「講座ドイツ言語学」完結
企画開始から4年、「講座ドイツ言語学」が完結しました。
……ドイツ語に関する言語学的研究は、そのプレゼンスをわが国の言語学の風景のなかに今まであまり示してこなかったように思われる。「ドイツ語研究者よ、奮起せよ」という励ましの声が聞こえてくる。その風景のなかに、ドイツ語を対象とした言語研究の最新成果を積極的に、しかもある程度まとまった形にして発信しようというのが、今回企画した『講座ドイツ言語学』のねらいである。ドイツ語という言語の文法を共時的・通時的に分析したとき、どのような個別性と普遍性が見えてくるであろうか。また、ドイツ語は、時々刻々と変容する現代の社会・コミュニティ・メディアと言語使用者の関わりにおいてどのような相貌を示すのであろうか。さらにまた、とりわけ活版印刷というメディアの大転換期以降、ドイツ語はどのような歴史的進展を遂げてきたのであろうか。本講座では、このような問いかけに対する答えを、ドイツ語の知識がない読者にも理解できるように、丁寧にわかりやすく説明・論述する。執筆陣には、ドイツ語学における精力的な研究で知られる言語学者たちをそろえた。……
(講座紹介文より)
長い眠りからついにめざめた (?!)ドイツ言語学、ということで、「ドイツ言語学、ルネッサンス!」を合い言葉に全3巻を刊行しました。ドイツ語の知識のない読者にも理解しやすいよう、日本語訳や語注などをつけるなどの工夫をしており、ドイツ語特有の事象はもちろんのこと、他言語に共通するような言語事象についても、ドイツ語学研究者以外の方が参照しやすいものとなっています。各巻ですこしずつ違う装幀も、とてもすてきです。ぜひお手にとってご覧ください。週末の社会言語科学会では第3巻が初お披露目となります。
また、講座完結を記念して、次のようなイベントが開催されます!
*『講座ドイツ言語学』出版記念イベントのご案内*
学習院大学大学院人文科学研究科ドイツ語ドイツ文学専攻主催
「ドイツ語学(ドイツ言語学) のこれからを語る」
日時 2014年3月17日 (月)
14:00〜18:00 (懇親会 18:20〜20:20)
会場 学習院大学北2号館10階 第1会議室
http://www.gakushuin.ac.jp/mejiro.html
《第1部》 14:00〜15:00
記念講演
“Germanistische Linguistik in Deutschland. Aspekte aktueller Forschung”
(「ドイツにおけるドイツ語学研究の近況」)
Andreas Gardt (Kassel大学教授)
《第2部》
15:20〜16:00
「『講座ドイツ言語学』全3巻の出版の経緯と意義」
責任編集者 高田博行、岡本順治、渡辺学 + ひつじ書房 松本功
16:10〜18:00
大討論会 「ドイツ語学 (ドイツ言語学) を今後どう発信していくか?」
各巻の執筆者の参加予定者(五十音順)
大矢俊明、岡本順治、清水誠、高田博行、田中雅敏、藤井明彦、
藤縄康弘、細川裕史、山下仁、吉田光演、渡辺学
18:20〜20:20 懇親会
※第1部、第2部への参加は無料です。事前登録なしでもご参加いただけますが、3月3日までにあらかじめ学習院大学・高田博行先生(hiroyuki.takadaATgakushuin.ac.jp、ATはアットマーク)までご連絡いただけますと、ありがたく存じます。なお懇親会(会費3,000円の予定)に参加ご希望の方は、同じく高田先生まで3月3日までにお申し込み下さい。
事前申し込みは3月3日までとなっていますが、事前のご連絡なしで当日お越しいただいても大丈夫です。多くの方のご参加、お待ちしております。
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