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3月



2014.3.31(月)

八木書店さんに行ってきました



今日は会社で注文していた本を受け取りに、神保町の八木書店さんに行ってきました。
八木書店さんは名前に書店と入っていますが、一般の人への本の販売はしておらず、出版社から本を仕入れて、書店に向けて販売、配送をする会社です。 そのため、本がジャンルごとではなく出版社ごとに並べられているなど、店内の様子も一般の書店とは違っています。
たくさんの書店さんがここに本を仕入れにくるのだと思うと興味深いです。

主に人文書を専門に取り扱っているということで、ひつじ書房の本も新刊やテキストを中心に様々なジャンルが揃っていて、さすがだなと思いました。
八木書店さんに本の出荷を手配したあと、いつもどのような場所で書店さんに本が卸されているのかということを知ることができて、いい経験になりました。





2014.3.27(木)

組版について



先日、社長が組版所に原稿の組版を依頼する場に同席しました。
組版とは本の紙面をつくる作業のことで、組版所では出版社が出した組版指定書(本の設計図)に従って、ページの余白や文字の大きさや形、文章の行間などを設定して組版が行われます。
今回は特例で、社内で社長が組版の作業を少し行い、紙面の見本をつくって組版の指定をしました。

見本をつくる段階で、InDesignというパソコンのソフトを使って、タイトルの書式を設定したり、行間や文字の揃え方を調整したりする方法を教わりました。
作業の前は普通の書類だったものが、本の一部として見えるように変化して、とても興味深く思いました。





2014.3.25(火)

『明治初等国語教科書と子ども読み物に関する研究』刊行!


『明治初等国語教科書と子ども読み物に関する研究』を刊行しました。

本書は2段組B5判で1200ページを超える大著となりました。これまでのひつじ書房の刊行書籍の中ではNo.1の分量です。300ページの書籍4冊分の厚さと言うと、なかなかのものであるということが分かってもらえますでしょうか。

物体としての迫力に圧倒されていきなり厚さばかり強調してしまいましたが、内容ももちろん充実。国語教育はもちろん、もっと広く教育史研究や文学研究、文化史研究にも欠かせないものとなっています。

たとえば、明治期に言文一致運動が起こり近代的なことばの確立が目指されたことは周知の事実ですが、それにはもちろん小学校の国語教科書(読本)が欠かせないものであったわけです。近代的な思考や思想を書き表すために文学の分野ではどんどんと試行錯誤が繰り広げられますが、その頃に次世代を担う子どもがどのようなものを読み、またどのような考えでその読み物が作られていたのか、本書によってはじめて包括的に明らかになったと言えます。

大きなところでは、たとえば国語教科書の出発点といえる田中義廉の『小学読本』についての研究は一定の蓄積がありますが、本書ではこれまでほとんど注目されなかった、地域で作成された無数の「小学読本」について、豊富な資料とともに(掲載図版はなんと700点以上)その影響関係が考察されています。

こうした教科書類に加え、さらに子どもの読み物類の研究、特にその頃広まった翻訳啓蒙書の原典の特定や、近代子ども読者誕生の契機やメディアについての調査など、圧巻のボリュームとなっています。

内容とともに、まずは手に持って本書のボリュームを実感してもらえればと思います。
カラー図版も豊富です。




2014.3.24(月)

日本語実用言語学国際会議に行ってきました



22日、23日の日本語実用言語学国際会議で、本の展示と販売をしてきました。
先週の社会言語科学会への参加もあり、短い期間に2つの学会に参加したことで、それぞれの学会にはそれぞれの性格があるということが体感できました。
どの学会がどういう性格をもっていて、どのような本を持っていけばよいのかということをはやく掴みたいと思います。

今回の学会では、ブースに来てくださった先生方に先輩が本の説明をしているのをじっくり聞くことができて、とても勉強になりました。
自分の反省として、先輩に頼ってしまいがちで、必要のないところでも確認をとろうとしてしまうので、精神的に自立しなくてはならないと思いました。
次の学会では、お荷物ではなく、一人の社員としての働きができるようにしたいです。




2014.3.20(木)

電話での応対



ひつじ書房にはどのような人から、どのような用件で電話がかかってくるのかを理解するために、誰よりもはやく電話に出るということをしています。

電話での応対は焦りがちで、ミスばかりしてしまいます。
昨日も失敗をしてしまい、一度やり取りを終えた相手に再び連絡を取って、伝えた答えを取り消すということをしてしまいました。
最初の電話できちんと相手の事情を聞くということをしなかったために、何度も電話のやり取りをすることになって、時間を無駄に費やしてしまったと反省しました。

今回の失敗で、電話の応対で相手の話に惑わされず、自分がしっかりと状況を理解するまで相手と話をしなければならないということが本当にわかりました。
会社として自分がどのような立場をとるべきか考えて、慌てずかつ手際よく、電話に応対できるようがんばります。




2014.3.17(月)

研究会、学会に行ってきました



先週の金曜日にメディアとことば研究会、土曜日と日曜日に社会言語科学会に行ってきました。
たくさんの先生方にお会いし、ご挨拶できたことを嬉しく思います。これからがんばってね、というお言葉をいただいて大変光栄でした。

また社会言語科学会では、他の出版社の方にもご挨拶できました。出版業界の先輩方の編集や販売などについての話はすごく勉強になりました。
至らないところばかりですが、精一杯努力いたしますので、皆様これからどうぞよろしくお願いいたします。

社会言語科学会では、出たばかりの新刊を多くの方に見ていただけてよかったなと思います。
目の前で本を手にとって購入してもらえるというのはなかなかない機会なので、学会に参加することがとても楽しいです。
自分が関わっている企画のセッションを聞くこともできて、企画に対しての理解を深めることができました。

今週末の日本語実用言語学国際会議でも、はりきってテキパキと働きたいと思います。




2014.3.13(木)

学会の出展



だんだんと暖かくなり、過ごしやすい気候になってきましたね。
ひつじ書房では、ついに明日金曜日に梅見に行く予定です。

今週は金曜日から日曜日まで、学会での書籍展示・販売の出展に参加します。
出展する学会は以下の2つです。
3/14(金) メディアとことば研究会
3/15(土)、16(日) 社会言語科学会
社会言語科学会では、初めて学会に持っていく新刊15冊をお手にとってご覧いただけます!
ぜひ出展ブースにいらしてください。
色々な方にご挨拶できたら嬉しいなと思います。

今回はじめて先輩の助手として、学会の準備をしました。
いままでは持っていく本を集めることなどでしか準備に関わっていなかったので、責任が大きくなって、準備の作業自体は複雑なものでなくても、学会の準備についてずっと難しく感じました。
また、Adobe Illustratorの使い方を教わりながら、書籍の注文書の作成も行いました。ミスを連発した上に、プリンターとの相性のせいなのかプリントがぼやける現象との格闘があり、試行錯誤の結果なんとか形にできました。注文書の一覧にどの本を載せるのか考えたり、印刷物がどう見えるかを客観視したりすることは、重要かつ大変なことだと思いました。

自分で準備をした分、学会へのやる気も大きくなりました。
元気に本をたくさん売っていこうと思います。





2014.3.12(水)

「講座ドイツ言語学」完結

企画開始から4年、「講座ドイツ言語学」が完結しました。

……ドイツ語に関する言語学的研究は、そのプレゼンスをわが国の言語学の風景のなかに今まであまり示してこなかったように思われる。「ドイツ語研究者よ、奮起せよ」という励ましの声が聞こえてくる。その風景のなかに、ドイツ語を対象とした言語研究の最新成果を積極的に、しかもある程度まとまった形にして発信しようというのが、今回企画した『講座ドイツ言語学』のねらいである。ドイツ語という言語の文法を共時的・通時的に分析したとき、どのような個別性と普遍性が見えてくるであろうか。また、ドイツ語は、時々刻々と変容する現代の社会・コミュニティ・メディアと言語使用者の関わりにおいてどのような相貌を示すのであろうか。さらにまた、とりわけ活版印刷というメディアの大転換期以降、ドイツ語はどのような歴史的進展を遂げてきたのであろうか。本講座では、このような問いかけに対する答えを、ドイツ語の知識がない読者にも理解できるように、丁寧にわかりやすく説明・論述する。執筆陣には、ドイツ語学における精力的な研究で知られる言語学者たちをそろえた。……
(講座紹介文より)

長い眠りからついにめざめた (?!)ドイツ言語学、ということで、「ドイツ言語学、ルネッサンス!」を合い言葉に全3巻を刊行しました。ドイツ語の知識のない読者にも理解しやすいよう、日本語訳や語注などをつけるなどの工夫をしており、ドイツ語特有の事象はもちろんのこと、他言語に共通するような言語事象についても、ドイツ語学研究者以外の方が参照しやすいものとなっています。各巻ですこしずつ違う装幀も、とてもすてきです。ぜひお手にとってご覧ください。週末の社会言語科学会では第3巻が初お披露目となります。

また、講座完結を記念して、次のようなイベントが開催されます!

*『講座ドイツ言語学』出版記念イベントのご案内*
学習院大学大学院人文科学研究科ドイツ語ドイツ文学専攻主催
「ドイツ語学(ドイツ言語学) のこれからを語る」

日時 2014年3月17日 (月) 
14:00〜18:00 (懇親会 18:20〜20:20)
会場 学習院大学北2号館10階 第1会議室
http://www.gakushuin.ac.jp/mejiro.html

《第1部》
14:00〜15:00
記念講演
“Germanistische Linguistik in Deutschland. Aspekte aktueller Forschung”
(「ドイツにおけるドイツ語学研究の近況」)
 Andreas Gardt (Kassel大学教授)

《第2部》
15:20〜16:00
「『講座ドイツ言語学』全3巻の出版の経緯と意義」
 責任編集者 高田博行、岡本順治、渡辺学 + ひつじ書房 松本功

16:10〜18:00
大討論会 「ドイツ語学 (ドイツ言語学) を今後どう発信していくか?」
 各巻の執筆者の参加予定者(五十音順)
 大矢俊明、岡本順治、清水誠、高田博行、田中雅敏、藤井明彦、
 藤縄康弘、細川裕史、山下仁、吉田光演、渡辺学

18:20〜20:20 懇親会

※第1部、第2部への参加は無料です。事前登録なしでもご参加いただけますが、3月3日までにあらかじめ学習院大学・高田博行先生(hiroyuki.takadaATgakushuin.ac.jp、ATはアットマーク)までご連絡いただけますと、ありがたく存じます。なお懇親会(会費3,000円の予定)に参加ご希望の方は、同じく高田先生まで3月3日までにお申し込み下さい。




事前申し込みは3月3日までとなっていますが、事前のご連絡なしで当日お越しいただいても大丈夫です。多くの方のご参加、お待ちしております。

2014.3.11(火)

本をつくること



先週から『Rで学ぶ日本語テキストマイニング』と『複合動詞研究の最先端』の2冊を対象に、本をつくるのに具体的にどのような手順があるのかについて調べています。
この2冊には装丁や価格、発行部数などの点で大きな違いがあり、本のつくり方の多様さの一端に触れることができます。

2冊について調べるなかで、両方の本を担当した先輩に、本をつくるのにどのような手順があって、それぞれにどのくらいの時間をかけたのかを教えてもらいました。
本づくりと一口に言っても、ある程度の原則がある他は、全く異なる手順でそれぞれの本がつくられていて、学ぶべきことの多さを感じました。
先輩方の仕事をそばで見ていたにもかかわらず、本をどのようにつくっているのかに関して、あまりに無意識だったと痛感しています。

本をつくることについて考えて、まだ基礎の基礎を理解する段階ですが、これから自分がどのように本をつくっていくのかということに対して真剣に向き合いたいと思います。





2014.3.6(木)

InDesign修行中



書籍の組版(本の紙面作り)に使用するソフト、InDesignの使い方を習っています。
文章の行間や図の配置などを自由自在に設定できて、その便利さに感動しました。

設定が自由自在な分、覚える機能も多くて大変なのですが、InDesignを使うことで、いままで知識でしかなかった、級数(文字の大きさの単位、1級0.25mm)や歯送り(字間や行間の幅の単位、1歯0.25mm)などの用語が実際の作業とつながり、とても興味深いです。

先日初めてInDesignを使って、ひつじ書房の入り口に置かれた看板に貼る『複雑述語研究の現在』『日本語複文構文の研究』『複合動詞研究の最先端』のポスターを作りました。
その次に、海外に送る「新刊のご案内」のチラシを作成しています。作り方を教わる際に、単にソフトの使い方を知るだけではなくて、「新刊のご案内」のチラシを作る目的や、作成する際の意識を学ぶことも重要だなと感じています。目にした人の購買意欲をそそるチラシの完成を目指します。





2014.3.3(月)

書籍を資料として保存すること



社長の勧めを受けて、先週国立国会図書館に行ってきました。
お目当ての利用ガイダンスは残念ながら定員が埋まってしまっていたのですが、折角の機会なので館内の見学と資料の閲覧を体験してきました。
初めて足を踏み入れた国会図書館は、本の姿が見当たらず、コンピューターや机がずらりと並んでいることから、どこかの会社のオフィスのようにも見えました。
書籍の閲覧申請から受け取りまでに20から30分かかると知って、どれほど広大な書庫なのだろうかと想像しました。日本のすべての出版物を収集する書庫、一度見学してみたいものです。

書籍が資料として保存され、それが人に必要とされているという場所を見てきて、時代を超えて情報を伝えるという書籍の役割を考えました。
ある考えを書籍にするということは、その考えを後の時代まで保存するということです。
そこでは書籍というかたちが、時間の経過に耐えうる、情報の目印や入れ物として働いているように思います。
時代を経て、必要とされる意味合いが変わっても、1冊の書籍が様々な人の手にとられるという物語にロマンを感じながら、国会図書館を後にしました。





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