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2023.7.19(水)

日本方言研究会機関誌『方言の研究 9』もうすぐ刊行!

梅雨明けはまだのようですが先日の三連休は実に暑かったですね。メダカの水槽の温度が気になる季節です。水槽を冷やす良い道具ってないんでしょうか…。

梅雨も明けた頃には、日本方言研究会の『方言の研究』第9号が刊行されます。特集は「方言の計量的研究」。必見です。

『方言の研究 9』

〈特集論文〉
●諸方言アクセント研究における定量分析—「聞こえる・聞こえない」の水掛け論からの脱却— 五十嵐陽介
●地方議会会議録における探索的方言調査の試み—機械学習とXAI 技術による方言研究— 高丸圭一・乙武北斗
●見かけ上の時間を用いた樺太日本語の研究—コロニアル・コイネーの形成と変容— 松本和子・高田三枝子・奥村晶子・吉田さち
●静岡方言「まめったい」に見られる意味変化—カテゴリカルデータ分析手法を用いて— 谷口ジョイ・山岸祐己・峯尾海成・佐藤道大
●戦後日本語社会における方言意識の巨視的な推移—大規模全国調査に基づく話者類型の地域差と年代差— 田中ゆかり・前田忠彦・林直樹・相澤正夫

〈投稿論文〉
●茨城県央方言における「評価のモダリティ」を担うヨウダ 大塚貴史・菅野倫匡

〈資料・情報〉
●沖永良部島民の言語意識資料—アンケート調査を元に— 横山晶子

〈解説 方言研究の方法〉
●方言研究資料のためのデータベース構築 中川奈津子・宮川創・小川潤
●文献に基づく方言研究の方法 久保薗愛

〈解説 方言学を支えた人々〉
●虫明吉治郎と方言研究 友定賢治
●山口幸洋と方言研究 岩田礼・新田哲夫

特集論文は、これからますます増えていくと思われる方言の計量的研究について最新の知見で迫ります。方言研究のみならず、今後のことばの研究に大変参考になる内容となっておりますので、ぜひご注目ください。

『方言の研究』は購読会員も募集しています。購読会員は3割引となりますので以下のページからこの機会にぜひお申し込みください。
すでに購読会員の方でお送り先のご住所など会員情報に変更のある方も、以下のページから変更の手続きをいただくか、ひつじ書房の相川までご連絡をいただけますと幸いです。購読分の9号は8月上旬に発送予定です。

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2023.7.4(火)

7月になりました

6月末、帰宅途中に会社の裏にある神社にいって、茅の輪くぐりをしてきました。今年も残るところ、半年ですね。元気に過ごせるとうれしいです。

先日ひつじ書房では秋の学会担当者決めを行いました。オンライン開催の学会もありますが、ほとんどの学会が対面で開催され、また、地方の開催も多いようですね。わたしはまず、9月に北星学園大学で開催される音声学会に出展予定です。音声学会も北海道も数年ぶり。楽しみです。

現在は、『日本語と近隣言語における文法化』(ナロック ハイコ・青木博史編)の編集作業の終盤をむかえております。
目次はこちらです。

日本語と近隣言語における文法化  ナロック ハイコ・青木博史
係り結びの発生と構造 諸仮説検証  ナロック ハイコ
訓点語の文法化 漢字・漢語による模倣借用との関連から  ジスク マシュー
「ならで」「ならでは」の一語化と機能変化  宮地朝子
接続詞と文法化 「なので」の成立  青木博史
言語接触と文法化について 近現代日本語の「より」構文を事例として  柴﨑礼士郎
漢語「正直」の機能・用法の拡張  東泉裕子・髙橋圭子
琉球諸語における双数形 類型と歴史  下地理則
中国語東北官話における被害者の表示  李カリョウ
一から多への言語変化 類推と群化  小柳智一
意味変化の方向性と統語変化の連関  北﨑勇帆

ナロック先生と青木先生の「日本語と近隣言語における文法化」から始まり、日本語では、係り結びと文法化、漢文訓読からの文法化、接続詞の文法化、理論面では、「二段の一段化」の仕組みを理論的に考察した小柳先生の論文、(間)主観化とその例外の整理に基づき、意味変化と統語変化の関係性について検討した北﨑先生の論文など多様な側面から文法化現象をとりあげています。近隣言語、今回は琉球諸語と中国語ですが、その文法化の様相はどのようなものになっているのでしょうか。ぜひ本書全体を通して読んでいただきたいです。興味深い共通点も発見されています。

来月初めには刊行予定です。
よろしくお願い申しあげます。





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