『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』という本の中で、2007年にアマゾンとgoogleが合体して、googlezonというのができるというフラッシュムービーがあることを知った。見てみると評判になるだけあって、なかなかよくできている内容である。他人事ではなく、ちゃんと考えてみたい。
さて、googleの検索サービスで、サイトにリンクされているページを検索するというモノがある。ひつじ書房のurlを入れて検索するとリンクしてくれているところがでてくる。link:www.hituzi.co.jpと入れるとリンクしてくれているところがでてくるわけだ。おもしろいサービスだが、やってみてもリンクしてくれているところ全部がでてくるわけではないことに気が付いた。サイトの方で、googleに対してアクセス制限をかけているページかというとそうではないようだ。検索するとそのページはでてくるから。たとえば、言語学で検索すると一番上に出てくる後藤斉先生の「国内言語学関連研究機関WWWページリスト」であるが、このリストの中にひつじ書房はリンクされているのに、link:www.hituzi.co.jpではでてこないのである。検索してでてくるページであるから、そのページを除外する意味はないだろう。
単なる何かのバグなのかもしれないが、googleが何かの理由で検索結果として表示しないようにしているのだとすると、これは恐ろしいことである。「情報操作」などという怖いコトバが頭に浮かぶ。我々の生活は、googleなどの検索エンジンがなければ、情報の収集も生活もできない。出張に行く前には、出張先のことはgoogleで調べるし、本を出したいという方の提案があった場合は、googleでどのような方かを見てみることは日常的なことである。googleがなければ、もはやページにたどり着けない現状である。検索しても表示されず、たどり着けなければ、今や存在していないことと同じことだ。それをgoogle側の意図で制限されてしまうとすると恐ろしいことになる。検索エンジンの力によって、情報の存在自体を消してしまうこともできるということだ。
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