ある日のひつじ書房のお茶の時間、甘栗をいただきました。しばしの間、皆が栗の皮をむくぱりぱりという音だけが続きます。と、ふとモーリスさんが一言。
「栗って、脳ミソに似てない〜?」
えっ?? ……言われてみれば、たしかにそうだ! この色合いといい、シワの具合といい、真ん中のミゾといい、これはまさに! 見れば見るほど脳ミソに見えてきます。おお〜っ、これは大発見だ! と感動した私とモーリスさんはひとしきり盛り上がってしまいました。
栗も食べ終わった頃、それまで静かだったくりりんさんが、私にメモ紙をひらり。それが左の絵です。そういえば! ここには「栗」さんがひとりいらっしゃったのでした。
ううーむ、食べてるときに悪ノリし過ぎだったろうか、と反省し、今日のおやつにマロングラッセをいただいたときにも、また「ううっ、の、脳ミソだ〜」と思いつつも、黙っておりました。そしたら、
「マロングラッセって甘栗より脳ミソっぽくありません?」
と、当のKさんが――。
わたしの気遣いっていったい……。
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