2007年12月23日(日) 【出版】編集的なセンスというものを少し身につけてもらえれば来年4月から、ある短大で、出版論を教えることになった。半年の授業である。半年の授業をするのは東大社会情報研究所の授業以来だから、久しぶりのことだ。いろいろと考える。2001年の東大の授業 スタディスキルに関わる本も編集しているから、大学の授業の改革ということについてもお聞きすることがある。今も休日の日曜日に出てきて仕事をしているのは、来年に刊行する「大学での日本語表現法についての授業」についての本なのだ。読んでいるといろいろとためになることが多い。授業のレベルをどう設定するのか、私語についてどうするのか、放任すると授業が崩壊するけれども、となりの人と相談するということまで禁じてしまうことが悪い点もあるのではないか、大人数の授業で自主的な活動をどうやって作ったらいいのか、などなど。実際の経験に基づいた助言や報告にあふれている。これから、大学で教える人や教えている人に参考になる本である。確信している。かつては大学の授業は、自分の好きなようにやればいい、あるいはやっているということだったわけだが、昨今はそういうことでは許されないし、学生に充実した授業をできなくなっているということがある。 ところで、わたしが来年受け持つ授業だ。出版に興味がある学生さんが受講するわけだが、どんな興味でその学科を選んだのだろう。それなりに、人生を掛けて受講してくるわけだ。少し、軽はずみかもしれないが。でも、学生さんが出版や編集、あるいはライターになれるかというと、正直に言うとそんなに多くはないだろう。だとすると何を目的にしたらいいのだろう。わたしの考えは、「編集的なセンス」というものを少し身につけてもらえればと思う。そしてそれは、人生を少し面白くすることに役立つことにもなるし、出版という職業に就かなかったとしても役に立つことだと思うからだ。 次のようなことかなあ?
その上で
というようなことを少しでも感じてもらえることを目指す。 わたしの今の計画は、学生さんのどんな内容の本が好きかということの好みを発表してもらい、好みの似ている学生さんでグループを作ってもらい、何かの新聞を読んで、そこからネタを見つけて、そのネタを本にする企画を作って、発表・説明するということをしてみようかと思っている。新聞を定期的に読んで(読む習慣と定点観察)、話し合うというスキルが重要なのです。たぶん、同じ媒体を読むという経験は学校の教科書くらいしかないのではないでしょうか。 これは実際1年半の間、ひつじの成長著しい「旧新人」河口にやったきたことでもある。今もやり方をかえて継続中である。新聞を毎日、読んでもらって、そこから1週間にネタを3つ作って、話をすること。わたしの質問に答えること。どうでしたでしょうか、河口さん。 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次 日誌の目次へ
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