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9月

2017.9.29(金)

翻訳勉強会の日は



ひつじ書房では週に1回、お昼の時間を使い、社内で翻訳勉強会を行っています。 翻訳勉強会といっても、「翻訳の仕方」を勉強する会ではありません。
現在、組版や校正など編集技術についての本1冊と、言語史の本1冊の、計2冊の英書を読み進めているのですが、日本語訳をし、読み合わせをしながらそれらの内容について学ぶというのがこの翻訳勉強会の主旨です。(もちろん、定期的に英文と接することで、英語のリーディングスキルのブラッシュアップにもつながります。)


この勉強会に関しては過去のスタッフ日誌でも触れられていますが、今回は、その翻訳勉強会の日の、ひつじ書房社員のお昼ごはんについて書こうと思います。

普段は各自で自由にお昼を食べていますが、翻訳勉強会の日は社内の各自のデスクでお昼をとるため、毎回、弊社から徒歩5分くらいのところにある「カメヤ」というパン屋さんのパンをいただくことになっています。
新人の私が参加する社員の人数分のパンを買いに、勉強会の1時間くらい前になるとおつかいに出かけるのですが、毎週パンを買いに伺うので、もうお店に入った瞬間、「ひつじさんですね!」とお声を掛けていただくほどです。


カメヤさんはご夫婦で経営されており、伺ったところ、この地域で40年もの間お店を続けていらっしゃるそうです。 店内には菓子パンや惣菜パンはもちろんのこと、実はおにぎりまで並んでいます。こちらもおすすめです。
みなさんも、茗荷谷や千石周辺にいらっしゃる機会がありましたら、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。 朗らかな笑顔の奥様とご主人、ほっとするようなおいしいパンが待っていますよ!


〒112-0001
東京都文京区白山3-1-7
やきたてパン カメヤ
(赤いひさしが目印です)





2017.9.27(水)

秋を感じるヒガンバナ



暑かったり、涼しかったり、なかなか天気が安定しない日が続いておりますが、気がつけば9月も下旬。日々忙しくしていると、あっという間に時が過ぎていきますね。


そんな中、今日はお昼に、本日出勤の社員一同で、会社のすぐそばにある小石川植物園へヒガンバナを見に行きました。
私たちが訪れたのが時期的に少し遅かったこともあり、残念ながら、ヒガンバナの見頃は過ぎてしまっていたのですが、キンモクセイなど他にも秋を感じられる植物がたくさんあり、緑の中で束の間の気分転換となりました。

岐阜の田舎町に生まれた私は、常に自然が身近にある環境で育ちましたが、(秋になると、田んぼの畦(あぜ)に咲くヒガンバナを横目に登下校したのを思い出します)園内には見たことのない植物もたくさんあり、一度ゆっくりとまわってみたいなと思いました。


なお、小石川植物園のサイトでは、どんな植物がいつ見頃であるかといった情報が見られますので、訪れる方はご参考にされるとよいかと思われます。


ひつじ書房では現在、秋の学会に向けて、社員一同、書籍の編集作業に勤しんでおります。
みなさまのお手元にお届けできるまでには、まだ少しお日にちがかかりますが、今しばらくお待ち下さいませ。







2017.9.20(水)

知らない言語を学ぶ



語学ブームが来ているというわけでは無さそうですが、最近話題になっている作品を二本ご紹介します。

ひとつめは、PCゲーム『ことのはアムリラート』。いわゆる美少女ゲームというもので、主人公の女子高生はある日、地元の商店街で鯛焼きを食べた途端に、街は一緒なのに空の色が違う、ことばの通じない異世界へと迷い込みます。そこで助けてくれた女性とことばを学びながら仲良くなっていくという話です。
その世界で使われている言語が、異世界の言語ユリアーモ(実はエスペラント語)です。そして主人公はユリアーモ語を学んでいくわけですが、物語をただ読んでいるだけではなくてプレイヤーも一緒に覚えていかないと、例えば途中で数字の「1」はユリアーモ語で何と言うんだっけかなと、選択肢が出てくるので、そこで答える必要が出てきます。そのため、結構必死になって覚える必要があります。

このエスペラント語ですが、日本エスペラント協会が監修をしているということで、かなり妥協無く作られている様子が、開発者へのインタビューからもうかがわれます。
https://www.j-cast.com/2017/06/10300207.html?p=all

どんどんとエスペラント語を知っていく感覚は楽しく、かなり熱中してしまいます。
何より音声もあり、自分から能動的に動かないと話がすすまないので積極的な学習となり、語学学習の可能性を感じました。細かな文法まではなかなか難しいように思いますが、語彙レベルならかなり良いような気がします。
Windows限定ですが、体験版もあるので興味のある方は触ってみても良いのでは無いでしょうか。 (語学学習ソフトでは無く、あくまでそういう要素があるということです。念のため。)


もうひとつは、おそらく『ことのはアムリラート』を受けて、書き始められたのだと思いますが、「小説家になろう」というサイトに投稿されている、連載中の『異世界転生したけど日本語が通じなかった』という作品です。
http://ncode.syosetu.com/n4955ee/

この作品ではリパライン語という人工言語を使用する異世界にやはり主人公が迷い込むお話しです。このリパライン語というのは、現在実際に制作されている方がいて、ウェブサイトなどでたくさんの情報が公開されています。

本作ではこのリパライン語を学んでいくわけですが、一話から頻度解析で言語を解析してみようとしたり、様々な対象言語学的な視点が入ってきて、かなり玄人好みな内容となっています。

それぞれ一部では盛り上がりを見せているようで、こういう言語に関する面白い作品がこれからも出てくると良いなと思います。






2017.9.13(水)

名刺



入社以来、仮名刺(社内で印刷してもらったもの)を使用していたのですが、 この度、正式な名刺を発注していただき、先ごろ社長よりいただきました。


ひつじ書房の名刺はめずらしいことに、二つ折りで、内側には刊行書籍の紹介などが書かれています。おなじみのひつじのロゴは鮮やかな青緑色で、全体的にシンプルなデザインとなっており、個人的にも大変気に入っております。

こちらの名刺をデザインしてくださったグラフィックデザイナーの白井敬尚さんは、ひつじ研究叢書〈言語編〉をはじめとする、弊社の書籍のデザインを手かげてくださっています。
さて、弊社サイトのトップページにも出ていますが、この度、そんな白井さんの個展が開催されることとなりました。みなさま、ぜひ足を運んでいただけましたら幸いです。

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ギンザ・グラフィック・ギャラリー第362回企画展
組版造形 白井敬尚
期間:2017年09月26日(火)〜11月07日(火)
会場:〒104-0061 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
   ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
TEL:03-3571-5206/FAX: 03-3289-1389
開館時間:11:00am-7:00pm
日曜・祝日休館/入場料無料
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新しく名刺を作成していただいたことで、より一層身が引き締まる思いです。 今週末は大阪で開かれる学会に参加するため、初めての地方出張も控えております。 ひつじ書房の名に恥じぬ仕事ができるよう、この新しい名刺とともに、これからも日々精進してまいります!






2017.9.6(水)

『糸でかがる 洋製本の世界』



先日、東洋文庫で開催された体験・ものづくり講座『糸でかがる 洋製本の世界』というワークショップに社員で参加してきました。
講師はレ・フラグマン・ドゥ・エムという4人の女性のユニットから羽田野さんと中村さんという方が来てくださいました。

ますば私たちが本と呼んでいる「冊子体」について歴史を簡単に説明していただきました。本の各所の名称、紙の目について教えていただき、今回の製本で表紙に使うマーブル紙についても詳しく見ていきます。

その後、机にキレイに配置され用意された材料、道具を使って、洋製本の糸かがりの工程をひとつひとつ丁寧に教えていただきます。

では、用意された本文紙を綴じていきます。ひとつの折丁で8ページあるものを7折、一丁ずつ針と糸でかがっていきます。針は製本用のもので、縫製に使用するものより太く、針先は丸く、尖っていません。
針に通した糸をまず針で縫います。こうすることで針から糸が抜けてしまうことが防げるということです。はじめて糸を縫うということをしました。

先生が見本を見せてくださるのですが、スルスルと魔法のように手早く仕上がっていきます。まさに職人技です。
素人の私たちにもわかるよう、見やすく何度も教えてくださいます。

何度も手を止め教えてもらいながら糸でかがっていき、最後にボンドで背固めをしてしおり紐を付けます。これで本文部分が完成です。かがった糸は綺麗に仕上がるとチェーンステッチのようになるそうです。


背の部分


次は表紙を作っていきます。
あらかじめランダムに配布されていた表紙用のマーブル紙を型紙に合わせてカットしていきます。その後、表紙の形に折り本文と合体させます。



それぞれステキなノートが仕上がりました。
ちなみにマーブルはいくつかのパターンに分類され、真ん中の赤い櫛目模様のものはpeigne(フランス語で櫛の意)、黄色とオレンジのクジャクの羽根のような柄のものはpaon(クジャクの意)とそれぞれ呼ばれるそうです。

本を作っている出版社の人間とは言っても、製本は製本会社が行なっていますし、ましてや今は機械化されています。製本所の見学をするのとはまた違った視点で、このように自分の手で作り上げることで改めて本ができるまでの工程を理解できたような気がします。






2017.9.6(水)

日本人は喋るのが速い?



東京は不安定な天気が続き、気温の変化も激しいですね。
そんな中、まだまだ夏の暑さ全開のイタリアから、私の友人が留学のため、東京にやってきました。先日、5ヵ月ぶりのうれしい再会を果たしました。


友人は早くも東京の生活を楽しんでいるようでしたが、日本語に関しては、「とにかく店員さんが喋るのが速い!」とのことで、来日したばかりということもあり、やはりリスニングが難しいようでした。(個人的にはイタリア人の方が数倍速く喋っていると思っているので、反論しておきました。)私も、留学当初はなかなかネイティヴの話すスピードについて行けず、授業も日常生活も苦労したことを思い出しました。

さて、外国語を習得する際、特に会話でのコミュニケーションにおいて、基本的に、以下のような段階を踏んでいくものと思います。(私個人の経験を元に述べています。)

1. 相手の言っていることがわからないため、返答できない。
2. 相手の言っていることがなんとなくわかるが、うまく返答できない。
3. 相手の言っていることが結構わかる、だいたい返答できる。
4. 相手の言っていることをほぼ理解できる、ほぼ確実に返答できる。

段階1が、いちばん辛く、孤独を感じます。続いて段階2が、いちばんもどかしく、悔しさを感じる時期です。ここでくじけず勉強し続けていくことで、後に段階3、4に到達し、外国語でコミュニケーションをとることの本当の面白さに気づいていけると思います。
(なお、弊社刊行の『ベーシック応用言語学 L2の習得・処理・学習・教授・評価』(石川慎一郎著)を参照していただきますと、L2 (Second Language=第2言語)の習得について、より専門的に知っていただけます。)


ですから、「日本人は喋るのが速い」、というよりも、(実際、喋るスピードには個人差もありますが)「慣れ」の問題と言えるでしょう。私の友人も、初めは日本語がわからない、伝わらない、というもどかしい時期を経験するものと想像します。ですが、できるだけ前向きに、楽しく日本語を学んでいってくれたら、と願っています。






2017.9.1(金)

採用品とひつじのマーク



今日から9月ですね。通勤の際、夏休みを終えた子どもたちが元気に、中には気だるげに登校する姿を多く見かけました。新学期はなんだかそわそわしますよね。


さて、タイトルに採用品とありますが、これは教科書として先生方にご採用いただいている書籍のことです。
ご存知の方も多いかと思われますが、ひつじ書房では、研究書の他に、大学や高校、日本語学校などでテキストとしてご使用いただける書籍も制作しております。(もちろん市販もしております。)おかげさまで、さまざまな学校の先生方にご採用いただいており、最近は後期用のテキストのご注文を毎日のようにいただいております。ありがとうございます。

大学時代、日文科だったこともあり、私自身、授業で弊社刊行のテキストを使用しておりました。(『ここからはじまる文章・談話』というテキストです。)当時、爽やかな装丁とひつじのかわいいマークに好感を抱いたことを覚えています。そのひつじ書房で今働かせていただいているとは...!
学生時代の友人に、「ひつじ書房に就職したよ」と連絡したところ、「授業で使ったよね」とみな覚えていました。動物の名を冠した出版社をなかなか見かけないことと、やはり、ひつじのマークが印象的だったようです。


これからひつじ書房の教科書を使って勉強される学生、生徒のみなさんは、将来どのような道に進まれるのでしょう。かけがえのない学生時代に、弊社の書籍を使用し、学んでいただけることをうれしく思います。
その中から、将来、ひつじ書房の仲間となる方が現れるかも...?しれませんね!






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