『21世紀日本文学ガイドブック3 平家物語』刊行しました
「21世紀日本文学ガイドブック」の一冊として、『平家物語』が出来上がってきました。
本書の製本形式は仮フランス装というもので、通常の並製本より手間暇のかかる作りとなっています。この製本をできる製本屋さんも限られており、本シリーズを作るときはいつも同じ製本屋さんに頼んでいます。
大変なだけに今回は製本時にいろいろとトラプルがあり、製本所から届いた包みを開いて、無事出来上がってきた本を手に持ったときにはほっとしました。
本書は「ガイドプック」として読者を平家物語の世界に誘うものですが、様々な読み方の切り口で論じられているのが特徴になっています。一本ご紹介すると、「『平家物語』の女性像 排除された女の視点から」(本橋裕美)の章では、巴、祇王、仏、静など平家物語に登場する女性は様々に論じられてきたけれど、それらを総体的に論じたものは少ない、という観点から、平家物語の女性像について論じられています。とくに本章では、その女性たちの結末がどうなったか、というところから論が始まっており、たくさん女性が登場するけれどもその描かれ方には一定の方向性が見られるという指摘はなるほど鋭い指摘!と思うと思います。
興味を持たれた方はぜひ本書をご覧ください。
21世紀日本文学ガイドブック3
平家物語
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