新入生や新入社員が初々しい季節である。そういえば、かくいうわたしも、もはやさっぱり初々しくないが、じつは「新入り」なのであった。
ひつじ書房デビューしてまだ一年弱、本作りの仕事をはじめてまだ半年。ううーむ、世の中、知らないことが多いものだとしみじみ思う今日この頃である。
たとえば、本は、一枚のでっかい紙(全判)に、裏表それぞれ16ページ分印刷されて、一枚の紙から32ページできるのだ。これをパタパタと折りたたんで切ると、ちゃんと32ページ分が正しい順番で並ぶ(『ここからはじまる日本語学』重版の時にこれを一冊分手でやったのだが、子どものころの、雑誌のふろくを組み立てるみたいで、けっこう楽しい)。だから、ページ数が、できれば32の倍数か、16の倍数だと、紙の無駄がなく作れるということになる。よく、本の一番うしろに広告がついてたりするが、これは切りのいいページ数に調節する都合らしい。
いやー、日頃なにげなく手にしている「本」だが、奥が深いものだ。
の連続の毎日である。
(1998.4.7 P)