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2月



2014.2.28(金)

ケンランを探せ


新刊の出荷が続々と始まっています。
特に「ひつじ研究叢書(言語編)」のシリーズは、この2月〜3月にかけてで8冊刊行の躍進ぶりです。

このシリーズ、ご存じの方も多いかと思いますが、第101巻よりブックデザインを一新し、薄緑色の函となっています。
書棚でも目を引くこの函は、「ケンラン」という名前の厚紙で出来ています。「豪華絢爛」が由来でしょうか。色名はミントグリーン。デザインを決めたときはいくつもの紙をデザイナーさんとともに検討し、微妙な光沢と色味が美しく、モダンかつ繊細な雰囲気のこの紙に決定しました。

ところが今月になってこのケンランがメーカーで品切れという事態が発生しました。再生産は3月になってしまうとのこと。せっかく本そのものが出来上がっているのにそのために出荷を遅らせることは出来ない!と紙屋さんや印刷所の伝手で在庫をかき集めましたが、それでも手配できたのは必要枚数の20%に満たない量でした。

さてどうするか。代替品として別の紙を使うという案も出ましたが、せっかく吟味した色味や質感を変えたくはありません。いっそ色をがらっと変えてしまうか。そうするには巻数のきりが悪い。別の色のケンランに薄緑色を印刷して近づける、という案もありましたが、微妙な色合いが出せるかどうか、不安が残ります。
そこでとった方法が、「合紙」です。ミントグリーンのケンランのうち、普段使っているものより薄い厚みのものならば幸いなことに在庫がありましたので、これを2枚貼り合わせるという方法です。
出来上がってきたサンプルは普段のものと区別がつかないくらいのものでした(私はいちど間違えました・・・・・・)。これなら、既刊と一緒に書棚に並べても違和感のない函が出来ます。前より少し丈夫になっていいかも、という意見もあったほどです。

既刊との違いを見破れる方はいるでしょうか。トラブルではありましたが、実は少したのしみです。




2014.2.27(木)

本の紹介のウェブページを作り方を教わりました


2月ももう終わりですね。
弊社では、いつ梅見に行こうかという話をしています。
梅は香りがよくて好きな花ですが、梅見をするのは初めてなので楽しみです。

今週はウェブページの作り方を教わり、新刊の個別の紹介ページを作りました。
本の紹介ページでは、題名や著者名などの基本情報に加えて、内容の紹介や目次も載せています。これらの情報を正確にまとめて、見やすい形に整えることが重要です。

行と行の間をどのくらい空けるか、文字を太字にするかどうかを、タグという文章の形式を指定する特殊な文字列を使用して指示すると、ウェブページ上での文章の表示のされ方が変わり、より見やすい表示に変えていくことができます。
自分が普段、興味のある本を検索したときに、その紹介のページをかなり参考にして、実際の本を見ようかどうかを判断していることを考えると、本の紹介ページの体裁や内容に気を配ることは本当に大切だと感じます。
そのことから、そのページを見て、本に関心を持ったり、購入を考えたりする方が大勢いるということを意識して本の紹介ページを作成しています。

このスタッフ日誌もそうですが、自分がウェブページを作り、それがひつじ書房のページとして公開されるということに、非常に緊張します。
この緊張感を大事にして、皆様の役に立つ情報の発信を行いたいと思います。




2014.2.26(水)

『英語教育、迫り来る破綻』4刷となります。


スタッフ日誌に書く内容について悩みました。紙屋さんに在庫のないものが多いことについて書こうとも思いましたが、もんくで終わりそうですので… 明るい話題にさせていただきます。

昨年6月に刊行した『英語教育、迫り来る破綻』(大津由紀雄・江利川春雄・斎藤兆史・鳥飼玖美子著)が重版の運びとなりました。今回の重版で4刷となります。 刊行から1年たたずに3回も重版できることはたいへんありがたいことですし、こつこつと学術出版を行っている弊社ではなかなかないことです。多くの方に本書を読んでいただいていると思うと嬉しいかぎりです。

実は、『英語教育、迫り来る破綻』に続く第2弾の企画も進行しております。仮のタイトルは、『英語教育は何のためにあるのか』です。『英語教育、迫り来る破綻』を刊行した後、さまざまな場面でコメントや感想をいただき「英語教育の目的」という根本的な問題はきちんと議論しなければならないという思いがありこの内容にすることとなりました。

この春(初夏になるかもしれません)には刊行する予定でおります。お楽しみにしていただけますと幸いです。



2014.2.24(月)

本のかたち


『国際英語としての「日本英語」のコーパス研究』を刊行しました。
今週から書店への流通に乗って、もうすぐ皆さまにお目見えすることとなります。

新刊が続々とひつじ書房に届くなかで、私はいま本のかたちに興味津々です。
本をつくる際、本の判型や表紙の硬さ、カバーや函の有無などを選択して、本のかたちを決めていきます。判型とは本の横と縦の辺の大きさのことです。
ちなみに『国際英語としての「日本英語」のコーパス研究』はA5判(148×210mm)の上製本です。
ひつじ書房の本の判型は他にも、46判(127×188mm)やB5判(182×257mm)などなど様々です。
上製本というのは、本の表紙のつくりの話で、表紙に厚紙を入れて硬さを持たせた本のことです。反対に、厚紙を入れないつくりを並製と呼びます。

本のかたちの違いによって色々な違いが生まれ、それぞれの本の特徴をつくります。
本の判型という視点では、46判、A5判は手に持って読みやすい大きさですが、書き込み式のテキストの場合はB5判の大きな判型の方が使いやすいというようなことがあります。
さらに、表紙のつくりでは、上製本は本文の用紙が傷みにくかったり、並製は軽くて持ち運びしやすかったり、函入りの本は保管の際に本体がきれいな状態で保存できたりという特徴があります。
また、上製本にするかどうかなどということは、価格とも関係してくるので、どのような価格で販売したいかという観点も本のかたちを決める際には重要です。

他にも、ひつじ書房から本を発送する作業を行ったり、学会の準備をしたり、書店からの返本を検品したりというときに、函入りの本は大きいので段ボール箱に 4面で詰めるのがなかなか大変なことや、上製本は角の傷みに気をつけなければならないこと、カバーのない本は日焼けや傷でだめになってしまうことなど、本のかたちによる違いを感じています。

本を手にとって、この本はなぜこのかたちなんだろうと考えると、本を見るのがまた楽しくなりますね。



2014.2.20(木)

本ができてから書店に並ぶまで


雪の予報が外れてとてもほっとしました。
早くも春を迎える心持ちになっています。

これから3月にかけて、ひつじ書房では続々と新刊を刊行していきます。
表からは見えないことですが、本はできあがってからいくつかの工程を経て、新刊として書店さんに並んでいます。

工程について簡単に説明しますと、本ができあがってひつじ書房に届いたら、社内で印刷や製本がこちらが指定した通りにできているか、題名や著者名その他の基本的な情報が正しく記載されているかなどを確認した後、著者の方に見本を送ってそのまま流通して問題ないかの最終的な確認をしていただきます。

他にも、本の流通のために、取次会社(本の問屋さん)に本のデータ作成用の見本を送ったり、新刊案内(いつも新刊が出る前に、書店さん向けに新刊刊行をお知らせするFAXを発信しています)の返信で来た注文をまとめて出荷手配の準備をしたりという工程があります。
書店さんに新刊を届けるためには、これらの作業が欠かせません。

昨日最新刊の『バントゥ諸語の一般言語学的研究』を全国の書店さんに出荷手配する業務を担当したのですが、書店さんに並ぶ多くの新刊のなかのひとつを、自分が届けているのだと思うとどきどきしました。

新刊を出荷する業務に関わって、本ができることと、本が発売されるのは別のことなのだという当たり前のことを、改めて実感しています。



2014.2.18(火)

教科書採用品


まだまだ寒い日が続いていますね。
今週も雪が降るとの予報に戦々恐々としています。

この時期のひつじ書房は、年度内に刊行しなければならない本の編集や、来年度の教科書採用品の注文などで、他の時期よりも忙しくしています。

毎日行っている本の出荷の業務のなかで、教科書として採用された書籍の注文が入ると、その本を使ってどのような授業が行われるのだろうと想像します。
ひつじ書房の本を教科書として使ったことがきっかけとなって、言語学に興味を持つ人がたくさんいたら嬉しいなと思います。

いまはまだ戦力どころかお荷物ですが、来年の繁忙期にはひつじ書房の一員として、しっかりと活躍しているようになりたいです。



2014.2.13(木)

言語学フェア2014


いま、新宿高島屋の別館にある紀伊國屋書店新宿南店6階では「言語学フェア2014」が開催中です。

このフェアは、開拓社、くろしお出版、研究社、三省堂、大修館書店、明治書院、そして、ひつじ書房の7社合同開催で、900冊あまりの言語学書が一堂に会しています。 学会などの書籍展示以外で、ここまで新刊やシリーズ書籍を一度にご覧いただける機会もあまりないと思いますので、ぜひ、東京・新宿にお越しの際はお立ち寄り頂けますと幸いです。

ひつじ書房からも180冊近くの書籍を、新刊を中心に出荷いたしました。

もともと紀伊國屋書店新宿南店さんは語学書、言語学書が充実している書店ですので、内容をみてゆっくりと書籍をご覧になりたい方にはオススメの書店です。

フェアの開催は3月下旬までです。
みなさまのお越しをお待ちしております。




2014.2.10(月)

はじめまして


今年の春にひつじ書房に入社する山本と申します。
福岡県出身で、大学進学を機に上京しました。
大学では言語学を専攻し、文芸サークルに所属していました。
好きな作家は長野まゆみです。

夏からアルバイトとして研修を受けており、昨年秋の日本語文法学会と今月のレキシコン・フェスタの出展にも参加しました。
もしかすると、どこかでお会いしたことがあるかもしれません。

昨年までは主に出荷明細のデータ入力や返本のチェックを行い、まずはひつじ書房の本を覚えるということに取り組んでおりました。
現在は電話の応対をしたり、出荷の依頼を出すことで、本がどのように流通しているのかを学んでいます。
また、今年に入って徐々に編集の仕事をアシスタントとしてお手伝いするようになっております。

失敗ばかりで皆さんにご迷惑をかける毎日です。
本日も自分のお茶の出し方のぎこちなさに落ち込みました。
立派な先輩方に倣って、はやく一人前になれるよう努めて参ります。
これからどうぞよろしくお願い申し上げます。




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