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8月

2017.8.31(木)

学会準備



明日からとうとう9月、東京は朝晩は過ごしやすくなり、だんだんと秋の気配が感じられるようになってきました。


さて、秋と言えば学会の季節。9月半ばから11月にかけて、各地で言語学系や文学系を中心とした学会が開かれます。ひつじ書房では担当を割り振り、それらの学会へ出展します。秋は地方で開催される学会が多く、これから毎週のように、ひつじ書房は社員総出で全国各地へ飛ぶことになります。

学会に赴くのには、最新の研究のリサーチなどを含むいくつかの理由がありますが、やはりメインとなるのは書籍の販売やPRです。学会にいらっしゃった方々に、ひつじ書房の書籍を実際にお手に取って見ていただくことで、弊社の書籍の宣伝及び購入に繋がるという大きな意義があります。そのため、学会の規模にもよりますが、毎回数百冊の書籍を各学会の会場へ搬入することになります。

今回私は、9/13〜15にかけて国立国語研究所で開かれる、言語資源活用ワークショップ用の書籍を準備することになり、今回の学会担当者が作成した書籍リストをもとに、社内の本棚から学会用の本を集める作業を行いました。 まだ慣れていない私はこれがなかなか大変で、見つけるのに苦労した本も何冊かありました。

現在ひつじ書房の既刊書は700点を超えており、私もまだすべての書籍の書名や表紙等を把握できているわけではないため、この本集めの作業は、自社の本を実際に手に取ってみて、知ることのできる大事な作業でもあります。


これから学会準備も本格的に任されていくようになります。 学会に来てくださる方々にしっかりとひつじ書房を紹介できるよう、抜かりなく準備をしてまいりたいとおもいます。






2017.8.25(金)

オープンオフィス



過去のスタッフ日誌でも度々書かれていますが、ひつじ書房では現在、研究書出版のためのオープンオフィスを開催しています。(9月15日(金)まで。)
ご自身の博士論文や研究を書籍として刊行することを考えていらっしゃる研究者の方々との個別相談会ですが、編集の仕事を学んでいくため、最近では先輩社員のみなさんとともに、新人の私も同席させていただくことがあります。


オープンオフィスでは第一線で研究をされている先生方のお話を直接お伺いできるとあって、書籍として刊行を目指されている企画の内容はもとより、実際の研究現場のお話や、大学教育の現状等についても知ることのできる貴重な機会となっています。 研究者の方々のお話をじっくりと聞く機会というのはまだあまりないので、個人的にも非常に有意義な経験であると言えます。
また、企画段階から実際どのように本ができていくかという、制作の過程も学ばせていただいています。



このように、最近では編集の仕事にも徐々に関わり始めています。
日々学ぶことは山ほどありますが、ひつじ書房の一員として、いずれ立派な編集者になれるよう、一歩一歩頑張っていこうと思います。 






2017.8.23(水)

外国人労働者と言語問題



いま、都心のコンビニでは、外国人アルバイトの方をごく普通に目にするようになってきました。ここまでの顕著な変化は、ここ数年で起こったものと思われます。 近年グローバル化にともない、このように肌で感じられるほど、日本に暮らす外国人の数は増加しています。
しかしながら、外国人労働者が増えるにつれ、日本の労働力が補われている反面、今後さまざまな社会問題が表出してくることも予想されます。


私が留学していたイタリアは、まさに移民社会でした。政治的、経済的など、さまざまな問題を抱えた移民たちが数多く流入し、重労働や単純労働の多くを移民たちが担っていました。経済的に困窮しているイタリアでは、就職口が極端に少なく、「移民問題が経済を圧迫するせいで自分たちの仕事がないのだ」、というように、しばしばその不満の矛先が移民に向けられているようにも見受けられました。(もちろん国の財政問題は移民問題だけでなく、その他のさまざまな問題も原因として考えられます。)
ヨーロッパでは、すでに移民2世、3世の世代まできており、教育現場では移民の子どもたちの言語教育問題についての研究が盛んであり、頻繁に議論もされています。私が卒業した大学では、移民への無料のイタリア語講座なども開設していました。


島国の日本は、他国に比べればまだまだ外国人労働者の数は少ないと言えるでしょう。しかし、世界的な動きを鑑みれば、今後、外国人労働者のさらなる増加は予想されるはずです。同時に、外国人労働者自身や、彼らの家族や子どもたちへの日本語教育に関する問題も避けられないものとなるでしょう。
今現在、それほど経済的に逼迫していない日本では、外国人労働者や日本語教育の問題に対する関心は、必ずしも高いとは言えません。しかしながら、そろそろ、私たちひとりひとりが当事者意識を持つべき時期に来ているのではないでしょうか。 外国人労働者の受け入れの是非はともかくとして、まずは現状を知り、関心を持つことで、日本社会の今後を考えていけたらと思います。


ひつじ書房では、先ごろ『外国人労働者受け入れと日本語教育』という書籍を刊行いたしました。ぜひ、お手に取っていただき、これらの問題について考えていただくきっかけにしていただけましたら幸いです。






2017.8.23(水)

プレスリリース送付先を考える



8月に入り、新刊を続々と刊行しています。
本が出来てくるとやはり一区切りと思ってしまいますが、出版社としてはこの後に販売しなければ意味がありません。宣伝も重要です。 ひつじ書房では刊行後に、取り上げてもらえそうな雑誌や新聞に、献本をしたり書籍紹介のちらしをお送りしたりしています。これをプレスリリースと呼んでいます。

送付先の雑誌・新聞の選定は、基本的には担当編集者が行っていますが、特に普段の刊行物とは違う読者層にも購買が期待できる分野の本だった場合は、あらためて調査が必要になります。私は『雑誌新聞総かたろぐ』(メディア・リサーチ・センター)を参考にすることが多いです。
『雑誌新聞総かたろぐ』は簡単な内容や読者層、発行部数などが掲載されており、毎年情報が更新されたものが刊行されます。分野別に並んでいるため、こういった用途に使いやすい目録です。
このぶ厚い目録(試しに量ってみたところ、2016年度版は2.6kgありました)をめくっていると、「こんな雑誌があったのか」と驚かされることもしばしばです。視野を広く持たなければと反省します。
本の著者の方に、どこに送ればよいかアドバイスをもらうこともあります。こちらで気が付かない媒体もありますので、ぜひご助言いただければ幸いです。

ちらしや献本が、記事なり書評なりに繋がればたいへんうれしいです。







2017.8.18(金)

ふるさとのことば



こんにちは。お盆休み、みなさんはどのように過ごされましたか。なかなかすっきりとしない天気が続いていましたが、田舎に帰って家族や親戚に会ったという方も多いのではないでしょうか。
残念ながら、私は今回のお盆休みは風邪のため、岐阜の実家に帰ることができませんでしたが、年末には必ず帰省したいと思います。


さて、地方出身者の方は、地元に帰った際、郷里の馴染みのある言葉を聞いてほっとする、そんな経験はありませんか。

明治の歌人、石川啄木の短歌に、「ふるさとの訛りなつかし停車場の 人ごみの中にそを聴きにゆく」という一首がありますね。ふるさと岩手の訛りが懐かしく、その響きを求めて人混みの上野駅へ行ったという歌であり、地元のことばを耳にすることによって、寂しい気持ちを紛らわせた当時の啄木の気持ちが表れています。

私自身、大学入学と同時に地方から上京してきているため、たまに地元に帰った際、家族や親戚、友人らと方言で会話することで、リフレッシュできる気がします。 わざわざ上野駅まで赴いた啄木の時代とは異なり、今や電話やネットが当たり前のように存在し、話したい時にはいつでも、どこからでも、海外からでもコミュニケーションが取れる時代です。しかし、やはりface to faceの生身のコミュニケーションに勝るものはないでしょう。お盆やお正月は、そのような絶好の機会と言えるのではないでしょうか。

最近では、テレビ等、メディアでも方言がひとつの文化として見直されてきているように感じます。私自身、生まれ故郷のことばの文化を大事にしていきたいなと思う今日この頃です。


ひつじ書房ではこれまでにも方言関連の書籍を多数刊行していますが、現在、新たに『コミュニケーションの方言学』、『感性の方言学』という、方言にまつわる2点の書籍を編集中です。今回、この2点の書籍を通して初めて編集に携わり始め、私は割付を担当させていただきました。
みなさまにお届けできるまで、今しばらくお待ちくださいませ!






2017.8.10(木)

オープンオフィス2017開催中



ひつじ書房では、毎年オープンオフィスを開催しています。
http://www.hituzi.co.jp/openoffice/

今年もたくさんご応募いただいております。

そこでは様々な企画のご相談をいただきますが、中でもはじめて著書をまとめられるという場合に多いのが博士論文を書籍にするということです。

いまひつじ書房では「学術書の刊行の仕方」(新版)の作成中ですが(旧版は残部無しとなりました)、博士論文から書籍にする場合、たまに、「この研究はこれで出来上がったものなのでもう手を入れるつもりは無いです」と言われることがあります。

確かにその博士論文の目的とするところは完結しているものかも知れませんが、書籍にする場合、それを世の中に広めていくことを考える必要があると思います。

黙っていても良い研究なら注目されて、みなに読まれるということもあるかも知れませんが、そこはやはり書き方から内容面まで色々と検討をする必要があると考えています。

よく編集者が言う「読者を意識して」と言ったときの「読者」は非常に抽象的で曖昧なものですが、煎じ詰めればやはりまずその編集者が面白い、これならば世に出すお手伝いをしたいと思わないと難しいということがあるでしょう。

何らかの売れるための指針や確信があってコメントをしている訳ではありませんが、より良い形で本として世に出そうという思いで検討をしています。

たまに的外れであったり無理な注文を述べることもあるかもしれません。
それでも一緒に仕事をしたいと思っていただけるならば、ぜひひつじ書房から本を出すことをご検討いただけましたら幸いです。







2017.8.9(水)

日々勉強



毎日暑い日が続いていますね。台風一過の今日は、全国的にも猛暑のところが多かったのではないでしょうか。

さて、まだ入社4週間目ながら、近頃、先輩社員の方々に同行し、少しずつ学会や研究大会について勉強させてもらっています。先週と今週で、「日本国語教育研究大会」、「日本語学校教育研究大会」、「国際方言学会(METHODS)」という3つの学会および研究大会に参加しました。

学会は、ひつじ書房の本を販売するだけではなく、現在刊行している本を学会参加者のみなさんにご紹介できる貴重な機会となります。また、ひつじ書房で出版している本にかかわる業界の、最新の研究についてリサーチしたり、全体的な雰囲気や現状を知る機会でもあります。 今回は何名か著者の先生や、普段お世話になっている他の出版社さんにもご挨拶させていただきました。ひつじ書房の新人として紹介されるたび、身の引き締まる思いがします。

実務的なことでは、学会準備や当日の作業の流れなどを先輩社員のみなさんから教えていただきました。慣れないことの連続で戸惑うことも多いのですが、しっかりと学ばせていただこうと思います。


今秋には、さらに大きな学会がいくつも控えています。 新人の奮闘はまだまだ続きますが、暑さに負けず、頑張ります!






2017.8.2(水)

はじめまして



新入社員の兼山(かねやま)と申します。
今回、初めてスタッフ日誌を書かせていただきます。
初めに、ご挨拶を兼ねて簡単な自己紹介をさせていただきます。

大学時代は文学部日文科にて、日本語学を中心に学んでおりました。在学中、書籍の編集プロダクションにてアルバイトしたことがきっかけで、本の編集という仕事に興味を抱きました。

さて、写真を見てお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、新人なのにフレッシュさに欠けるのは、いわゆる新卒ではなく、大学卒業後、イタリアの大学に正規留学しているためです。自分の好きなイタリア語の力をさらに伸ばすため、そして海外で言語学を学びたいとの思いから、思い切って日本を飛び出しました。
今春、無事卒業し、7月にひつじ書房に就職いたしました。


ひつじ書房の門を叩いたのは、言語に対する強い興味関心をずっと抱き続けてきたためです。
大学でも専攻していたように日本語学はもとより、
・地方出身者(岐阜県の山間部、清流と盆踊りが有名です)であることから、方言に、

  • 第二言語を習得した経験から、教育言語学に、
  • 海外の友人の日本語学習をフォローした経験から、日本語教育に、
  • 3年8ヵ月にわたる海外在住経験から、言語をめぐる国内外の諸問題に
    関心があります。

    現在、入社して3週間ほどですが、先輩社員のみなさんから少しずつお仕事を教わっているところです。社会人としてもまだまだ至らぬ点ばかりですが、日々奮闘しております。諸先輩方のように、いずれは立派な編集人となれるよう、そして、ひつじ書房の一員として、人とことばと社会をつなぐお手伝いができるよう、精進していく所存です。

    みなさま、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。






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