2009年3月31日(火) 社会言語科学会に、ひつじ書房は4名で参加しました
年度末を飾る社会言語科学会に、ひつじ書房は4名で参加しました。3月から来ている竹下さんにとって学会らしい学会としては初めて、出版社の人間としての学会デビューと言えるでしょう。出版社に入る新卒の新人にとっては、学生から社会人へということ、出版という営みをになっていくことが、重要ですが、学術出版社に入る新人にとっては、学術的な世界とどう関わっていくのかというのも、大きなテーマです。その意味で学会に出て、先生方と会い(書く人と買ってくれる人)、本を買ってもらって、お金を受け取るということは、とても意味のあることです。 今回参加した新人の竹下さんも、こうしてだんだんと学術出版社の様々な仕事に慣れていくのだと思います。私自身の学会出店に馴染んでいくプロセスを振り返っても、自分が、参加したときに何をどうしてどういう動き方をしたらいいのか、不案内で不安でしたし、よくわからなかったので使い物にもならなかったでしょう。学会に行って自分でこうやればいいのだとわかるようになるまで、2年くらいはかかったと思います。学会に行ってそのばどの場で起こることに対応できるようになって、修行中の落語家で言えば、やっと前座が終わって「二つ目」というところでしょう。 今回は、10周年の記念のシンポジウムが行われるということでしたので、花束をお贈りしました。花束を贈ろうと提案してくれたのは、森脇君でした。学会に花束を贈ったのははじめての経験でしたが、なかなか豪華で今回の大会のささやかな景気づけになったのではないでしょうか。参加者は、昨年の盛況でしたが例年よりも多いような印象を受けまして、全体的に盛況だったといえると思います。 今回、講座社会言語科学は2月に第3巻が出て、やっと完結しました。もともと5周年を祝っての企画だったのが、結果的には10周年のタイミングになってしまいました。それでも、完結はたいへん目出度いことであるので、そのことも少し祝いたい気持ちもありました。 今回の学会の発表では私は午前中のシンポジウムを聞きに行きました。全員がひつじ書房の執筆者でした。パネラーの発表内容に感動しました。具体的にこれについて感動したということは今回は申し上げませんが、そういう発言に立ち会えるのは、学術書の編集者にとって幸いなことです。 懇親会では、講座社会言語科学全巻完結と言うことで、3巻を学会にプレゼントしたのですが、私はトリかと思いきや、一番最初という順番で前座というところでした。二つ目くらいでもよかったんじゃないか、でも、そうして懇親会の一部に関われたということは、ありがたいことだと思います。新人は社会言語科学会の未来を考える会にも参加させていただきました。お世話になりました。 ホームページをご覧の方は、すでにご存じのことと思いますが、私は昨年から、頭の髪を立てています。しかし、頭髪を逆立てての学会参加は今回がはじめてでした。みなさん、その髪型どうしたんですかとお聞きになります。じきに見慣れましたとか似合っています、と言って下さり好評であったと私は内心、実は満足しています。特になにか重大な決意があってのことではないのですが、ちょっとした新しい展開を求めている、ということが、心のスミにあるのかも知れません。何か、悩みがあるということではなくて、もう少し解き放ちたい、という気持ちがあります。どっちへ解き放つかは、どうぞ見守っていてください。 最後に、社会言語科学会に凡人社さんが出展していまして、『人間成長を阻害しないことに焦点化する教育学―いま必要な共生教育とは』を見ました。書こうか書くまいか迷いましたが、事実だけ述べておきます。この本は、もともと、ひつじ書房で日本学術振興会に申請して、採択されたものでした。そして、その本は、ひつじを去った二人のところで刊行されました。学術振興会の考えは、出版社というのは、ゼロの存在なので、著者が別のところにしたいといわれると拒否することはできません。しかし、学術振興会への申請の書類を作ることの手伝いも、ひつじ書房のこれまでの学術振興会への申請の経験とコストで行われたものです。助成金を使わないで刊行したのであれば、独立した出版と言えますので、言うことはないのですが、ひつじ書房の時に申請した助成金を使って刊行されていました。私が、出版社を作って独立した時は、私が以前在籍していた桜楓社に『日本語概説』などの置きみあげを置いて出たと言ってもいいでしょう。異文化間教育などのジャンルでは、ひつじ書房に書かれた方が、あちらでも書かれることがあるかも知れませんが、ひつじ書房としては学会などで同じ販売場所で店を出したとしても、5メートル以内に現れてほしくありません。喧嘩をするのもいやなので、こちらが姿を消すことにします。事実としてこのようなことがありまして、このように思っているということを申しておきます。 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次 日誌の目次へ
|