マルハラスメント!?
土曜の夜のニュース番組で「マルハラスメント」が取り上げられていました。
LINEで句点の「。」が使われると、若者は怒っているような印象を受けて怖いと感じるそうで、マルハラスメント(略してマルハラ)と呼ばれているとのこと。ネットのニュースでも話題になっていました。
若い世代はリアルに会話を再現したいと思うため、終わりをわざわざつける必要はない。吹き出しの中に入っているものにわざわざ「。」をつけなくても分かる。と、番組で石黒圭先生が解説していました。
一文や一言を1つの吹き出しで送る時、最後の「。」が余計だと思うのはなんとなくわかります。終わりを示すという機能を吹き出しが担っている訳ですね。ただ、長い文章を送りたい時は吹き出しがいっぱいになってしまって、それこそ吹き出しハラスメントになりそうですが、そもそもリアルな会話を志向するとすると、一度にたくさんの情報を送るのは向かないのでしょう。リアルな会話を目指しているかどうかという点に、すでに世代間というか個々のギャップがあるように思います。
わたしはどちらかというと句点や読点をつけないと落ち着かない方ですが、世の中には句読点をつけない文章もあります。これは弊社のウェブマガジン「未草」の岩崎拓也先生の連載で知ったのですが、賞状や招待状などでは句読点がつかないそうです。
■句読法、テンマルルール わかりやすさのきほん|第11回 身の回りにある句読点(最終回)|岩崎拓也
https://www.hituzi.co.jp/hituzigusa/2023/01/12/punc11/
(句読点の歴史や研究が分かる!連載第1回はこちら→https://www.hituzi.co.jp/hituzigusa/2021/10/04/punc01/)
結婚式の招待状などは句点で終わりを印象づけないようにという配慮が働いているようです。LINEの会話とはちょっと違いますが、終わりを強調しないというある種のマナーがあるのですね。
マルハラスメントという言葉では、「。」の機能とは別にそこに意図しない感情が見えるというのが興味深いですが、一概に「ハラスメント」と言ってしまうのもどうなのでしょうか。
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