日本方言研究会機関誌『方言の研究』10号が刊行です
異常な暑さが続いていますが皆さまいかがお過ごしでしょうか。先日、法事で伊豆の実家に帰省した際、夜はクーラーいらずで寝られるほど涼しくて衝撃でした。避暑におすすめです。
さて、日本方言研究会の『方言の研究』の第10号が刊行されます。記念すべき節目の10号です。2014年に第1号が刊行されてから、毎年1号のペースで号を重ねてきました。当時わたしはまだひつじ書房にいなかったので、創刊の時は関わっていないのですが、新しく機関誌を立ち上げるということは大変なことだったと思います。そして何より、続けることも同じかそれ以上に大変なことだと身に染みて感じています。日本方言研究会の世話人や編集委員の先生方、そして査読を担当される先生方など、多くの方々の尽力の賜物です。これからも続けていけるように、多くの人が日本方言研究会に参加して『方言の研究』を支えていってくれればと願っています。
『方言の研究 10』
〈依頼論文〉
●声調言語としての日本語—Clark(1987)の現代的価値— 青井隼人
●長崎県藪路木島方言における「が」と「の」—無生物主語の場合— 原田走一郎
●方言の言語変化と維持—福岡市方言の終助詞タイを例に— 平塚雄亮
●児童・生徒の作文にみる尊敬語の地域差—『綴方風土記』全8 巻の作文から— 竹田晃子
〈投稿論文〉
●郷土料理〈しもつかれ〉を表す語の形式と方言分布 新井小枝子
●説明の文として機能する沖縄語謝名方言のシテアル文 狩俣繁久・島袋幸子
●上方古典落語における方言の形式化—速記本『上方はなし』と音声落語の比較を例に— 安井寿枝
●樺太日本語における朝鮮語・ロシア語の影響—言語接触に誘発された音声変異に関する探索的研究— 松本和子・高田三枝子・吉田さち・奥村晶子
〈解説 方言研究の方法〉
●日本語諸方言コーパス(COJADS)を用いた研究法 佐藤久美子・上村健太郎・木部暢子
●方言辞書の構築—日琉諸語オンライン辞書作成の経験から— Salvatore, Carlino
〈解説 方言学を支えた人々〉
●小松代融一氏と岩手方言研究 大野眞男
●信州諏訪における市民科学としての言語地理学—牛山初男,土川正男,浅川清栄— 大西拓一郎
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