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2023.3.22(水)

教科書、たくさん重版しました


東京の桜は開花から1週間で、どこも淡いピンク色の花で賑わいを見せています。まだ満開とまではいかないところもあるようですが、明日からは雨の予報が続いているようなので、少し残念です。

大変ありがたいことに、この春もたくさんのテキスト採用のご注文を頂いており、2月〜4月にかけて15点の教科書を重版しました。
先日はほぼ同じタイミングで『ファンダメンタル英語史 改訂版』と『ファンダメンタル英語学演習』と『ファンダメンタル英語学 改訂版』の重版を進めていたので、さすがに混乱しそうになりました。

重版する際は、どの本も刊行した頃のことを思い出します。刊行が私の入社より前でいきさつを知らないものもありますが、〇〇さんが担当していたなぁ、〇〇が大変そうだったなぁなど、さまざまな記憶が思いおこされます。

さて、来週末からは新年度が始まります。
心をあらたに頑張りたいと思います。




2023.3.7(火)

『英日通訳翻訳における語順処理』刊行しました


新刊ラッシュが続いていますが、2月の新刊1点をご紹介します。
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『英日通訳翻訳における語順処理 順送り訳の歴史・理論・実践』
石塚浩之編
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1176-2.htm
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中高生のときに、「英語はひっくり返して訳せ」と言われた方も多いのではないでしょうか。私は驚いたのですが、翻訳や通訳の実務では、語順を保持することも多いそうです。たしかによく考えると、例えば字幕や同時通訳など「ひっくり返す」ができない状況も多くありそうです。この、「語順を保持した訳」が、本書のサブタイトルにある「順送り訳」になります。

実物を見るとわかりやすいと思います。本書の序章では、以下の例文で解説しています。

The company developed the software for elderly people so that they can do mental exercises to train their brain.

(1)その会社は、脳を鍛えるため頭の体操ができるように高齢者向けのソフトウェアを開発した。
(2)その会社が高齢者向けのソフトウェアを開発したのは、頭の体操をして脳を鍛えるためだ。

(1)の例文は元の英語と比べて語の順番が順番が変わっています。こちらは、「逆送り」や「訳し上げ」、「ひっくり返し訳」のように呼ばれるようです。一方で(2)の例文は、語の順番がおおむね同じですので、順送り訳ということになります。ただし、統語構造は変化します。

この本は、なぜ逆送りのほうが「標準」とされてきたのかと、順送り訳の歴史的な解説、順送り訳の統語構造的な、あるいは文章理解のプロセスの分析、字幕翻訳や通訳などの実務の場での議論、大学教育における指導の話など、「順送り訳」について多角的な視点を集めた論集です。

上記の例文は装丁でも活躍してもらっています。英語原文・逆送り訳・順送り訳の違いを記号と色で表していますので、ぜひ手に取ってみてください。なお、表紙の模様は縦書きの流れで配置されています。裏表紙に訳との対応の記載があります。これは、編者の石塚先生にアイデアをもらったものです。
ただの模様に見えて、意味がある…ということをしたかったのですが、うまくいっていればうれしいです。





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