2003年9月14日(日)
札幌旭屋書店訪問
出版社の経営をやっていながら、本屋さんになかなかいくことができない。行こう行こうと思っていて、東京では行けないのに、札幌で行くというのも不思議だが、13日14日と札幌で旭屋書店を訪問した。札幌に行ったのは「全国NPOフォーラム 北海道会議」に出張して、会議に参加するため。北海道は3回目で、何年ぶりだろう。あまり行っていないと思ったら、2年前に函館に行ったことを思い出した。それを入れると4回目と言うことになる。
旭屋さんは、昨年できた超大型店で、800坪の巨大な売場。札幌駅のJRの駅ビルのイーストサイドの5階。ひとつのフロアーをすべて旭屋書店がしめている。残念ながら、ほとんどひつじ書房の本が入っていないし、基本的な書籍を入れもらえるように手紙でお願いしていたが、こちらが催促していないということもあり、注文をいただくことができていなかったので、担当者の方にまずはこの機会に挨拶をしようという目的で訪問した。
担当の方は、原口さんという女性の方で、突然の訪問であったのだが、時間をとって話を聞いていただいた。ありがたいことだ。言語学の書籍のコーナーについて、お話をさせていただいた。多くの書店がそうなのだが、言語関係は、人文書の哲学のコーナーの下のカテゴリーで、言語学の中に、とりあえず入れられてしまっているということがある。言語学はことばという人間の基本的な能力に関することなので、哲学というジャンルの中に入れてもよいが、もうひとつ、言語自体の仕組みを究明していくという言語学独自の方法がある。言い換えると「人間の基本的な営みとしての言語という視点」と「言葉自体の持っている仕組みを正確に説明する」という二つの局面があって、言語学として発達したのは後者の側であるが、哲学の方から見ているとなかなか見えてこないものなのである。
そこで、原口さんに、言語学としての言語学の棚の段を2つ作ってみてはどうでしょうかと提案した。新しい言語研究のジャンルに目配りしているということが、来店している人にわかるようにするには、ひつじとくろしお出版の本を中心に並べてみること、哲学のコーナーに近いと言うことからすると思考の要素の大きい「認知言語学」系の書籍を中心にするとよいのではないかとご提案させていただいた。
くろしおの岡野さんが訪問されたとのことであったが、たぶん、同じようなことを話したのではないだろうか。こんな流れがあると一人の版元の担当者がいうだけではなく、同じようなことを違う人間から聞けば、たしかにそうかなと思うと言うことがあるのかもしれない。言語学のコーナーを作り替えていたいくだくにはこんなやり方もあるのかもしれない。私としては、言語学のコーナーについてであれば、どこでもいつでもできるだけお伺いするつもりであるので、書店の方はどうそご遠慮なくお声をおかけ下さればと思っている。
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