前回の日誌でお伝えしたようにひつじ書房は、研究成果公開促進費の申請をした結果、今年採択13件がされた。今の時点では正確には内定であるが、基本的に問題なく進められるだろう。そのことを受けて、ひつじ書房では、現在、研究成果公開促進費の採択の連絡を受けた方に事務所にお越しいただいて、オリエンテーションを行っている。今年採択された方13名の方に順次ご都合のよいときに来ていただいて、採択を受けて提出する書類についての説明と今後の出版へのスケジュールや完成原稿をどうやってお渡ししていただくのか、校正に慣れていない方には校正の原則のようなものをお伝えしている。
日本学術振興会の要綱ではわかりにくいところや実際のかんどころをお伝えして、これから、実際に出版に向けて進んでいくについての概要をお伝えしている。今年は採択数が多いので、できるだけスムーズに気持ちよく進んでいけるようにと思っている。完成原稿の脱稿に向けてご参考のために執筆要項をお渡ししたり、注意点をお伝えしている。
都内の方であればともかく、九州や沖縄から、遠方からわざわざお寄りいただくこともあり、たいへん心苦しくもあるが、この時期にこれからのことをきちんとお話しすることは、これから進めていくことに意味のあることだと思う。若い研究者の方、研究書を出されるのは初めての方もいらっしゃる。本を作るスケジュールや校正の方法などについてできるかぎり丁寧にご説明したほうがよいだろう。執筆要項や原稿の渡し方についても一通りお伝えする。もちろん、ご存じのことも少なくないと思う。十分にすでにご存じであることも多いだろう。しかし、雑誌論文を何回も書いていらっしゃるのに基本的な校正のやり方をご存じないこともまれにではあるがある。意外にうまく伝わっていないこともあるというのも実感である。また、われわれは出版社として編集・出版というものを毎年毎月毎日行っている。経験もノウハウもあるわけなので、知っている限りのサポートを行いたいと思っています。(かつては、メールだけで一度も会わないで出版することをネット社会の新しい人間関係のようによいことであるかのようにいうこともあったが、それは思い違いであった。)煩雑であるかもしれないが、お付き合いいただきたい。このことは今後本を執筆される時にも役に立つことになるはずだ。
たぶん、ここまで丁寧に先生方とおつきあいしている学術出版社はないと思う。ひつじとしても、ここ数年でだんだんとやりかたを整備してきた。ほんの数年前まではここまではやっていなかった。(かつてひつじで本を出された方、すみません。)きちんと刊行するために事前にできることはなるべくやっておきたい。これから、執筆された先生方とは1年間じっくりと丁寧におつきあいしていく、申請時とさらにもう一段階踏み込んだおつきあいをさせていただくことになる。そのことをうれしく思うとともに、緊張している。
今回、1年間いっしょにおつきあいいただきながら進めていく研究成果公開促進費の助成を受けることになったのは次のものである。
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