スパムフィルターが、なかなか効いている。導入する前は、毎朝、かならず50近いスパムメールを削除してから、仕事に取りかからなければならなかった。このことをしないですむのはありがたい。朝気分をもり立てたいときに、もり下がる仕事をしなくてよくなったのは非常にありがたい。ちょっと平和になった気分。もしかしたら、スパムも夏休みに入ったということなのだろうか?
先週は、認知科学会に一日だけ出店して帰ってきた。売り上げは、わずかなものであった。やはり、理系的な(あるいは心理の)要素の強い学会は、文系の学会とかなり違う。何が違うのか。これは出版社的な感想になるが、理系に近い位置にいる研究者の方々にとって、書籍というものに対しての、態度が違う。あまりフェチがないのだ。フェチな研究者もいるだろうが、人口が違う。研究者という職業の中でもジャンルによってちがうというのは面白い。(おもしろがってばかりもいられないのだが)日本語と英語でもかなり違う。さらに英語教育と英語学でもかなり違うだろう。英語学系でも言語学系と習得系でも違う…。どういうことだろうか。
一つ言えることは本に対する態度というものも、先輩や先生の態度によって感化されてできるものだということだろう。誰でも生まれつき書籍が好きなわけではない。研究者であっても。
できることなら、ひつじ書房は本を愛する人に支えてほしい。そうであるなら、一緒に本を作っているということの喜びをともに分かち合えるはずだから。シニカルな態度ではなく、愛のある態度を取ろう。でも、それを私が20代のころに先生方に学んだのだとすると、たとえば、そういう本を愛している研究者が少ないとなげくのではなく、40代の編集者は若い研究者に書籍を作ることの喜びを伝えていかなければならないのだろう。出版社は自信をもって、出版の意味を語っていかなければならないだろう。
もちろん、それが「研究書出版支援講座」である。
「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・スタッフ募集について・日誌の目次