編集原本
今月は新たに書籍の組版指定(組版のレイアウトなどを決定する作業)をする機会が何度かありました。1行の文字数はいくつにするか、見出しの文字サイズはどのくらいにするかなど、色々なことを決めなければなりません。
ただ、組版指定は毎回一から考えて決めるわけではありません。今まで刊行してきた書籍を参考にしながら、組版の仕上がりをイメージして指定を行います。
私はどのように指定しようかと悩みながら「編集原本」を色々眺めて、組版指定を行いました。
ひつじ書房では新しく本ができてくると、そのうちの1冊を「編集原本」、いわば見本として確保しています。新刊を刊行したときだけでなく、重版をした際も刷りごとに編集原本を用意しています。
一般的には「原本」、「訂正原本」などと呼ばれ、重版以後の訂正箇所をまとめて記録するためのものですが、組版指定をする際の参考にしたり、シリーズ本を編集する際に今までの書籍と体裁に差異がないかをチェックしたりする際などにも活用されます。
現在、編集原本を作成するのは私の担当です。「作成する」といっても本を確保して「編集用〇刷」と書いた付箋をテープでシールのように貼るだけなので作業自体は単純です。
ただ、刷り数が一目でわかるように、刷り数ごとに付箋の色を変えているので、そこを間違わないように気をつけています。1刷は黄色、2刷は青色、3刷は赤色、4刷以降は緑色の付箋を貼っています。今年の4月ごろは新刊も重版も多く、この色を間違えないように気をつけるのが少し大変でした。
作成した編集原本は編集原本用の棚にしまいます。壁一面を隠すほどの大きな本棚なのですが、そろそろ収容冊数の限界ギリギリに近づきつつあります。今年の夏の大掃除の際には棚の整理をしたいと考えています。
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