2008年2月15日(金) 【出版】編集者が、何かを生み出すということは、業を背負うこと
編集者という存在は、業がある仕事だと思う。何かを世に送り出すということは、何かを世に送り出さないということでもある。何かを送り出さないということは、その人の考えを世に出さないことに荷担するということでもある、そんな権限は、人にあるのだろうか。それは、罪深いことなのかもしれない。冷静に考えれば、それは危険なことなのだろうと思う。 それは、恐ろしいことなのだろう。そんなことに人は耐えられるのだろうか。しかし、一方、世に現れるべきものはある、はずだ。それらが世に送り出されないということも、大きな欠落だろう。だから、編集者には大きな責任がある。人はそんな責任に耐えることができるのだろうか?耐えられずに、自滅してしまう、ということもあるだろう。それは仕方のないことである。ちょっと突き放しすぎかもしれないけれども。 紙の本の時代は終わるかもしれない。しかし、その業を引き受けてであっても、世に出すことは必要なことだろう。その責務に耐えることが、編集者の社会的な存在理由だろう。もし、仮に紙の書籍の時代が終わったにしろ、そういう責任を負うという社会的な機能は必要なものに違いない。業を背負うということの意味。引き受ける覚悟のあるものだけが、編集者になることができる。そのような覚悟というものの意味というのを考えたい。 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次 日誌の目次へ
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