ケンランを探せ
新刊の出荷が続々と始まっています。
特に「ひつじ研究叢書(言語編)」のシリーズは、この2月〜3月にかけてで8冊刊行の躍進ぶりです。
このシリーズ、ご存じの方も多いかと思いますが、第101巻よりブックデザインを一新し、薄緑色の函となっています。
書棚でも目を引くこの函は、「ケンラン」という名前の厚紙で出来ています。「豪華絢爛」が由来でしょうか。色名はミントグリーン。デザインを決めたときはいくつもの紙をデザイナーさんとともに検討し、微妙な光沢と色味が美しく、モダンかつ繊細な雰囲気のこの紙に決定しました。
ところが今月になってこのケンランがメーカーで品切れという事態が発生しました。再生産は3月になってしまうとのこと。せっかく本そのものが出来上がっているのにそのために出荷を遅らせることは出来ない!と紙屋さんや印刷所の伝手で在庫をかき集めましたが、それでも手配できたのは必要枚数の20%に満たない量でした。
さてどうするか。代替品として別の紙を使うという案も出ましたが、せっかく吟味した色味や質感を変えたくはありません。いっそ色をがらっと変えてしまうか。そうするには巻数のきりが悪い。別の色のケンランに薄緑色を印刷して近づける、という案もありましたが、微妙な色合いが出せるかどうか、不安が残ります。
そこでとった方法が、「合紙」です。ミントグリーンのケンランのうち、普段使っているものより薄い厚みのものならば幸いなことに在庫がありましたので、これを2枚貼り合わせるという方法です。
出来上がってきたサンプルは普段のものと区別がつかないくらいのものでした(私はいちど間違えました・・・・・・)。これなら、既刊と一緒に書棚に並べても違和感のない函が出来ます。前より少し丈夫になっていいかも、という意見もあったほどです。
既刊との違いを見破れる方はいるでしょうか。トラブルではありましたが、実は少したのしみです。
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