2008年の新春の合宿。

2008年1月7日(火)

2008年の新春の合宿。

恒例の新春合宿は、今年は暦の関係で、4日5日の金土の合宿となりました。ひつじ書房が夏と新春の合宿を2003年の夏に第1回をはじめて、もう5年になります。今、計算してみたら、10回目であった。気がつきませんでした。そもそも、合宿をはじめたきっかけはせんだい・みやぎNPOセンターの加藤哲夫さんが、NPOの理事と事務局の意思疎通をはかるために全体合宿を行っていると聞いたことによります。理念を表明し、全体のプランを考える理事と、理念を実行し実際の運営を行う事務局は、理事が非常勤であることが多いということもあって、コミュニケーションがうまくいかなくなり、フラストレーションがたまってしまう、組織の運営自体が失敗してしまうおそれがある。コミュニケーションと業務の動脈硬化のようなものに陥りやすい。その動脈硬化を防ぐ方法として、忙しい中1日をあけて、温泉なんかで合宿して一緒に時間を過ごし、ゆっくりとディスカッションするようにしていると聞いたことがきっかけであった。

ひつじ書房の場合、毎週月曜日の朝にミーティングを行っていて、意思疎通と情報共有の努力はしているつもりであるが、組織としての動きや方向性というものがわからなくなっていることは、一般的によくあることだろう。日頃、日常的に仕事をこなしている中で、何を目指しているのか、どういう運営をしているのか、していくべきなのかということをゆっくりじっくり話す機会というものはなかなかない。また、実際の仕事を行っている際に、私や直接担当ではないものが把握できていない問題点や困難さというものも共有することができて、解決策を探ることができると動脈硬化を防ぐことができるはずだ。ことばにするとシンプルだが、コミュニケーションはそもそも簡単なものではないから、いろいろな方法、タイミングや方法を使ってコミュニケーションを取ろうと努力を続けていきたいと思っている。このこと自体も社長の自己満足になってしまっては、意味がない。

私にとっても、一方的にこうしたいということを表明しただけにとどまってしまうと、共有できているのか、単に上からの現実性のない、スローガン、思いになってしまう危険性がある。そういうことがないように話し合っておきたい、と思いがある。

今年は、4日と言うことで三が日が明けたその日に行った。鬼怒川温泉のグランドホテル。東武線の特急に乗って、浅草からスペーシアでほぼ2時間。広い関東平野を抜けて、日光を越えた先にある。

今回のテーマは、私のテーマは、あけましてに書いたようなことであり、私の抱負はここでは書かないが、さらに各人の抱負を語ってもらった。夏からはきちんと紙に書いてきてもらおう。三井さんが来てくれて、カスタマー営業部門は彼女にシフトしていっているのだが、それが問題なく引き継がれているのかということを確認したいという気持ちがあった。業務的な作業が引き継がれるということだけでなくて、学術出版という立場を考えて、どんなことを考えて行うべきことなのかといった主旨について。これができていないと失敗した伝言ゲームになってしまう。だいじょうぶだったのではないだろうか。大きな問題はなく、微調整やいくつかの新しい項目が加わることになった。

時間をかけてディスカッションをした。販売のあり方、春の未発の発送時の販売時期や書店さんへの情報を送る方法。ひつじ書房の強みは何と言っても実際に本を買って下さる方々に直接お知らせを送ることができることにある。そうした得意な点を生かしたい。さらにがんばる。がんばりすぎないことも重要だが、ワークアンドライフバランスが大事だ、というようなことをいうと鬼が笑うかも知れない。加藤哲夫さんほどではないけれども、私自身も、加藤哲夫さんどうようワークアンドワークアンバランスの方にいることは間違いない。それでも、持続可能な組織に持って行こう。

ディスカッションという点では、社長である私が話すということになりがちであり、スピーチになってしまいがちなことを反省しよう。それでも、私としては今回のミーティングはとても意義があった。毎月やっている新聞に基づいた企画案の発表も面白かった。2年間も顔を見せられなかった猿は本当に表情を読めるんだろうか。表情だけを見せないようにしていた、ということなのか。

顔見ず育っても表情識別=成長の特定時期に環境適応−猿の赤ちゃんで実験・産総研

今年2008年に限らず、2010年に迎える20周年の2年前であり、20周年を目指した準備をはじめる最初の年になる。そのことを肝に銘じて2008年も進んでいこう。

日光東照宮にお参りに行きました。


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