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2023.12.27(水)

2023年の振り返り

本年もお世話になりましてありがとうございました。
私が今年刊行した書籍は以下の12冊となります。

1. 21世紀日本文学ガイドブック3 平家物語
2. プラグマティズム言語学序説
3. ベーシック応用言語学 第2版
4. 基礎日本語学 第2版
5. 直喩とは何か
6. 小説の描写と技巧
7. ジェンダー×小説 ガイドブック
8. AI時代に言語学の存在の意味はあるのか?
9. Integrated Skills Development
10. 方言のレトリック
11. 認知言語学論考 No.17
12. 農村青年の文学

『21世紀日本文学ガイドブック3 平家物語』は編集を開始してから刊行まで時間がかかってしまいました。昨年地上波で放映されたアニメの『平家物語』はとても良いアニメでした。羊文学の曲のオープニングも最高でした。あのアニメの余韻があるうちの刊行とは惜しくもなりませんでしたが、その分充実の内容となっています。
『プラグマティズム言語学序説』は新たな言語観の提案となる書になりました。みなさまに読んでいただき、どのような感想を持たれるのかを知りたく思っています。
『ジェンダー×小説 ガイドブック』は、フェミニズム・ジェンダー研究を文学研究につなぐガイドブックとして、これまでありそうでなかった本です。
『AI時代に言語学の存在の意味はあるのか?』は、弊社のウェブマガジンでの連載を元にした書籍です。今年はAIの話題が一気に爆発した年でしたが、タイミングの良い刊行となりました。刊行してみて分かったのは、どうも言語系の先生方は、AIが自分に関係があるものとはあまり真剣に考えていないようだということでした。私などはAIの発達でどうなるんだろう、というワクワク感を持ってしまうのですが、それは人によるとして、ぜひ本書を読んでAIと言語学の関係を一度考えてみてもらえればなと思っています。
今年はテキストの第2版への改訂が二冊ありました。みなさまにご愛顧いただいたおかげです。せっかく作った本なので、こうして内容をアップデートする機会がありますと大変嬉しく思います。

来年も、いますすめている力作がたくさん刊行の予定となっていますので、ご期待ください。
また、ずっと作業をしているひつじ書房のウェブページのリニューアルもいよいよ出来そうですので、来年のスタッフ日誌は今見ている感じからだいぶ違った感じのページで見ていただくことになると思います。お楽しみに!

どうぞ来年もよろしくお願いいたします。
良い新年をおむかえください。





2023.12.27(水)

2023年の振り返り

毎年この時期は、クリスマスから年越し+お正月へのスピードが早すぎて振り落とされそうになります。そんな、あっというまの年末です。

ひつじ書房全体での2023年刊行点数は41冊(電子雑誌は除く)で、ここ数年ではかなり控えめになりました。
私が担当して刊行した本は、以下の7冊です。

1. 英日通訳翻訳における語順処理
2. 消費者の向社会的行動原理
3. イン/ポライトネス
4. 開国前夜、日欧をつないだのは漢字だった
5. 現代中国人に日本はどう「イメージ」されるか
6. データを用いたことばとコミュニケーション研究の手法
7. 話題別コーパスが拓く日本語教育と日本語学

並べてみて驚いたのですが、シリーズ・叢書の書籍が1冊もありません。だいたい2、3冊は入ることが多いのですが、珍しい年でした。その分、装丁関係でも思い入れの強い本が多い年になりました。

印象に残った本をあげると、一つは『イン/ポライトネス からまる善意と悪意』でしょうか。ついに出せた、という思いの強い本です。「本音と建前」がキーワードになる本で、後半には文学作品を分析対象としている論考も入っています。「文字通り」ではない現象/ことばをどう考えていくか。これからぜひ盛んになっていってほしい研究分野です。言語学と文学の接続にも注目しています。

上記一覧には入れていませんが、電子雑誌『日本語音声コミュニケーション』を担当しています。最近は学会の理事会にも参加させていただいていますが、こういった形で学会に参加させていただくのが初めてで、勉強になります。

刊行冊数が例年より少なめですが、いままさに印刷・製本中の校了済みの本が1冊と、校了直前のものが2冊ほどありますので、さぼっていたわけではないはずです。(年末にゲラをお送りしてしまった方々には申し訳ありません…。)
とはいえ、どうも学会に合わせて出すというような意識が希薄になってしまっていたように思います。対面の学会も復活しましたので、来年は気を引き締めて計画的に邁進していきたいと思います。

本年もお世話になりましてありがとうございました。
来年も引き続き、どうぞよろしくお願いします。




2023.12.27(水)

2023年の振り返り

ひつじ書房は今日が仕事納めですので、今年の振り返りをしていきたいと思います。
今年、私が担当して刊行した書籍(電子雑誌含む)は以下の5点です。

1. 言語学習における学習ストラテジーと動機づけ
2. 文学研究の扉をひらく
3. 新世紀の文学研究
4.日本語習熟論研究 第1号
5. 日本手話で学びたい!

例年より点数が少なめでして、もう少し刊行できていればと反省しております。今年の下半期に出そうと予定していた企画もいくつかあったのですが、それぞれ事情によって年内の刊行が間に合いませんでした。
その代わりと言いますか、年度内までに刊行予定の企画が4、5点あり、来年は刊行点数が多くなりそうです。

1.は言語教育における重要概念、「学習ストラテジー」と「動機付け」について、その理論と実践がまとまった一冊になりました。機械・AI翻訳がますます普及していくこれからの時代に、外国語を学ぶ意義はどこにあるのか、という問題も扱っているので、ひつじ書房から今年出た『AI時代に言語学の存在の意味はあるのか?』と合わせて読むのもよいかもしれません。

2.は日本近現代文学を研究する人のためのテキストです。各章、それぞれのテーマについての第一人者と言える先生方にご執筆いただいたので、非常にわかりやすくかつ深くまで学べるようになっているかと思います。

3.は早稲田大学で行われたシンポジウムを書籍化するシリーズの第二巻です。シンポジウムは数年前に開催されたものですが、「ナショナリズムを超克する文学の可能性」がテーマだったため、ウクライナやパレスチナといった各地で戦争が続く今こそ読まれるべき内容になっているかと思います。古川日出男さんと閻連科さんという二人の作家による戦争文学にまつわる対談は必読です。

4.は書籍ではなく電子雑誌です。日本語習熟論学会の学会誌を編集いたしました。電子雑誌の創刊というのは初めての経験でしたが、重要で興味深い研究が集まる学会誌に携われて嬉しく思います。

5.は札幌聾学校にまつわる訴訟について、ろう児への日本手話教育がどのような状況に置かれているかを訴える一冊です。この本がきっかけになって、ろう児の手話教育の現状が広く知られ、少しでも改善することを心から願っています。


今年は入社以来ずっと続いていたコロナによる規制が緩和し、今までずっとオンライン参加だった学会への初の対面参加や、初の一人での出張など、色々と初めての経験をした年でした。来年はこの経験も活かしていければと思います。

今年もお世話になりました。よいお年をお迎えください。



2023.12.27(水)

2023年の振り返り

仕事納めです。
恒例の大掃除の後のおそば、私は今年も牡蠣そばにしました。牡蠣の天ぷらがついてきます。美味しいです。

今年刊行した書籍は7冊です。

1. 副詞から見た日本語文法史
2. サイエンスコミュニケーションとアートを融合する
3. 語用論的方言学の方法
4. 上田万年再考
5. 日本語と近隣言語における文法化
6. コーパスによる日本語史研究 近世編
7. 新漢語成立史の研究

『副詞から見た日本語文法史』『語用論的方言学の方法』『上田万年再考』『新漢語成立史の研究』は、どれも読者に訴えかけるものがあって、研究を書籍というまとまりとして出す意義を感じられる本です。編集を通じておおいに学ばせていただきました。あとは書評が出るのを楽しみにしております。

『日本語と近隣言語における文法化』は論文集で、日本語・琉球語・中国語の文法化を取り上げています。おもしろい現象が報告されています。今後この本のように広い視野で編んだ論文集をたくさん出していきたいと思いました。

『サイエンスコミュニケーションとアートを融合する』は北海道大学科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)の活動をまとめたもので、「科学」と「コミュニケーション」という大きな問いに挑んだものです。著者の先生のご尽力で、FabCafe Tokyoというカフェで出版記念イベントを開催できたのも良かったです。

2021年の『コーパスによる日本語史研究 近代編』、2022年の『中古・中世編』、そしてようやく『近世編』を刊行することができました! 編者の先生、執筆者の先生、本当にありがとうございました。3冊を素敵な装丁にしてくださったwelle designの皆様にも感謝です。

北星学園大学で開催された音声学会をきっかけに、Webマガジン未草の連載「ことばのフィールドワーク 薩摩弁」がはじまりました。Webマガジンならではだと思いますが、音声がその場できけます(著者の黒木先生も話者としてときどき登場しています)。本連載は1週間に一回の連載を目指しています。おかげさまで以前よりも私のWebマガジンの組版能力が上がりました。残り3か月ほどの連載となります。よろしくお願いします。


来年出さなければならない本は、数えてみますと10数冊ありそうです。
学会に合わせて本を出すというサイクルが戻りつつありますので、刊行目標にむかってどんどん出していきたいと思いますし、そしてより良い本になるよう努めていきたいと思います。

今年は体調をほとんど崩すことなく過ごせました。
2024年も平穏に暮らしたいです。

今年も大変お世話になりました。
皆様よいお年をお迎えください。




2023.12.27(水)

2023年の振り返り

ひつじ書房は今日が仕事納めとなります。
大掃除をして恒例の年越しそばをいただいてきました。
いろいろなことがありましたが、すがすがしく新年を迎えることが出来そうです。

私からは、今年はなんといっても9月から始まった「大特価感謝セール2023」のことをお伝えしたいと思います。

ひつじ書房より日頃の感謝を込めて行った特価セールですが、たいへんたくさんのご注文をいただき、あっぷあっぷしながら発送を進めております。
年内にお送りできておらず、新年に持ち越してしまったご注文分もあるのですが、もうしばらくお待ちいただけますと幸いです。

大学教員や大学院生の方のご注文が多いのはもちろんですが、高校の先生や大学生の方からのご注文もいただき、ひつじ書房の書籍をご覧いただく良い機会になったと思うとうれしい限りです。

読者の方からのあたたかい励ましのお言葉や感謝の声をいただきますと、本は出版するだけではなく、販売し続けて行くことにもやはり意味があるのだなと感じました。みなさまのそういった声に支えられて、今後もひつじ書房がわずかでも研究者の方に貢献していけるよう、頑張っていきたいと思います。

本年も大変お世話になり、ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。




2023.12.27(水)

2023年もお世話になりました

コロナの呪縛から解放されていった2023年、刊行した担当書籍は以下です。

1. 話し言葉における受身表現の日中対照研究
2. 現代日本語における意図性副詞の意味研究
3. 読解力を高め自信をつける先行学習
4. 方言の研究 9

年内に刊行まで漕ぎ着けられなかった書籍も多く、この年末も色々と詰まってしまっている状況でご迷惑をお掛けしている著者の先生方にはお詫び申し上げます。 今年は厄年ということがあってなのか、いまいち体調が優れない年でありました。いつまでも若くはいられないということなのか、何らかの節目になっているのか、来年は体のメンテナンスもしっかりして、調子を戻していきたいと思っています。

節目と言えば、日本方言研究会の機関誌『方言の研究』は来年で10号目を迎えます。わたしは3号から制作を担当していて、発刊時の空気は直接経験していないのですが、号を重ねるにつれて色々な変化を感じています。9号分の蓄積を踏まえて、細かな部分も含めて体裁のアップデートをしていかねばならないところです。形式と内容どちらを優先するのかという単純な話ではありませんが、組版上のイレギュラーに対する対応というのは、このような長く続いていくシリーズではより慎重になる必要があります。そのためにも投稿規定などが定められているのですが、編集委員の方々と協力して、より良い執筆環境・制作環境を整えていきたいと思います。電子版としての公開方法についても検討中です。

来年も引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。




2023.12.6(水)

まもなく刊行『話題別コーパスが拓く日本語教育と日本語学』

9月に買った真冬用のコートにやっと出番がやってきました。自宅の近くのイチョウの黄葉も見頃をすぎ、いよいよ冬の空気を感じています。
そんな真冬、12月の新刊をご紹介します。

『話題別コーパスが拓く日本語教育と日本語学』
中俣尚己編
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1194-6.htm

本書のコンセプトをご説明するには、編者の中俣尚己先生による「まえがき」の冒頭を読むのがいちばんかと思います。いわく、
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本書は究極的に言えば、たった1つの問いに答えるために作られた。「話題が変われば使用される語彙も変わる。同様に、話題が変われば使用される文法も変わるのではないか?」というものである。
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中俣先生らはこれらの仮説を証明するために、新しいコーパス『日本語話題別会話コーパス:J-TOCC』と『話題別日本語語彙表』を作成しました。本書はこれら言語資源の解説と、これらを使った日本語学/日本語教育の論考を収録しています。
論考は、たとえば、同じ「まあ」でも話題によって使われ方が違う、間投助詞「さ」は話題が難しいほど出現頻度が高まる、「関西人はオノマトペをよく使う」という通説は本当なのか、今回の言語資源を日本語教育の教材にどう活かすことができるか…などなど。テーマを見ただけでも面白さが伝わるのではないでしょうか。研究者だけでなく、日本語教育の現場の方にもぜひ読んでいただきたい内容です。

ことばの研究に新しい視点と方法を提供する本だと思います。
12月下旬から書店に並びます。黄色いカバーが目印ですので、ぜひご覧ください。






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