パソコンのフォント
パソコンを開いてWordなどを起動すると、原稿を書く段ではあまり意識しないかもしれませんが、色々なフォントを選んで使うことができます。
WindowsではVista になるときに、新しい読みやすいゴシック体として、メイリオという書体が開発され、当時少し話題になりました。
また、Windows8.1からは游明朝が標準で組み込まれ(Word2016からは標準フォントがMS明朝から游明朝になったようです)、MacもOS X El Capitanからは、筑紫丸ゴシックが搭載され、私としてはとても驚きました。
なぜかというと、それらのフォントはそれまでプロが使うものとして、高い値段を出して購入しないと使えないフォントだったからです。
游明朝体は字游工房という会社が開発しており、1ウェイト(太さ)につき、定価33,000円で販売されています。
游明朝体ファミリー
http://www.jiyu-kobo.co.jp/library/ymf/
ひつじ書房では、2006年、ひつじ研究叢書(言語編)を新しいデザインにしたのをきっかけに、游明朝体を使用するようになりました(現在は秀英明朝を使用しています)。私はまだ入社して日が浅い時期でしたが、仕事ではフォント1つ使うにも高いお金を払わないといけないのかと感じたことを思い出します。
現在は、上記のように個別にフォントの販売は行われていますが、大手フォント会社のモリサワが、年間契約で用意されたフォントを自由に使えるモリサワパスポートというサブスクリプションを提供しており、デザイナーさんや印刷会社はほとんどがこの契約に入っていると思います。
もちろんそこに含まれないフォントというのも世の中にはたくさんあるので、デザイナーさんは他にも個別にたくさんのフォントを持っていると思いますし、上記の筑紫シリーズはFontworksという会社が制作しており、ここはLETSというモリサワとは別のライセンス契約を展開しています。筑紫シリーズは独創的で書籍の装丁でよく使われ大人気ですし、ここのマティスというフォントはエヴァンゲリオンで使われる特太明朝で有名です。アニメのエンドクレジットを見ているとよくFontworksの名前が出てきます。
さて、最近のパソコンは、そうしたこれまでプロが選んで使っていたようなフォントが少しずつ入るようになっているようです。これからぜひもっと色々なフォントを搭載するようにしてもらいたいですね。原稿は文字化けが怖いのでなるべく標準的なものを使用していただきたいと思いますが(さらに言うと同じ游明朝体という名前でもバージョンが色々と異なったりします)、時にはパソコンに入っている色々なフォントを試してみるのも楽しいかもしれません。
今日はモリサワパスポートの契約更新をしたので、また一年モリサワフォントにお世話になります。
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