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2024.12.27(金)

2024年の振り返り


今年は、前半は本の刊行に注力し、後半は学会出展と出張で目が回った一年でした。
今年刊行した担当書籍は、以下の11冊です。

1.物語の言語学
2.英語抽象名詞の可算性の研究
3.ワークショップデザインにおける熟達と実践者の育成 第2版
4.中国語現代文学案内
5.Perception and Linguistic Form
6.昭和前期における口演童話の変遷
7.大学で「英語」(ことば)と向き合う
8.〈学問史〉としての近代文学研究
9.日本文学の英訳研究
10.改訂版 グローバル社会のコミュニケーション学入門
11.日本近現代文学史への招待

今年刊行した中では、なんといっても5年以上かかって刊行までたどり着いた『中国語現代文学案内』を推したい(ぜひ図書館にいれてください!)です。
中国の作家99人の紹介、そして作家ごとに邦訳されている作品を網羅したリスト掲載、執筆者も30人以上と、コンパクトながら大変充実した内容となりました。作家の写真も掲載しており、みなさん決め顔だったり自然体だったりと、パラパラと写真を眺めているだけで、不思議と親近感が沸きます。なかなか他にはない本ができたのではないでしょうか。

2月に刊行した『物語の言語学』は刊行時からとても評判がよく、早々に重版となり、2刷となりました。
言語学の観点からフィクションから実際の語りまで幅広く物語に触れていく試みの面白さがうまくみなさんに伝わったのだと思います。

語りという点では、『昭和前期における口演童話の変遷』は、子供たちに(時には千人規模で)児童文学を語って聞かせるということが、明治中頃から始まったということで、今は口演童話という言葉自体はありませんが、その展開を追った本書はとても興味深いもので、多くの方に読んでいただきたいと思っています。また装丁もとても格好良く仕上がりました。『英語抽象名詞の可算性の研究』『Perception and Linguistic Form』のシリーズを手掛けていただいている白井敬尚さんのデザインです。

今年の後半は仕込みの時期でもあり、たくさんの校正ゲラが動いており、年明けから刊行予定の本がたくさんあります。
また、長年寝ていた企画がついに動き出すことになったというものもあり、2025年もとても楽しみにしています。

きっちりとお仕事をやりきれるように体調を整えつつ、がんばりたいと思います。






2024.12.27(金)

2024年の振り返り


毎年振り返りのスタッフ日誌は最終営業日に書いていますが、それはすなわち、年賀状を書いた直後ということになります。毎年、宛名を見ながら「お待たせしてごめんなさい」と反省文書きになってしまいそうなところを、年賀状なのでなるべくポジティブなことを書こうと思っています。来年は意図せずとも反省文にならないようにしたいです。

さて、今年刊行した担当書籍は、以下の13冊です。

1. 文学教育における読書行為の研究
2. 作文教育の日中対照研究
3. 「関係」の呼称の言語学
4. BLと中国
5. 日本語 巡り合い 1
6. 型から学ぶ日本語練習帳
7. 日本語学習アドバイジング
8. 談話標識へのアプローチ
9. 中国語の役割語研究
10. 未来の図書館
11. 新しい認知言語学
12. 動画でわかる日本語教育実習ガイドブック
13. 「ののしり」の助動詞でなにが表現されるのか

だいたい10冊前後のことが多いので例年より少し多めですと言おうと思っていたのですが、昨年2023年の「振り返り」を読んでいたら「いままさに印刷・製本中の校了済みの本が1冊と、校了直前のものが2冊ほどあります」とのことだったので、編集関連の仕事量としては例年並みかもしれません。ものすごい忙しかった気がしていたのはなぜなのでしょうか。
とはいえ、今年も今まさに印刷中の本が1冊あります。また、このほかに電子雑誌『日本語音声コミュニケーション 12』と、房主の担当書籍の製作手伝いをしていますので、頑張ったと言って許されると思います。

今年はなんといっても、前半に『BLと中国 耽美(Danmei)をめぐる社会情勢と魅力』(周密著)が大ヒットしたのが印象的な年でした。発売前にX(旧Twitter)で宣伝ポストをしたところ見たことない数のリポスト・いいね数になり、発売日前に重版が決まりました。
この本は、みんなが不思議に思っていたけれどもどこにも書いていないことをまとめたところが、ヒットの理由だと思っています。中国の検閲事情、その検閲の中でどうやってBLが生まれているのか。ヒットには中国BLファンの力が大きいと思いますが、中国のメディア事情について知りたいという人にもおおいにおすすめの本です。

また、読書行為の本、図書館の本と、「読む」ということにも意識がいく年でした。前述の「今まさに印刷中の本」は『集団で言葉を学ぶ/集団の言葉を学ぶ』ですが、こちらも「みんなで読むことで何が起きるのか」を問う本です。読書の根幹を考えていきたいと思っています。

このほかもそれぞれに思い入れがあるのですが、このくらいにしておきます。
ひつじ書房全体では、58冊の書籍を刊行しました。ちなみに2023年は41冊、2022年は47冊です。
流されるように仕事をしているような気がしますが、いままさに出すべき本を出していると思っています。
どうぞ来年もよろしくお願いいたします。






2024.12.27(金)

2024年の振り返り


ひつじ書房は本日が仕事納めです。
今年、私が担当した書籍(電子雑誌含む)は11冊でした。

1.音声・音韻の概念史
2.流暢性と非流暢性
3.日本文化は英訳できるか、禅は西洋に根付くか
4.失敗から学ぶ大学生のレポート作成法 第2版
5.日本語習熟論研究 第2号(電子雑誌)
6.中島敦 意識のゆらぎから複数の世界へ
7.教科を越えた「書くこと」の指導
8.英語教材の最前線
9.ベーシック形態論
10.A Contrastive Study of Function in Intonation Systems
11.受け入れ現場から考える外国人労働問題と介護の取り組み

今年で私は入社して5年目という節目の年なのですが、今までで一番担当書籍の刊行点数が多い年になりました。来年以降もこの記録を更新していけるといいなと思います。今年はずっと忙しいなあと思いながら仕事をしていたのですが、ちゃんと忙しさに見合った冊数を刊行できていたようでよかったです。 一方で今年中に刊行したかったものの間に合わなかった編集中の書籍もあるので、お待たせしている先生方には大変申し訳なく思っています。来年はお待たせすることなく刊行できるように進めていきたいと思います。

入社以来、ということで思い出したのですが、今年刊行した『教科を越えた「書くこと」の指導』の編者の島田康行先生、渡辺哲司先生、『失敗から学ぶ大学生のレポート作成法 第2版』の著者の近藤裕子先生、由井恭子先生、春日美穂先生は、私が入社して初めて編集を担当した『あらためて、ライティングの高大接続』でお世話になりまして、もう一度先生方とお仕事ができてとても感慨深かったです。
そういうこともありまして、今年は節目の年らしく、自身が入社してからどこまで来たのかを考えさせられる1年でした。

担当した書籍はどれもさまざまな思いがあるのですが、一番印象深いのは『受け入れ現場から考える外国人労働問題と介護の取り組み』でしょうか。介護問題、外国人労働問題といった日本社会の喫緊の課題を、政府・行政といったある種の「上から目線」ではなく、「現場」で働く人たちの立場から考えることで見えてくることがいくつもある、ということがわかる一冊です。

今年も大変お世話になりました。
良いお年をお迎えください。




2024.12.27(金)

2024年の振り返り


ひつじ書房は今日が仕事納めとなります。
大掃除をして恒例の年越しそばをいただいてきました。

今年はひつじ書房が入っているビルの外装工事が長くあったので、工事の音や塗料の臭いに悩まされることもあったのですが、
終わってみればベランダ部分の防水加工がきれいに施されていたり、網戸が新しくなったりと掃除もしやすくなっていてうれしかったです。

2024年もたくさんの新刊が刊行されました。
その年に刊行された新刊は以下のページで一覧になっておりますので、是非ご覧ください。
https://www.hituzi.co.jp/books/sinkan.html


本年も大変お世話になり、ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。




2024.12.27(金)

2024年の振り返り


今年も大掃除の後、去年と同じ牡蠣天そばをいただきました。
あとは机の周りやゲラを整理して仕事納めといたします。

今年担当した書籍は8冊です。

1.現代日本語の逸脱的な造語法「文の包摂」の研究
2.音声認識で学べる英語発音学習帳
3.The No More A than B Construction: A Cognitive and Pragmatic Approach
4.日本語変異論の現在
5.近現代日本語における外来語の二層の受容
6.新しい言語心理学
7.小学校と中学校の英語教育接続に関する実践的研究
8.日本語文法史研究 7

『現代日本語の逸脱的な造語法「文の包摂」の研究』の著者の泉先生はこのあいだの語用論学会のシンポジウム「言語コミュニケーションのなかの逸脱と創造性」に登壇されていました。著書を出された年にこのような関連するテーマのシンポがひらかれましたこと、担当した身としても大変うれしく思いました。さらに議論が広がっていくと嬉しいです。
『音声認識で学べる英語発音学習帳』はスマホやPCの音声認識システムを用いた英語の発音練習帳です。著者の中條先生とより使いやすく、わかりやすい誌面を読者に提供するため、相談を重ねて作り上げたことが印象に残っています。ブックデザイン全般をてがけてくださり、かわいいオカメインコのキャラクターをデザインしてくださった村上真里奈さんにも感謝です。
『The No More A than B Construction: A Cognitive and Pragmatic Approach』は、いわゆる「クジラ構文」の本質を認知言語学的に探究した本です。著者の廣田先生が刊行後に弊社に挨拶にきてくださって、一緒に写真撮影をしましたのも思い出です。大変ありがたく思いました。
『日本語変異論の現在』は、34本の論文をおさめた614頁の本です。34本というのはわたくしが担当したこれまでの本で、最多ではないかと思います(おそらくです)。東北大学名誉教授の小林隆先生の退職記念論文集も兼ねていまして、たくさんの先生方がご執筆くださり、編者の先生がまとめてくださって刊行することができました。
『現代日本語における外来語の二層の受容』は、抽象的な外来語受容のプロセスを明らかにするものです。書名の「二層」というのは本書のキーワードです。ぜひ本書を開いていただいて「二層」がどのようなものか、図もございますので、ご覧いただきたいと存じます。書評をお待ちしています。
『新しい言語心理学』は、執筆過程で執筆者の先生方が研究会を何度おこなって形となった本です。この秋に成城大学で行われた質的心理学会でも多くの方にご購入いただきありがたく思いました。「ひつじ「ことばと心理」のシリーズ(仮)」(※シリーズ名はつけないかもしれません)はあと2冊企画が動き出したところです。お楽しみに。
『小学校と中学校の英語教育接続に関する実践的研究』は、小学生の子どもをもつ親としてもとても勉強になりました。小学校の英語教育でどのようなことが行われているのか詳細に知ることができます。中学校英語教育への接続についても提案されています。こちらも書評をお待ちしています。
最後は『日本語文法史研究 7』です。1巻から担当しておりまして2年に1回刊行ですので、今年で刊行から12年目でしょうか。
日本語文法学会が九州大学でひらかれましたので、その前に刊行しなければ九州に足を踏みいれることはできないと思っておりましたため、編者・執筆者の先生方のおかげで、なんとか学会前に刊行できてお披露目ができてうれしかったです。数年ぶりの福岡も堪能しました。

冊数的には例年通りという感じです。もう少し年内に出したかった本があったのですが、年明けからスピードアップして進めてまいります。
2025年2月頃に刊行予定の『外国人受け入れへの日本語教育の新しい取り組み』(田尻英三編)は昨年からはじまった新しい日本語教育施策を理解する上で重要書籍です。ご期待ください。

本年もお世話になりましてありがとうございました。
皆様よいお年をお迎えください。




2024.12.17(火)

「光る君へ」


2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」が日曜日に最終回を迎えました。
1年間、日曜日が来るのが待ち遠しいほどだったので、終わってしまってさみしいです。

ドラマは映像も音楽も美しく、雅な世界観に浸りながらじっくり鑑賞し、さらにドラマのあとに、Xなどで語られるさまざまな感想や考察を見るのまでをひっくるめて楽しみでした。
これまで『源氏物語』も紫式部も国語の授業や日本文学史で習った以上の知識もなかったのですが、モノクロの文字が彩りをあたえられたようにいきいきと動き出すような、そんな思いがありました。

最終話、まひろ(紫式部)の家にききょう(清少納言)がやってきて、二人で語り合うシーンが印象に残りました。
われわれは政をも動かすような大層なことを成し遂げたと思いません? と話すききょうに、まひろが「米や水のように、書物も人になくてはならないものですよ」と返します。

このような記録はもちろんないので言ってしまえば創作ではあるのですが、史実でなくても作り話だったとしても、「書物はなくてはならないもの」と言って友と笑い合う姿に、私自身が背中を押されたようなうれしい気持ちになりました。
出版社に勤めるものとして、書籍がなくてはならないものと千年後にも思えるようわずかでも貢献していきたいものです。

来年の大河ドラマは「べらぼう$301C蔦重栄華乃夢噺$301C」。江戸のメディア王とも言われている蔦屋重三郎の話ということで、こちらも今から楽しみです。




2024.12.4(水)

実習のための1冊



昨今は「動画」の時代のようで、特に若い世代への宣伝には動画が届きやすい、という声を聞くことがあります。
私自身は簡単な調べ物(例えば「栗の茹で方」とか)を調べようとした場合、検索結果に動画が出てきてもそのページは避けるタイプです。テキストであれば数十秒で把握できる情報を、なぜ長々と動画を再生して見なければならないのか…というのがその理由です。茹で時間をもう一回確認したい、と思ったときに動画内の該当時間を探すところから始めなければいけないのも面倒です。
ですが、動画の方がわかりやすい分野というのは存在するもので、今回刊行した本はその区分にあるものだと思います。

『動画でわかる日本語教育実習ガイドブック 実習生から新任日本語教員まで使える実践研修のてびき』
中西久実子編 中西久実子・井元麻美著
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1262-2.htm

「登録日本語教員」の国家資格の制度が始まりましたが、その資格取得には実践研修が必須です。このたび刊行したこの本は、この実践研修のテキストです。
書名からわかるとおり、動画を利用しているところにこの本のポイントがあります。動画で実際の授業のやりとりを見て考える→テキストでポイントを提示してもう一度見る→解説、という流れを基本にしています。授業におけるやりとりは、それこそ動画であることがわかりやすい分野かと思います。

動画を効果的に使っているこの本ですが、著者による宣伝の動画も作っていただきました。6分ほどの長さのものです。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/ku9leFee1Z4



書き込みやすい別冊も付属しています








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