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9月

2015.9.30(水)

『日本で学ぶ留学生のための中級日本語教科書 出会い』授業体験


先日、ひつじ書房から刊行した『日本で学ぶ留学生のための中級日本語教科書 出会い』について、著者の工藤嘉名子先生が東京外国語大学で開催されたイベント「中級教科書『出会い』を用いた協働学習の可能性」に参加してきました。

イベントは二部構成になっており、第一部は『出会い』の理念と授業の仕方のご紹介、第二部は『出会い』の協働学習を実際に体験するものでした。

本書の大きな特徴は「テーマとタスクの融合」を掲げている点です。テーマは、自分や他者との関わりから、地域社会との関わり、世界との関わりと段階を経る構成になっています。そのテーマの選出にあたっては国立総合大学の全学教養科目のシラバスを分析した結果に基づいており、大学への学びにも繋がるように考えられています。

タスク活動は、テーマ学習で調査したり考えたことを基にして、具体的には発表やインタビューを行い、その活動を通して理解の深化、知識の相対化を目指します。実際に、テーマについて授業前に生徒に対して行ったアンケートと、授業を終えた後にとったアンケートを比べると、非常に考え方が広くそして深く変化していることが明らかとなり、本書の目標が充分に達成されているということが分かりました。

第二部の協働学習体験ですが、ただグループになって話し合うというだけではなく、協働学習を促進させるための小物の効果的な使用や、導入の仕方、タイミングなど、考え抜かれた授業が展開され、留学生でなくても大変楽しい授業でした。

今回のイベントは終了いたしましたが、この10月に沖縄で開催される日本語教育学会では、教材紹介コーナーで著者の先生にお出ましいただき、本書の紹介をしていただきますので、学会にお越しになる方はぜひ教材紹介コーナーへ足を運んでいただけますと幸いです。

10月10日、沖縄国際大学5号館1階ロビーにて、ひつじ書房は11時20分開始です。


教材紹介コーナーチラシ


日本で学ぶ留学生のための中級日本語教科書 出会い 【本冊 テーマ学習・タスク活動編】



2015.9.9(水)

今年の小島剛一さんの講演会は神戸から


9月1日に神戸の海外移住と文化の交流センターで小島剛一さんの講演会が開催されました。テーマは「シャルリー・エブドの大誤訳とラズ語辞書」。2015年1月14日発売号の表紙にある「Je suis Charlie」は日本語でどう訳されるべきか、言語障壁と翻訳の問題にふれながら、分かりやすく解説してくださいました。また、フランスにおける風刺新聞の立ち位置や、3月18日発売号で福島第一原子力発電所事故を扱ったことが日本で悪意をもったかたちで報道されていることについてのお話もあり、フランスから持ってきてくださったシャルリー・エブド紙を皆で見ながら、報道との違いを実際に感じました。翻訳にはかならず誤りがあるが、それを見抜く目が必要であり、相手を理解するためにどうやって言語障壁を乗り越えるべきか、インターネットの情報をうのみにしがちな昨今の状況においては特に重要なことと思います。
あいにくの雨でしたが、来場者の方々からの質問に小島さんが答えながら、会は和やかにすすみました。お越しくださった方々、ありがとうございました。海外移住と文化の交流センターはブラジルへの移住者が出航前に拠点にしていた建物とのことで、趣のあるすてきなところでした。晴れていれば、五階からの夜景はすばらしいものだったでしょう。
当日会場にもお越しいただいた、ジュンク堂書店三宮駅前店のTさんが語学書棚に「気になる言語コーナー」を設けて、小島剛一さんの著書を並べてくださいました。「ラズ語辞書刊行を祈念する会へのお誘い」も横に置いていただいています。書店の方にもこのように支援いただき、大変ありがたく思います。Tさん、ありがとうございます!

秋田(9月18日)と東京(9月20日)講演はこれからです! ぜひ足をお運びください。



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