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2024.3.21(木)

刊行+重版のお知らせ

例年通りならそろそろ2月・3月刊行書籍の忙しさが落ち着く時期ですが、今年は4月・5月刊行の書籍も多く、なかなか忙しさの終わりの目処が立ちません。
そんな状況ですがうれしいことがありました。
3月末刊行予定の書籍、『BLと中国 耽美(Danmei)をめぐる社会情勢と魅力』(周密著)の重版が決まりました。

『BLと中国 耽美(Danmei)をめぐる社会情勢と魅力』詳細↓
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1229-5.htm

3月末刊行なのに3月末に重版の報告とはこれ如何にと思われるかもしれませんが、X(旧twitter)で近刊予定を流したところ予想以上の反響と注文があり、初版が発売される前に重版が決まった、という意味です。おそらく弊社では初のことでないかと思います。(発売前重版というのは、初版の刷部数を読み間違えたということでもありますので若干のくやしさも感じております。)

ひつじ書房でボーイズラブの本?と思われた方もいるかもしれません。メディアに対して検閲が存在する中国。それなのに、性描写や同性愛表現とは切っても切り離せない関係にあるBL作品が、ドラマやアニメ化を通して中国発の世界的なコンテンツとして人気になっています。本書は、検閲を潜り抜けるための作品側の策略と、関連する社会状況などを解説・分析した研究書です。
その背景として、日本から影響を受けた中国BLの歴史や、同性愛の中国での歴史的な記述、そして中国BLが日本でどのように受け入れられているかについても解説しており、「中国BLについていろいろ知りたい」という方向けの読み物としても十分に期待に応えられる本だと思います。

個人的には、小説作品において性描写をどうやって行うか(メタファーだったり、英語を混ぜたり…)という話や、映像化の際に口の動きと音声が違うという話のような、製作者側の戦略と、映像に字幕(いわゆる「弾幕」)でBL作品としてのセリフを重ねるというような、作品のファン側の努力をそれぞれ興味深く読みました。製作者と作品のファン、そして取り締まりの対象だけれどもソフトパワーとして利用したい規制者側という、三者の思惑の絡み合いがありそうです。

初版は3月22日から出荷(取次搬入)です。また、重版分は4月5日より出荷が始まります。
かつてない勢いの重版で緊張しております。早めに重版のために動きましたので、もし初版が売り切れてもお待たせする時間は最小限になったはずです。どうぞよろしくお願いします。



2024.3.6(水)

校正の赤ペン

現在刊行予定の本がたくさん詰まっており、アップアップしております。
毎日たくさんの校正をしていますが、それに使う赤ペンは仕事道具として大事にしています。

ひつじ書房では三菱鉛筆の水性ボールペンの、uni-ball eyeを主に使っています。これは書き始めがかすれなくて、色もはっきりとしているので、修正をする作業者も赤字をみつけやすく良いペンだと思っています。作業者が見逃さない目立つ発色というのは大事です。一方で、少し乾きにくいという弱点があることと、私は書くスピードが遅いので文字が太くなり滲んでしまうので使いこなすのが難しいと感じています。

油性のボールペンは速乾なのが良いところですが、色が薄く、赤字の見つけやすさという点では良くありません。また、ペン先が堅いのも跡がつきやすいので難点です。

そのため、今は比較的乾きやすくて色味もはっきりしているゲルインキのボールペンが使いやすく思っています。 昨年、三菱鉛筆のゲルインキ uni-ball one が世界一黒が濃いとしてギネス世界記録の認定を受けたニュースがありましたが、赤については特にギネス記録のペンはなさそうです。

私なりに各社の赤のゲルインキボールペンを試してみて、今のところ一番使いやすく思っているのがPILOTのジュースアップです。細い線でゲラの細かなところにも書き込みやすく、発色が鮮やかで書き込んだところも良く目立ちます。

機会がありましたら校正に使いやすい赤ペン、ぜひ研究してみてください。



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