HOMEへ過去の日誌7月の日誌スタッフ紹介



2024.8.20(火)

刊行! 『教科を越えた「書くこと」の指導』


最近、通勤途中に遊びに出かける最中と思われる小・中学生くらいの子どもたちを道や電車の中でよく見かけます。夏休みを満喫しているようですね。楽しそうでなによりです。
ただ、彼らも夏休みを楽しんでばかりもいられないでしょう。そう、夏休みといえば大量の宿題が付き物です。8月も後半に入って、宿題の山を前にして頭をかかえている子もいるのではないでしょうか。

ふと、自分が子どもの頃に出された夏休みの宿題を振り返ってみると、国語の読書感想文や、理科の自由研究、社会科の博物館見学レポート、英語の日記(これはレアな宿題かも)など、いろいろな教科から「書く」宿題というものが課せられていたのだなと気づきました。
どうして突然こんなことを思ったかと言いますと、8月上旬に刊行した新刊と関わっています。今回はその新刊、『教科を越えた「書くこと」の指導 事実を伝え、意見を述べる力を育む』(島田康行・渡辺哲司編)を紹介します。

本書は「書くこと」の指導に取り組む中学・高校の先生方に、ご自身の実践を紹介していただいてますが、タイトルにもあるとおり、国語科だけでなく理科の先生や農業科の先生、さらには校長先生の学校運営など、教科という枠を越えた広義のライティング教育実践を紹介している点に本書の特色があります。やはり「「書くこと」の指導」というと「国語」のイメージが強いかと思いますが、「書くこと」という技能が学びの基盤にある以上、その技能を育むことは全ての教師が取り組めるはず。そこで「教科の別なく、全ての教師に「書くこと」の指導に進んで取り組んでほしい、その取り組みを応援したい」という編者のお二人の願いが本書には込められています。
もちろん、「書くこと」の指導」において、言葉そのものが学びの対象である国語科の先生の役割も重要です。本書では教科を越えて「書くこと」を指導していく上で、国語教師はどのような役割を担うかという点も考察されています。また、5名の国語教師の実践も紹介していますが、どれもユニークな実践ばかりです(特に私が驚いたものだと、第4章の大内康宏先生の「書かせない」実践とその狙いには目から鱗が落ちました)。

先日の8月9日・10日に開催された、日本国語教育学会全国大会にひつじ書房も出展しまして、刊行したばかりの本書を持っていったところ、事前に搬入した分が1日目には完売しまして、2日目は急遽追加で持っていくことになりました。大変好評でありがたく思います。
この大会でお買い上げいただいた方は国語教師・国語教育関係者がほとんどだと思いますが、繰り返しになりますが「書くこと」の指導は「全ての教師」に関わることです。ぜひ教科に関係なく教育に携わっている方はお手に取っていただければと思います。


島田康行・渡辺哲司編『教科を越えた「書くこと」の指導 事実を伝え、意見を述べる力を育む』詳細ページ
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1238-7.htm





2024.8.6(火)

日本方言研究会機関誌『方言の研究』10号が刊行です


異常な暑さが続いていますが皆さまいかがお過ごしでしょうか。先日、法事で伊豆の実家に帰省した際、夜はクーラーいらずで寝られるほど涼しくて衝撃でした。避暑におすすめです。

さて、日本方言研究会の『方言の研究』の第10号が刊行されます。記念すべき節目の10号です。2014年に第1号が刊行されてから、毎年1号のペースで号を重ねてきました。当時わたしはまだひつじ書房にいなかったので、創刊の時は関わっていないのですが、新しく機関誌を立ち上げるということは大変なことだったと思います。そして何より、続けることも同じかそれ以上に大変なことだと身に染みて感じています。日本方言研究会の世話人や編集委員の先生方、そして査読を担当される先生方など、多くの方々の尽力の賜物です。これからも続けていけるように、多くの人が日本方言研究会に参加して『方言の研究』を支えていってくれればと願っています。

『方言の研究 10』

〈依頼論文〉
●声調言語としての日本語—Clark(1987)の現代的価値— 青井隼人
●長崎県藪路木島方言における「が」と「の」—無生物主語の場合— 原田走一郎
●方言の言語変化と維持—福岡市方言の終助詞タイを例に— 平塚雄亮
●児童・生徒の作文にみる尊敬語の地域差—『綴方風土記』全8 巻の作文から— 竹田晃子

〈投稿論文〉
●郷土料理〈しもつかれ〉を表す語の形式と方言分布 新井小枝子
●説明の文として機能する沖縄語謝名方言のシテアル文 狩俣繁久・島袋幸子
●上方古典落語における方言の形式化—速記本『上方はなし』と音声落語の比較を例に— 安井寿枝
●樺太日本語における朝鮮語・ロシア語の影響—言語接触に誘発された音声変異に関する探索的研究— 松本和子・高田三枝子・吉田さち・奥村晶子

〈解説 方言研究の方法〉
●日本語諸方言コーパス(COJADS)を用いた研究法 佐藤久美子・上村健太郎・木部暢子
●方言辞書の構築—日琉諸語オンライン辞書作成の経験から— Salvatore, Carlino

〈解説 方言学を支えた人々〉
●小松代融一氏と岩手方言研究 大野眞男
●信州諏訪における市民科学としての言語地理学—牛山初男,土川正男,浅川清栄— 大西拓一郎


『方言の研究』は購読会員も募集しています。購読会員は3割引となりますので以下のページからこの機会にぜひお申し込みください。
すでに購読会員の方でお送り先のご住所など会員情報に変更のある方も、以下のページから変更の手続きをいただくか、ひつじ書房までご連絡をいただけますと幸いです。購読分の10号は8月中旬以降に発送予定です。

■『方言の研究』購読会員の登録と変更





HOMEへ

過去の日誌

7月の日誌

スタッフ紹介