2007年8月27日(月) 【出版】学生のための編集入門講座 2前回の【出版】学生のための編集入門講座の続き。 新聞を読んで、企画を思いつくということに加えて、次の段階で必要になるのは企画について説明するということになる。 説明するために必要なことは、まずその内容の概略を説明できるということだ。これも、すんなりできないということであれば、練習して、できるようになっておく必要がある。 本当は日常的に行っていることであるはずだが、なかなかできないことが多いようだ。映画でも小説でも芝居でも何らかのできごとでもいいので、それを誰かに説明すること。これを日常的にやっていれば普通に身につくはずのことなのだが、なかなか難しいことのようだ。私の世代であれば、映画を見た後、下らない議論を喧々囂々したりして、これは一種のゲームでもあったわけなのだが、結果的に自分の言いたいことをまとめて、議論する練習にもなっていた。しかし、最近はそういうことは意外と少ないようだ。 映画が好きなら、一週間に1本は見て、誰かに説明すること。相手が思い当たらなければ、自分でブログを立ち上げてそこに内容を書いてみる。ここでも重要なことは習慣にすることである。説明しても、意外とうまく伝わらないものだ。説明してうまく伝わらないということも実感することが重要。それでも、いろいろ努力してみることが次に重要。そうしているうちにだんだんとうまくなるものだ。 小説とかだと筋が複雑であったり、登場人物が複雑なこともあるので比較的ストーリーの明確な映画がやりやすいだろう。筋道立てて考えて、説明できるということは、PDCAの練習にもなる。筋道ということがなければ、仮説を立てることもプランを立てることもできないから。 説明の方法にもいろいろあって、監督の考え方であるとかストーリーの流れであるとか、いろいろと試してみるといい。簡単なのは前提としてこういうことがあって、その次に出来事を順番に説明していくやり方だろう。段落、構成のまとまりを考えて、順番に説明していけばいい。簡単な構造的な把握をして、それを話の流れとして構成する。簡単なようでなかなかむつかしいことかもしれない。でも、これは必須と言っていいでしょう。 さらに、企画の説明になると筋道立てて説明することに加えて、書き手へのシンパシーが必要になる。どうしてあなたに書いてほしいと思ったのか、どこに興味を引かれたのか、そしてどういうことをどういう理由で書いてほしいと思ったのか。そのようなエモーショナルな理由も含めて伝えられること。 たんたんと伝えることから、感動して伝えることへ登っていかなければならない。シンパシーがなければ企画はあり得ない。どうやってシンパシーが生まれるのか、それは謙虚さじゃないだろうか。(このあたり説明不足だが、今回はここまでとする) 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次 日誌の目次へ
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