『学校英語教育は何のため?』
6月末刊行の近刊書籍を1冊ご紹介します。
『学校英語教育は何のため?』(江利川春雄・斎藤兆史・鳥飼玖美子・大津由紀雄著 対談 内田樹×鳥飼玖美子)
本書は昨年刊行した『英語教育、迫り来る破綻』(大津由紀雄・江利川春雄・斎藤兆史・鳥飼玖美子著)の第2弾となります。
今回のテーマは「目的論」です。学校英語教育でなぜ英語を勉強するのか、という根本的な問題を扱っています。昨年政府は、小学校英語の開始時期の早期化や中学校の英語授業を英語で行うなどの内容の計画を示しました。産経新聞のオピニオン欄で千野境子客員論説委員も、この計画を実施する目的について政府が「グローバル化のため」というなんとも口当たりの良いことを言っているがはっきりいってよくわからないと批判していました。
英語教育の目的論は前から議論されてきましたが、いま、なんのために学校で英語をやるのかということをきちんと議論しなければならないという思いで、第2弾としてこのテーマを選びました。
今回は前著の著者「4人組」の他に、神戸女学院大学名誉教授の内田樹先生に鳥飼玖美子先生との対談という形で加わっていただきました。40ページにわたる内田先生と鳥飼先生の対談は、「英語教育の悲しさ」と題して、日本の英語教育行政の問題点、さらには日本の教育の問題に関わる議論までたいへん充実した内容となっております。ぜひ読んでいただきたいと思います。
前著『英語教育、迫り来る破綻』では政策の問題点をさまざまな知見から批判するという趣旨の本でしたが、今回はより根本的な問題を扱っておりますこともあり英語教育に関わる方だけではなく多くの方に読んでいただきたいと思っています。書店さんには7月の上旬から並ぶ予定です。お近くの書店さんにない場合にはお取り寄せいただくこともできます。ぜひお楽しみにしていただけますと幸いです。
先日表紙の色校が出ました。今回も「4匹のひつじ」の登場です。
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