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2024.7.16(火)

広東語の世界へ

ジュンク堂書店池袋本店で、中央公論新社から刊行された『広東語の世界』(飯田真紀著)の発売を記念して、弊社から2019年に刊行した『広東語文末助詞の言語横断的研究』(飯田真紀著)を併売してくださっています。

『広東語の世界』は新書で、広東語がわからなくても読みやすく、グローバルな視点で広東語というものを問い直していて興味深いです。

『広東語文末助詞の言語横断的研究』は、広東語の文末助詞の全体像を明らかにし、さらに日本語との多くの共通点を指摘し、言語横断的な観点で「文末助詞」という言語カテゴリーを再考しています。

新刊と一緒に棚においてくださって、新書から専門書へとしっかりと橋渡しをしてくださって、大変ありがたく思います。
棚には白水社さんの語学書『ニューエクスプレス 広東語』もあります。

ジュンク堂書店池袋本店 実用書・地図・文具担当さんのX(旧Twitter)では、『広東語文末助詞の言語横断的研究』に掲載されている例文がおもしろいと紹介してくれました。

「「前回そちらは私に弁当3つ分の借りがあったので、取り戻したいんです。」
 一体どんな状況なのか全く謎ですが、引用元が記載されており、実際に映画やTVドラマで使われた台詞なのだそうです。全体的にこういう感じなので、楽しみながら学べそうですよ」

とのこと。ありがとうございます。
上の例文は、想定外の提案を行うときに使用される文末助詞が表れている例文の直前の発話でした。

わたくしからも気になる例文をひとつ。

「お金を入れるんだよ。お金だよ。入れるんだよ。 (さあ)入れるんだ。ぼんやりして…。」
(※広東語を記載したいのですが、文字化けが生じる可能性がありますので泣く泣くなしにしております。)

何に入れるんでしょうね。貯金箱でしょうか…。
これは、相手に発話内容について聞くことを要請する伝達態度を表す助詞の説明にでてくる例文です。

映画や小説、インターネットからの用例も豊富で、広東語の雰囲気が訳文からも伝わってくるようです。

先週はじめに弊社の営業担当がおとずれた際は棚に置いてくださっていました。ジュンク堂書店池袋本店2階の趣味・暮らし・地図・文具のフロアの棚9[海外ガイド(アジア)]で展開されているようです。そして、8階3番[中国語]棚にも置いてくださっているようです。ぜひ、お立ち寄りください。

『広東語文末助詞の言語横断的研究』


先週のはじめに弊社の営業担当が訪れた時の写真
左端の函入りの本です。




2024.7.2(火)

オノマトペを感じる

先週末、子どもと一緒に北青山で開催中の「オノマトペ処方展」を見に行ってきました。

この展示は新書大賞2024グランプリの『言語の本質』の著者である今井むつみ先生と秋田喜美先生が全体監修をしており、スペース自体はそんなに広くはないので30分程度あれば見て回ることが出来ます。
とてもカラフルでポップな色使いの楽しい展示で子どもから大人まで楽しめて、なんと入場無料。ふとっぱらです。
私は土曜日の午前中に行ったのですが、多くの方が見に来ていました。

子どもがまず向かって行ったのが体験ブースの「さわるかぐマトペ」のコーナー。
(ケースの中にある石を触って・・・)
子「かたい」 私「オノマトペだとどんな感じ?」
子「ざらざら」 私「お、ざらざらなんだ。ほかには?」
子「ごつごつ」 私「おおー、なるほど」
ただ、「かたい石」という情報より、いま触っている石の質感が伝わるように表現してくれました。

ほかにも親子のコミュニケーションで役立つオノマトペとして、手を「ピカピカ」にあらうや寝転がってほしいときの「ごろん」など身近なオノマトペをクイズ形式で考える「パパママトペ」のコーナーも楽しんでいました。
小学生の子どもは少し前の自分を思い出して答えを考えているようでした。

私が面白いと感じたのは「カラダマトペ」という痛みや体調を伝えるときのオノマトペで、頭の違和感は「ズキズキ」「ガンガン」、胃やお腹は「シクシク」「キリキリ」「ムカムカ」などがあげられており、確かに受診時に問診で「どのように痛いですか」と聞かれたときに症状にあった表現を、痛みを分析しながら答えていることにあらためて気づかされました。
心臓が「ドキドキ」するときと「ドックンドックン」するのでは印象が変わります。

展示を見て、これまでマンガやゲームの中のことばとしてオノマトペを認識していた子どもも、生活の中にたくさんあることに驚いているようでした。

最後に好きなオノマトペのスタンプを「わたしの処方せん」として、自分の心の中を可視化してみようというコーナーで楽しみました。
かわいいフォントのスタンプがたくさんあって、ついつい私は欲張ってたくさん押してしまいました。



無欲な子どもの心(左)と欲にまみれた私の心(右)




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