今日で最後ということで、どうして私がひよこ(だった)のかちょっと打ち明け話を。房主が会社を興した時(29歳)、私(30歳)は別の会社で働いていたこともあって、まあ、会計ぐらいちょこちょこっと手伝えばいいのかなと思っていた。私が会社を辞めてからは、編集にも関わってしまったが、いつかはやめるのだという気持ちがどこかにあった。そんな私の態度を評して、房主が『腰が引けてて、卵の殻をおしりにくっつけて歩いているひよこのようだ』といったのが私のひよこ人生のはじまりである。それから5年、ひよこのまま身を粉にして働いてきたが、35歳になるのを期に、わたしはわたしなりに自分のこれからの人生を考えたくて、40歳までの5年間はひつじからはなれていたいとお願いした。ところが、もう子供はできないと思っていたのに、のぞみ誕生となった。それでは、育児に専念させてもらおうとしたが、事務所が引っ越すことになったのを期に1年半でなんとなく仕事に戻ってしまった。中途半端な気持ちのまま戻ってしまったのは、ほんとうによくないことであった。私のひよこ的態度はかなりひつじに悪影響を及ぼしたのではなかろうか。
今日ここで、私はひよこをやめ、立派なニワトリになるべき道を選択することにした。40歳からではなく、40歳までになれるように。
この決意に至ったのにはいろいろな事情があるが、この8年間でのいろんな人との出会いがやはりおおきい。ここであらためて感謝の意を表します。そして、ひつじが21世紀に向けてますます飛躍できるよう、今日ここでひよこの殻を脱ぎ捨てるわたくしに、これからも叱咤激励をいただけたら幸いです。
(1998. 9.01 ひよこ大臣)