2012年12月3日(月) ひつじ研究叢書(言語編)シリーズの装丁を変えます(これは、ひつじメール通信で11月22日に、配信したものとほぼ同文です。) ひつじ研究叢書(言語編)シリーズの装丁を変えます。ちょうど、村木新次郎先生の新著が101巻になりますので、これを期に、装丁を変えるのです。101巻では、扉、奥付けと外観を変えています。今回はまだ、外観だけですが、中身の組体裁も変えた書籍は、2月にお目見えします。装丁と本文のフォーマットは、デザイン誌『アイデア』のデザインをされている白井敬尚さんにお願いして作っています。白井敬尚さんは、ブックデザインについて、現在の日本で5本の指に入る方です。言語編の作り方が、変わります。どうぞ、ご期待下さい。 村木先生の本で101巻となるというのは、私にとってたいへん、感慨深いものがあります。ひつじ書房が最初に刊行した書籍が、村木先生の『日本語動詞の諸相』でした。この本は、ひつじ書房を創業して初めて、つまり、一番最初に出させていただいた本です。101巻が、村木先生の本となったということは、ひつじ書房にとって最初の著者ということと、とても記念すべき101巻という巻の著者ともなっていただいたということなのです。2つの記念すべき書籍を出していただいたのが、村木先生ということは、私には感慨深いのです。村木先生はひつじ書房の創業の際から相談にのっていただいてましたのです。加えて、言語編が、100巻をこえたということとがたいへんなことです。言語編も101巻を超えるところまできたんだと思うとたいへん感慨深いです。書籍は、言語学会で初お目見えしますので、ぜひ、ご覧下さい。
新しい装幀と100巻までの装丁を以下に並べました。ぜひ、ご覧下さい。 白井敬尚さんについては以下のページをご覧下さい。
表紙の布クロスは、100巻までと同じ、アートカンブリックの黒なのですが、箔押しの色が変わりました。銀色だったのが、少し金色の入ったつや消しの銀色に変わりました。また、箱は凸版での印刷から、オフセット印刷に代わり、かなりくっきり、すっきりになりました。箱の紙も変わり、全体として、すっきりして、モダンになったと思います。 101という区切りでデザインを変えたのですが、デザインは会社のイメージを反映するものですから、ころころと変えないで、しっかりと持続するべきものですけれども、社会の動き、世の中の動きとともに変えていくべきでもあります。箱については、凸版で印刷できる印刷所が減ってしまい、かつてほどの印刷のキレがなくなってきていると感じていました。キレのある印刷を求めるなら、オフセット印刷にするしかなくなってきたという印刷業界の推移も、今回、デザインを変えようと決意した理由のひとつです。また、41巻から100巻までのスタイルは、ひつじ書房のここ5年ほどのスタイルの同じ基調になっているものなのですが、遊明朝体という書体をベースにしています。(遊は遊の異体字)「遊」という文字が書体名にある書体なのですが、ストイックな印象で、きっちりしていて、少し文字振りの小さい書体です。学術書の禁欲的なスタイルに適しているよい書体で、気に入って使ってきたのですが、少し優しい感じを出したいという気持ちもあって、文字組版の基本設計を変えたいとおもったのです。新しく採用した本文書体は、秀英明朝Lです。シックな中に躍動感のある綺麗な明朝体です。組版の設定については何冊か作りながら、微調整を行っていくと思います。進化し続けていく、ということです。本文組の設計が変わったあかつきには、どうぞ、感想など教えていただけましたら、幸いです。 秀英明朝体については以下のページをご覧下さい。 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次 日誌の目次へ
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