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2021.9.24(金)

印刷の立ち会い


私が編集を担当している書籍ではありませんが、アジア全域を対象とし、詳細な解説も付いた言語地図『Linguistic Atlas of Asia』が刊行を間近に控え、現在、印刷などの作業が行われています。先日、函の印刷の立ち会いがあるということで、私も印刷が行われる丸上印刷様へ同行させていただきました。入社時からコロナの影響で見学などがなかなかできなかったので、印刷所で印刷される現場を見学するのはこれが初めての経験でした。
基本的にカバーや函の印刷の出来の確認は、色校(色校正の略。指定した色で刷り上がるかなどを確認するために、試し刷りをしてチェックする作業)で確認いたします。しかし、今回は色校の段階で色味などを修正したので、印刷所で実際に印刷されるものを確認することになり、印刷の立ち会いが行われることになったのです。


写真に映っているのが印刷に使われた印刷機です。


CMYKごとに印刷機にインクを入れるところが分かれています(上の写真はKのインクの箇所)。



その場でデザイナーの三好誠さんが刷り上がりを確認し、「少し緑を濃く出したい」ということで、インクの量を調整して色味をその場で変更していました。
インクの調整は一度で終わりましたが、終わった後に先輩に話を聞いたら、「色味が難しい書籍のときは何度も調整しなおす」とのことでした。今回は調整がスムーズにいってよかったです。

コロナの影響で印刷所へ見学に行く機会がなかった私にとって今回の立ち会いはとても貴重な機会になりました。印刷の現場を見せてくださった丸上印刷様、ありがとうございました。



2021.9.21(火)

中秋の名月


9月21日は中秋の名月です。8年ぶりに満月の日が重なったそうですね。
東京はすこし雲が多くなりそうですが、幸い全国的に天候も大きな崩れがないようなので、夜空に浮かぶ大きな月を見ることができるかもしれません。
毎日せかせか過ごし、空をゆっくり見上げるなんてことも少なくなってしまったので今夜は夜空でも見上げて見ようかと思います。お月見団子もいいですね。

空と言えば、今年の春に刊行されベストセラーとなっている『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』( KADOKAWA)。雲の研究者である著者の荒木健太郎さんが先日「情熱大陸」にも出演されていたのでご存じの方も多いと思います。
B6判のコンパクトな作りで総ルビなので小さなお子さんから読めるようになっているのですが、情報量がものすごく、写真やイラストも多いのですが、各トピックに書かれている豆知識を読むのも楽しいです。子どもが読むのに良いかなと購入したのですが、私が見ている方が多いかもしれません。

この本の中で「あの“雨のにおい”には名前がある」という節があり、長年の疑問に答えをもらった気持ちになりました。土くさいような、ほこりっぽいような……、雨が降り始めたときのあのにおいはペトリコールという名前で、ギリシャ語で「石のエッセンス」を意味するとのこと。その発生の原因も説明されています。

このような「そうなんだ」や「へぇー」がたくさん詰まっていて、おすすめできます。

東京に住んでいると、季節の草花や散策を楽しんだり、フルーツ狩りをするため少し出かけようかと思うと、電車やバスなどの公共機関を利用することにもなりますし、近隣の県に足を延ばしてしまうことにもなるので、コロナ禍では思うように活動ができないなと淋しく思います。
でも、空はすこしひらけたところに行けばどこからでも観察ができますね。

秋らしい涼しい日も多くなってきたので、空を眺めたり、近場の公園で小さい秋を探してみようかと思います。




2021.9.17(金)

秋の学会出展


9月に入って会社の共有カレンダーを見ると、週末に学会の参加予定があることが増えてきました。私も今週の土曜日は計量国語学会に参加いたします。計量国語学会では、大会で使うSlackというオンラインチャットツール内に、出展スペースを用意していただけました。

この秋の学会もひつじ書房が参加する学会はすべてオンラインでの開催になりました。今の状況を鑑みると仕方がないことかと思います。
7月のころにはまだオンライン開催が決定していない学会もあり、リアル開催前提で出展を申し込んだ学会もありました(8月に入ってオンラインでの開催に変更になりました)。その際に先輩からリアルで開催していたころの出店の仕方を教えていただきました。それを聞いて「リアルとオンライン、両方のメリットを取り入れられないものかな」などと考えたりもしました。
たとえば、オンラインのメリットは、多くの書籍を紹介しやすいことだと思っています。リアルだと現地に搬入した本しか紹介しにくいですが、オンラインならそうした物理的な制約はありません。
その一方でリアルならではメリットは、なんといっても皆様に直接本を手に取っていただけることだと思います。オンラインでの出展ではなるべく書籍の魅力が伝わるように私も努力したいと思いますが、やはり実際に手に取ってもらって、ご自身の目で見ていただくのが、もっともその本の魅力が伝わることかと思います。

先日のスタッフ日誌でも書きましたが、私はまだリアルでの学会出展をしたことがありません。自分が編集した書籍を目の前で手に取っていただける、という体験をいつかしてみたいものですが、それはまだ来年以降の話になりそうです。
オンライン大会でもバーチャル空間で書籍を手に取ってもらえる、というSFのような妄想もしましたが、それは来年どころかもっと先の未来の話になりそうです。実現できたらとても面白そうですが。



2021.9.10(金)

とっさの英会話の難しさ


どんなに英語を勉強しても、とっさに英語で会話をするのはいまだに難しいな、と痛感する出来事がありました。 先日、英語を話される方から電話がありました。電話をとって、向こうの第一声が”Hello?”だったことに驚いてしまい、頭が真っ白になってしまいました。なんとか会話を続けなければ、と思ったのですが、簡単な英単語すら思い出すのに時間がかかってしまい、やっとの思いで、「電話での応答は難しいのでメールをください」とお伝えすることができました。電話をくださった方にはその場で対応できなかったことが申し訳ないですが、せめて誠意だけは伝わったことを願っています。

中学校のときの英語の先生が「町中で急に英語で話しかけられても困らないようにちゃんと勉強しましょう」と言っていたことをいまだに覚えています。当時は「そんなこと、あるのかな」なんて思っていましたが、今回のことも含めて何度か英語で話しかけられる機会は本当にあり、先生の言っていたことは正しかったのだなと今は思っています。
英語で話しかけられた経験の中で、一番困った出来事は池袋駅で「に行くにはこの次の電車に乗ればいいのですか?」と聞かれたときです。
「海外の方に路線を教える」というシチュエーションは英会話の教材でもよく見かけるので、そんな難しそうには思えないかもしれませんが、何が難しかったかというと、その海外の方が乗るべき電車は「湘南新宿ライン」の「宇都宮線直通」だったのですが、次に来る電車は「湘南新宿ライン」の「高崎線直通」だったからです。私はなんとかして「たしかに次に来る電車は湘南新宿ラインだが、次の電車に乗ってはいけない」ということを必死に伝えました。
どこまで私のことばが伝わったかはわかりませんが、その方はちゃんと次の電車には乗らずに、さらにその次の高崎線直通の湘南新宿ラインに乗ってくれました。私の英語が誤って伝わって、栃木ではなく群馬に行くことはなかったのでほんとによかったです。

英語に関する学術書はもちろん英語で書かれた書籍の編集なども行っているので、昔は英語が苦手だった私も少しは英語が得意になったかと勝手に思い込んでいましたが、とっさに英語でコミュニケーションするのはまた別問題だと実感しています。



2021.9.7(火)

計画的


雨がちのお天気が続いていましたが、今日はやっと晴れ間が見えました。急に涼しくなったのでいまいちこの涼しさが信用できず、着るものに悩む毎日です。

最近、「その日はワクチンを打った翌日なのでダウンしているかもしれません」という連絡をよくいただきます。特にデザイナーさんなど個人でお仕事をしている方は、調整に気を使っていらっしゃるようです。体調不良(になるかもしれないこと)をたくさんの人が同時期に予定に組み込むということはこれまでになかったことなので、ちょっと面白い現象だなと思っています。
この感覚はどこかで覚えがあるなと感じていたのですが、数年前から始まった、台風接近時における鉄道の計画運休だと思い当たりました。あらかじめ分かっていれば対応もしやすくなります。実際は台風が逸れたとしても、何もせずに被害が出るよりは断然よいと思います。
余裕をもった計画で動くということが社会的な流れになっているのかもしれません。

計画といえば、9月に入って、この秋の新刊・近刊目録の準備が始まりました。今年の秋の目録は、11月下旬に出来上がる予定です。
この目録における「新刊」コーナーには、この11月下旬の時点で出来上がっている予定の本を入れます。組版・校正・印刷に時間がかかるため9月ごろから作成を始めますが、この時点で刊行予定をはっきりさせておく必要があります。後から新刊→近刊への移動が起きると、タイミングによっては頁の調整が大変なことになります(この辺り、辞書の編集作業に通じるところがあると思うのですが、辞書編集はどうしているのでしょうか…)。
また刊行予定が後ろにずれると、それ自体よくないのはもちろんですが、ご予約いただいた方への対応も大変なことになるため、決して遅れないようにという厳命が出ています。
私は担当書籍で過去に何度かこれをしてしまっているので(すみません)、今回は慎重です。かといってせっかく本が出来たのにまだ未刊のように思われてしまうのもよくありませんので、計画的にいきたいと思います。

ちなみに、リアルタイムでの新刊情報はウェブサイトの「新刊紹介」を見ていただくのが確実です。
https://www.hituzi.co.jp/books/sinkan.html



2021.9.3(金)

久々の名刺交換


先日、ひつじ書房の事務所に直接書籍を取りに来ていただいた取次の方と名刺交換をしました。あまりにも久しぶりの名刺交換でした。

そもそも、昨年入社した私は名刺交換を行った回数が、それ以前に社会人になった方と比べて圧倒的に少ないのです。弊社に足を運んでくださった著者の先生や、外注の営業の方とは名刺交換をいたしましたが、コロナの影響で先生との打ち合わせや学会はほとんどオンラインのため、入社当初にたくさん刷っていただいた名刺のほとんどは、今も私の机の中にあります。
この状況も1年以上続き、さすがに「オンライン〇〇」にも慣れ、オンラインのメリットも色々と体験してきました。遠方にお住まいの先生との打ち合わせも簡単にでき、会議中に資料やデータをすぐに共有できるなどといった点は、とても便利だなと思っています。

その一方で、やはり先生方と直接お会いしてご挨拶し、面と向き合ってお話をしたい、オンラインではない学会で出展したときの雰囲気を知りたい、という気持ちもあります。オフラインだからこそ得られるものもたくさんあるのではないか、そうした経験が私には少ないのではないか、というようなことを名刺交換の後に思いました。
この状況下だとまだ難しい話だと思いますが、数年後には落ち着いて、対面での打ち合わせや学会が行える状況になっていると信じていたいです。






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