学術振興会公開促進費、内定についての中間報告を申し上げたい。
公開促進費について、データベースの入力代について問題があったということが原因なのかもしれないけれども、公開促進費について昨年の半減という状態になった。科研費自体は昨年よりも増えているということであるので、公開促進費のみが減らされたということだと思われる。
しかも、データベースの入力に問題があったということで、学術図書については何の問題もなかったのに、いってみればとばっちりを受けて、採択率が45パーセントから24.7パーセントにまで下がってしまった。20パーセント減少ということである。
研究費は重要だが、学術図書は減らしてもよい、という考えは、どういうところからくるのだろう? 文系の研究者にとって、本というかたちで公開するということは研究者にとっての希望という点でも、とても重要なものである。学術出版社として、社会にもう少しアカウンタビリティを果たすなど、反省すべき点はあるけれども、研究者にとって(学術出版者にとっても)重要な研究書の刊行について、来年はもう少し暖かいものになることを願いたいと思う。
今回システムが変わり、内定を受けたものについて、内定の受託の手続きを行うわけであるが、見積書を3社に出して最も安価なところを基準にするということが書いてある。これは、出版社と印刷所の区別が付いていないということである。出版社が学術書に関わる点でもっとも重要なのは、印刷というよりも、編集や企画というものである。編集がめちゃくちゃであっても、印刷が一番安価のところに出せということは、とてもおかしいことだと思う。また、学術出版としてのブランドであるとか、どういうシリーズを出しているのかということも、その本が読まれるという要素にとってはとても重要なことと思われる。
今回のやり方の改正については、考えなければならないことが少なくないと感じているけれども、今の段階で直ぐに対処することができるわけではないと思うので、じっくり考えて対策を練りたいと思う。
そのこととは別に24.7パーセントという激戦のなかくぐり抜けられた先生方にお祝いを申し上げますとともに、採択されなかった先生方にも、特別に厳しい採択率であったということから、その評価については残念ではありますが、がっかりされないようにと申し上げたい。
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