ひつじ書房は、新人が多い。半年過ぎた河口さん、1月が過ぎたばかりの室谷さん。吉峰くんはベテランだが、入社して1月。青山は、17日で1周年というところである。
小さな職場は、いつも新しい人が入ってくる。そうすると全くの新人には仕事の基本から教えていくということになる。仕事はやまのようにあるから、その中から優先順位をつけてやっていかなければならない。ただ、本当に優先順位が付けられるためには、昨日書いた「販売センス」というものが素地になる。そうでなければ、優先順位自体の根拠がなくなってしまうかもしれない。
そんなことを考えていたら、ポット出版の新人の日誌に沢辺さんに仕事の仕方を教わっているとのことばがでてきた。須藤野恵さんの2ヶ月半目の日誌だ。
「仕事はね〜」とは、私としてはよういわんという気もする。テクニカルないい方をしているかもしれない、私の場合は。「仕事はね〜」とちゃんと教えてあげなければならないだろう。自分ができているかは、置いておく。
とはいえ、仕事計画を立てるにしてももう少し余裕が必要だろう。(もう少しというのはレトリック。数倍の余裕が必要だろう。)現在、先生方の書かれた科研の申請書類にコメントをつけてお返ししているところである。ひつじでは、申請書を書く代行は一切しないが、助言を丁寧にしている。今年は昨年に比してもかなり多くの申請を行っている。一方で、今年採択された原稿を割り付けしたり、校正したりもしている。もちろん、助成金を取らずに作っている本もたくさんある。2006年度はなんと50冊を超える本を作ることになっているくらいだ。また、さらに土日は学会に行って出張して本を売ったり、注文をいただいたものを発送したり。この時期は、本当に立て込んでいる。みな、終電か終電に近い時間まで仕事を連日しているという状態である。出版の相談はできれば、8月中にすませたいところであるが、9月も10月もひっきりなしである。9月10月は本作りと研究室訪問にいそしみたいところだが、そうはいかないのが現状。
正直なところ、もっと早めに相談してほしいと思う。春の未発に研究書の相談会(オープンオフィス)を掲載し、ポスターを研究室に送り、ひつじメール通信でも、8月いっぱいとお伝えしているのに、どたんばになってしまうことが多い。
打診していただくこと自体はとてもうれしいことであるが、遅くとも9月までで相談を終わらせて、10月からは実作業に入りたい。できるだけ、8月までにご相談していただけるとうれしい。また、ひつじメール通信を受けていただけるといろいろな情報を受け取ってもらえるのでたすかる。というふうに思っているが、そのことの伝え方が問題なのだ。問題は、こうして私の日誌まで見てくださる方は、本当にいい方で、ひつじのこともご存じであり、そのことが伝わるがそうではなく、ダイレクトメールも受け取られないで、メール通信も受け取られていない方の場合には伝える方法がない。このコーナーで「早く相談してほしい」というのは、きちんと情報を見てくださっている人に対して、文句をいうようで本当は筋違いの話である。定刻通りに出勤している人に、遅刻している人への文句をいうようなものになってしまう。
原則的にどんどん相談していただきたいのであるが、それは編集者という生身の人間がいるという前提のことであるということである。とはいえ、仕事の混み具合などはお伝えしないとわからないことである。ひつじ書房が何時まで夜残って仕事をしているかなんて、想像することが難しいだろう。現状は、嫌みにならないように伝えていくことが重要だと思っている。決して相談を受けたくないということではないのだから。ただ、もともと、相談というものは急であることが多いもの、かもしれないけれども。
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