2003年10月28日(火)
就職活動は必須である
10月のおしまいの時期になって秋がずいぶん深まってきた。就職活動も夏くらいでほとんどの学生も決まったり、一段落しているところだろう。もちろん、これからも継続して就職活動をしなければならない学生の方もいるのだろう。
このところ、学部の4年生の方から、メールで問い合わせをうけることがいくつか続いている。そんなに多くはない問い合わせで共通しているのは、「本が好きである」と書いてあることと「あまり就職活動をしていない」と書いてあることである。本が好きであることが、就職活動をしない理由になるとも思えないのであるが、職業を持つことと本を読むことは対立するものなのだろうか。興味深いことであるが、困ったことでもある。この時期になって就職を断念したのでアルバイトとして働きたいとか、今から就職できないかと問い合わせをしてくるところを見ると、働く意志はあるようである。零細企業である我々に対して、応募してくれたこと自体、感謝しなければなるまい。
しかし、応募してくる側に欠けているのは、何を貢献できるのかという視点がない、自分の能力を売り込む視点がないということである。たぶん、自分に自信がないということで、若い人間としてそのことをとやかくいうことではない。だが、ここに就職活動をしているのかしていないのかのはっきりした局面が見える。自分を売り込まなければ、売り込んではじめて、面接も就職試験もはじめるということを就職活動で自覚するのだと思う。これはかなり重要なセンスである。
就職活動をしてこなかった人に、このセンスを持ってもらうと言うことはかなりの労力を必要とする。本好き、大いに結構であるが、もし、それを職業にしたいと思うのであれば、就職活動をしなかった段階でもうペケである。就職活動も人に会う機会であるし、その意味では面白い活動だ。そんな活動に好奇心をもてない人には本を作る仕事はできないに違いない。
本好き、大いに結構であるので、ぜひとも就職活動をしてから来てほしい。ひつじ書房では、かつては新卒は不要であったが、今は新卒でも優秀な人であれば、採用したいと思っている。その場合、内定をもらっているか、20社以上の会社に対して就職活動をした人としよう。
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