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4月



2014.4.28(月)

東京言語研究所の春期講座に参加しました



ラボ国際交流センターの東京言語研究所が主催している、春期講座に参加してきました。
これは同団体が5月から7月末までの期間で行っている、理論言語学講座を受講するきっかけとなるように設けられた講座です。
言語学の分野において第一線で活躍されている研究者の方々の講義を、2日間で8講義受けられる、大変贅沢な催しです。

どの先生の講義もとても興味深く、じっくりと考えたいと思うようなテーマがたくさん見つかりました。
例えば音声学の講義では、ある発音を習得する際に重要なのは、口のなかの形を意識してつくることだと教わり、講義で教わったコツを思い出しながら、舌の動きを意識して「l」や「θ」の発音を練習しました。(「l」は舌を口蓋に気持ち長めにつけることが重要で、「θ」は舌を噛まずに歯の裏に少し当てるだけでもいいそうです。)
先生方が「この講義のなかでは知識ではなく考え方を教えます」と仰っていたのが印象に残っています。

また、会場にいる他の受講者の方が皆言語学を学んでいる、もしくは学ぼうとしているのだということで、ひつじ書房の本の読者の姿をまた新たに知ることができたのではないかと思っています。
ハードでしたが、実りの多い2日間でした。




2014.4.25(金)

トーハン桶川SCMセンター



埼玉県にあるトーハン桶川SCMセンターの見学に行ってきました。
ここは取次会社であるトーハンが本の流通を行う施設で、出版社が納品した本を書店へ配送したり、店頭で売れ残ってしまった本を書店から出版社へ返品したりということを行っている場所です。

施設内の見学で、返品される本が機械的にレーンを流れていき、各出版社行きの所定の箱に落ちていくのを見たときには、その規模にかなり衝撃を受けました。
トーハン桶川SCMセンターでは、1日24時間作業を行って、毎日約60万冊の返品の仕分けをしているとのことです。高さ18mの機械式の自動立体倉庫に、仕分けの済んだ返品の箱がずらっと詰められている光景は圧巻でした。

発注された本の発送に関しても、トーハンと取引のある約5000軒の書店に向けて、約60万冊弱の本を毎日出荷していると聞いて、大きすぎる数字になかなか意識がついていきません。

トーハン桶川SCMセンターは出版業界において大変重要な施設なので、その現場を見ることができたのは、すごくよい経験になったと思います。
出版社の人間として、今回のように本に関わる色々なことを、ひとつひとつ学んでいきたいと思います。




2014.4.23(水)

索引のチェック



現在索引つきの本を作っています。
索引のページを作るために、著者の先生の指示通りに正しく索引がとれているかということをチェックしました。

今回ほとんど指示通りに索引がとれていました。しかし、同じ項目にすべきものが別の項目としてとられていることがあり(例えば「symbol」と「symbols」など)、そのような部分はきちんと人の目で見なければいけない部分だと感じました。

これまで索引と本文が対応しているのは当たり前のことだと思っていましたが、これからは本の索引をひくときに、誰かがチェックして索引を作ったのだということを意識したいと思います。




2014.4.23(水)

見えないものが見えてくる



先週、編集中のテキスト『ファンダメンタル認知言語学』(野村益寛著)が責了を迎えました。
既刊の『ファンダメンタル英語学 改訂版』『ファンダメンタル英語学演習』をご覧になったことのある方はご存じかと思いますが、このシリーズは現在、カバーに写真をあしらった装丁です。
今回の装丁を考えるに当たっては、著者の野村先生にご希望をうかがいました。いただいたアイデアは「星空の写真」というもの。というのは、まえがきに次のような文面があるからです。

「学問の楽しみは、普通の人には見えないものが見えてくるようになることにあると思う。天文学の知識がある人が夜空を眺めると、知識がない人には見えない星や星座が数多く見えることであろう。本書の目的も、普通の人には意識されないようなことばのさまざまな質感が感じられるよう、ことばの生態についての感度を養うことにある。そのためには、あまたの言語理論の中でも認知言語学というアプローチが最適であるように思われる。」

濃紺に星空の写真をもちいた、シックな装丁となりました。
実際の装丁作成は、このシリーズの装丁をお願いしている大崎善治さんが行っています。装丁が仕上がってから入稿時に、確認用の見本として、プリントアウトしたものを送ってもらっています。今回、プリントアウトには1枚のカードが添えられていました。一見は上品な模様、しかし、ところどころに見たことがあるラインがあります。この模様はすべてひらがなで出来ているのです。気がついたときは感動でした。
このカード、ひらがなを知らない人には、ただの美しい模様です。それが、いちど理解すると中にさまざまな花が隠れていることがわかります。大崎さんがご友人と一緒につくったものとのこと。


『ファンダメンタル認知言語学』と文字でつくった花形のカード

知識の有無によって、そのものの持つ意味が変わってくる。学術書、特にテキストというのはそのための道しるべです。今回のテキストも、たくさんの人の道しるべとなることを祈っています。
大崎さん、それからもちろん野村先生、ありがとうございました。『ファンダメンタル認知言語学』は現在印刷中、5月中旬からの出荷になります。


カードのアップ




2014.4.21(月)

学会のポスター作り



先週の金曜日に、週末の日本英語学会国際春季フォーラムで使うためのポスターを6枚作成しました。
ポスターは学会に合わせて、そのときの新刊やその学会に来る先生方が興味をもちそうな本のものを用意します。
今回は『日本語カートグラフィー序説』や『英語副詞配列論』などのポスターを作りました。

ポスターは先輩方が作ったフォーマットに、本の情報を当てはめて作成します。
今回2度目のポスター作りで、1度目のときに比べてかなり短い時間で作れるようになりました。
自分にとって最大の難関はポスターの背景の色で、これは本ごとに作成者のセンスで変えています。
同じ色に偏りすぎないように、文字や本の表紙が見やすいようになどと試行錯誤しました。これという正解がなくて難しいです。
ぱっと目に入ってきて、見る人の興味をひくようにということを考えながら作っています。
ポスターを見て本に興味をもって、購入してもらえたら嬉しいです。




2014.4.18(金)

再校ゲラの出校待ち



アシスタントとして、社長の下で編集の仕事に少しずつ関わっています。
主に原稿の整理をしたり、著者の先生とメールでやりとりしたりしています。

今週は初校ゲラを印刷所に渡して、再校ゲラを作成してもらうということがありました。
ゲラとは書籍の本文として組まれた校正用の印刷物で、最初のものを初校、2度目のものを再校といいます。

初校ゲラに著者の先生とひつじ書房とで修正点を記して、その修正を反映させて再校ゲラを作ってもらいます。
初校ゲラに赤字を入れたのは初めてで、その赤字を反映して再校ゲラができてくるとあってどきどきしています。

今日半分までの再校ゲラを受け取りました。月曜日に再校ゲラが全て揃います。
再校ゲラで修正点が反映されているかどうかのチェック、がんばります。




2014.4.16(水)

出版流通の基礎知識セミナー



月曜日にトーハン・コンサルティング主催の出版流通の基礎知識セミナーを受けてきました。
本の流通販売における、出版社、取次会社、書店の役割を知るという内容でした。
とくに、取次会社がどのように本を流通させているか、というしくみを具体的に知ることができました。

また、講師の先生(元書店員)の経験談として、本の販売について書店側からの話も聞けました。
例えば、出版社側は新刊に関しては熱心に営業をかけるけれど、書店側が知りたいと思っているロングセラーやひそかに売れている本などについては、出版社側は話をしないことが多いとのことでした。
これから書店営業に出かける際には、そのようなことも意識して、書店さんに本の情報を伝えたいと思います。

来週、セミナーへの申し込みの特典で、桶川にあるトーハンSCMセンターを見学しに行きます。
取次会社の書籍流通の現場を実際に見られるので、とても楽しみにしています。




2014.4.14(月)

本を直接お届けしました



お茶の水女子大学の生協さんに、ご注文いただいた本を直接お届けしました。
教科書として販売する本のため、急ぎで送ってほしいとのお電話があり、近くなのだから直接運んだ方が早く生協さんの手に渡る、ということで直接納品しました。
普段は取次会社を通して納品しているのですが、今回はお茶の水女子大学がひつじ書房から大変近いことと、その本の著者の先生からのご注文だったことがあって、特別にということで行ってきました。

生協さんに本をお届けした後、お茶の水女子大学に所属されているひつじ書房の本の著者の先生にご挨拶に行きました。
ひつじ書房の社員として、大学の研究室を訪れるというのは初めてだったので、とてもどきどきしました。

書店さんへ本を直接持っていくことはめったにないことなので、貴重な機会でした。
他にはどのような本が教科書として使われているのか、ということも見てこられたのでよかったです。
写真はお茶の水女子大学の教科書販売所の様子です。






2014.4.11(金)

文字起こし



録音された音声を聴いて、人の発言を書き起こすということをしました。
文字起こしという作業だそうです。

音声として残した記録を正しく文章にするために、細かく一時停止して、ときには少し前の地点から再生して、慎重に作業を進めました。
その結果、20分間の音声記録を文字起こしするのに、3時間半もかかってしまい驚きました。

今回文字起こしをして、もっとタイピングの技術を磨いたり、音声再生ソフトの使い方を勉強したりしなければならないと感じました。




2014.4.9(水)

ひつじ書房に届く郵便物・宅配物



新入社員として会社について知るために、会社に届いた郵便物や宅配物を仕分けして渡すという作業をしています。
どのような手紙や荷物が届いているか見ていると、会社の取引先や編集の仕事の動きなど、色々なことが分かってきます。

外側に書いてある情報だけでは担当者が分からないときは、私がまず封を開けるのですが、はじめは会社に届いた手紙などの封を開けるという作業に緊張しました。
最近では、宛名に担当者名がない場合でも、差出人の名前で担当者が分かることが多くなりました。
また宛名からも差出人の名前からも担当者が分からない場合も、中身の内容から担当者を判断できるようになってきました。
渡し間違いをしないように気をつけながら、すばやく仕分けすることを心がけています。




2014.4.8(火)

電子学術雑誌の製作



昨年度から、ひつじ書房では電子学術雑誌2誌の製作に協力しています。

1つめは、kindle版『メディア文化研究』(神戸大学大学院国際文化学研究科メディア文化研究センター 著)です。kindle端末でのみ閲覧することができる学術雑誌です。

2つめは、インタラクティブPDF版『日本語音声コミュニケーション』(日本語音声コミュニケーション教育研究会 著)です。インタラクティブPDFとは、動画や音声を再生することができるPDFです。論文で分析する動画や音声を読者はその場で見たり聞いたりすることができて、学術的なものを発表する場としておもしろい媒体になっていると思います。

電子学術雑誌の製作過程では、普段おこなっている紙の書籍の編集とは勝手が違うことがありびっくりすることもあります。

最近では、kindle版の方で、印刷所のkindleでは問題なく表示されていた中国語が弊社の端末では文字化けを起こしていたことがありました。校正は、印刷所が印刷所のkindleの画面をスクリーンショットで撮影した画像をプリントアウトして行っています。校正用の紙媒体では文字化けを起こしていなかったので安心していたのですが、弊社のkindleで確認した際に、文字化けを起こしていることに気づき驚きました。主な原因は印刷所のkindleと弊社のkindleのバージョンなど環境の違いによるものであったのですが、こういった環境の違いによって正確に見られなくなったりするということがありえるということは、個人的には、電子ものの信用できない点だなと思います。いま見ることができるものでも今後は見れなくなるということは多いにあり得ると思いました。

電子雑誌の製作では、なれない点、よくわからない点もまだまだあり電子雑誌の製作をお願いしている印刷所に素人のような質問を投げかけながら実験を繰り返している段階です。この春の学会(英文学会など)でデモンストレーションのような形で上記2誌の電子学術雑誌をご紹介する場合がありますので、機会がありましたらぜひご覧いただけますと幸いです。




2014.4.7(月)

お花見をしました




先週の金曜日にお花見をしました。
生憎の天気で、事務所のなかでの宴会になりましたが、急遽買ってきた桜の枝でお花見ムードを味わいました。
総勢20人での、とてもにぎやかな会になりました。いらしてくださった皆様ありがとうございます。

お花見では、出版業界の大先輩のお話を聞いたり、デザイナーの方から本のデザインに込めた意味を教えてもらったり、印刷所や組版所の方とはじめて直接話したりと、貴重な機会を得られました。
来年はいい天気になって、桜の木の下でお花見ができたらいいなと思います。



金曜日に活躍してくれた桜は、週明けの今日も咲いてくれています。




2014.4.3(木)

入社式を迎えました



4月1日に入社式を迎えて、ひつじ書房の社員となりました。
入社式ではお祝いと激励の言葉をいただき、社長から初めは出版人になることを目指しなさいという話をしていただきました。出版人とはどういう人物で、そうなるためには自分になにが必要かということを考えて行動したいと思います。

入社式の後、播磨坂のレストランで皆で食事をしました。春野菜やひつじのお肉がおいしかったです。天気もよく桜が見事に咲いていて、すごくいい日だなと嬉しく思いました。

気を引き締めて、4月からまた新しい気持ちで働きたいと思います。
まずはアシスタントとして、他の方の手足になれるよう、こつこつと仕事を身につけていきます。
これからどうぞよろしくお願いいたします。




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