2003年10月31日(金)
『日本語修飾構造の語用論的研究』新村出賞受賞!
トップページにも書いたことであるが、加藤重広先生の『日本語修飾構造の語用論的研究』が日本を代表する言語学・国語学者であった新村出を記念する新村賞を受賞した。新村賞は、言語学の成果に対して授与される歴史のある賞である。金田一賞と並んで、双璧と言える。学術研究書の刊行をミッションと考えております弊社としては、本書の受賞は大きな喜びであります。たいへん、うれしく思います。
今、思い出したことであるが、新村出も金田一京助も、岡書院と縁が深いと言うことだ。新村出が広辞苑の監修をしたのも岡茂雄の懇願によるものであるし、金田一京介が、焼失してしまったアイヌ語の博士論文を書き直して本にしたのも岡の尽力によるものである。岡茂雄は、金田一の推薦で、弟子の小林英夫の翻訳によるソシュールの『一般言語学講義』を出版した。新村出は、小林英夫を京城大学に推薦した人物でもある。戦前の言語学の世界が、小さかったからであるともいえるけれども、縁が深いと言うことを感じる。この点で、弊社には何の経済的なメリットもないが、(かつてであれば、この賞を受賞したことで本がよく売れると言うこともあったであろうが、今はそのような効果はほとんど期待できない)岡茂雄の縁のある賞を二つとも受賞できたと言うことがとてもうれしい。
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