学会不足と新しい生活
もうすぐ5月も終わってしまいますね。
例年だと5月は学会であちこち出張したり、出展の準備をしたりと大忙しなのですが、今年はそれがなくてさびしい気持ちです。学会は本を売るということももちろん大事なのですが、編集者としては何より著者の先生にお目にかかってお話ができる貴重な機会です。今年もすでに何冊か本を刊行していますが、新刊の著者の先生や、いつもお世話になっている先生方に会えず物足りない日々が続いています。刊行の計画を立てて進めてきた本も進行をペースダウンしたり、時期を遅らせたりせざるを得ず、悶々としています。
さまざまな自粛は徐々に解除されていく方向のようですが、仕事のやり方や生活の仕方など、ここ数ヵ月で大きく変わったことがすぐに元に戻るというわけではなく、ウイルスの存在を前提に、個々人が新しい生活様式を取り入れていかなければならないようですね。この「要請」に対して思うことはいろいろあるのですが。
個人的なことですが、わたしは胃に穴が空くような思いをしつつ引っ越しをし、そういう意味でも新しい生活をはじめました。新しい生活に慣れるには多少時間がかかりますし、やってみなければ分からないことも多いです。気晴らしを見つけつつ、このような時だからこそ、仕事であっても日常であっても人と人とのつながりを大切にしていきたいと思っています。
新しい住まいの軒下には、つばめの夫婦が巣を作っていました。どうやら卵を温めるところまでいったようなのですが、ある朝見てみると、巣は壊れ落下し、卵もひとつもありませんでした。カラスか何かにやられたのか、何が起こったのかは分かりません。雛が顔を出すのを楽しみにしていたので、かなり落ち込みました。世の中何が起こるか分かりませんが、つばめの世界もなかなか厳しいようです。
つばめの夫婦はというと、わたしほどは落ち込んでいないのか、数日姿が見えなかったものの、戻ってきて、近くの電線にとまったり、さかんに鳴いたりしていました(なんとなくお父さんつばめが鳴いているような感じです)。軒下にセミのようにとまって吟味している様子も見られたので、もしや、と思っていましたが、昨日、前の巣の跡地に新しい土が貼り付けられているのを見つけました。今日もものすごい勢いで巣が作られていっています。夫婦で一緒に作っています。土と藁をまぜて作っているようです。
ありきたりな感想なのですが、がんばるつばめたちを見ていると、勇気をもらえるというか、わたしもがんばろうという気持ちになります。
今度こそはかわいい雛たちを見られることを楽しみに、テレワークの仕事場のすぐ外に働くつばめの気配を感じつつ、うまく行かなくてもめげずに、コツコツがんばっていきたいです。
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