつく本は、新しいジャンルを編者が中心になって、みなで新しい研究を生み出すという段階のものだからだろうか。 ○吉川弘文館 ●北の軍隊と軍都 1 ●軍都としての帝都 2 ○勁草書房 ●貧困問題とは何であるか?「開発学」への新しい道 ●「男らしさ」の快楽--ポピュラー文化からみたその実態 ●子どもの心的世界のゆらぎと発達: 表象発達をめぐる不思議 ○笠間書院 ●和歌のルール渡部泰明編 和歌のルール 渡部泰明も執筆している。 ●平安文学をいかに読み直すか ★ ミネルヴァ書房、北海道大学出版会は、他の著者名も表紙に掲示しないでの「編著」がありました。 なお、編集もして、自分でも書いている方が、自分が編集して著作もした場合に紹介する時に、編著と書くことはまったくおかしくないと思います。ここで、述べているのは、表紙や奥付けでの記載のことです。 ---------- 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次・番外編 ホットケーキ巡礼の旅 日誌の目次へ
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