お付き合いの期間があるといい

2011年3月15日(火)

お付き合いの期間があるといい

メール通信に書きました文章を少し手直ししたものです。

前回、研究室を訪問しますと申し上げましたが、現在、計画中です。今年の春の学会の予定を見ながら、手分けして訪問することになると思います。事前にご連絡の上お伺いする場合もあると思いますが、突然、お伺いすることもあると思います。5月くらいに誰がどのエリアを訪問するかをメール通信にてお知らせします。

はたして学会出張の分担はどうなるでしょうか。私はご当地でしか味わえない、食べ物の美味しいところ、たとえば九州などを狙っていますが、春は九州で開催される近代英語協会と埼玉県で開催される日本語教育学会が日程的に重なっています。他の社員とのせめぎ合いですので、まだ分かりません。いずれにしろ、どうぞよろしくお願いします。

こちらからお伺いするということについては、個別にお伺いしますのでメール通信の「房主より」では特にふれません。

いきなり、タイトルが「お付き合いの期間があるといい」というのも、何だそれは、と思われるかも知れませんが、著者と出版社とが本を出すと言うことをめぐって、関わりはじめるということの前に、お会いできていたらいいというお話しです。うまくつながりますかどうか。

出版社から本を出すということのためには、当然ですが、著者と出版社が出会います。比喩として申し上げますと結婚するためには、男女がまず最初に出会わなければなりません、このことと同じです。もちろん、出会っても、そのまま何も接点がなくて、ことさらに別れるといういい方をするほどのこともなく、関わりが無く終わってしまうこともあります。出会って、友人にならないことが大半です。会う人全て友人になってしまっていたら、たいへんです。結婚に関しても最近だと、「付き合う」という段階まで進んでいても結婚という段階にたどり着くためには、婚活なりの具体的な歩み寄りというか、詰め寄りというか、自覚的な行動が必要とされているようですが、どう思われますでしょうか。

出版を結婚に喩えるのは正確ではありませんが、こういうのがいいなあと日頃考えているプロセスを今回は申し上げたいと思います。

出版というのが、著者と出版社の共同的な事業ということがあるとしたら、あるいは共同的な営みであるとしたら、意外に共通している点があるように思います。かならずしも、理想的なあり方が現状として実際的であるかどうかは、わかりませんが、結婚する前に付き合う期間があった方がいいというのは、現実的にはなかなか難しいかも知れないにしろ、その方がいいということは申しましょう。交際期間があって結婚に至る方がいい。

つまり、お付き合いの期間があるといいということです。

お互いに出版という共同作業に向かう前に知っているという「交際期間」があることは、望ましいことです。実際には学会文化によって違いがあり、日本語学会を中心として研究活動をしていらっしゃる方とは「交際期間」があることが多いですが、一般的に「交際期間」がない場合の方が多いかも知れません。「交際期間」がないということもあります。できれば、「交際期間」があった方が望ましいのですが、難しいでしょうか。

これについてはどうしたらいいか。「交際期間」の作り方を提案します。

学会などに本を売りに来ているひつじ書房のスタッフに気軽に声を掛けて下さればと思います。何か探している研究書があれば、聞いて下さい。学会に来ている担当者も、基本的に編集畑のスタッフであることが多いですから、お声を掛けて下さるとよいと思います。その学会以前にお買いになった書籍についての感想などをお話し下さることもたいへんありがたいことです。そういう時に名刺を交換してくださるとひつじ書房の方で、どなたかであるかを認識できますので、ありがたいと思います。最初の接点を作るという意味では、営業担当のものでも、小さな会社ですのでお声を掛けて下さったことは、共有できますので、誰でも大丈夫ではあります。

たいへん、申し訳ありませんが、名刺をいただいてもいつもちゃんと覚えていられないこともあると思いますが、お許し下さい。一つの案としては、博士課程に入られて、テーマを主査の教授と相談された時、あるいは学会で発表をされる一つ前の季節の学会で、そういう名刺交換ができるとありがたいです。お名前をお聞かせ下さり、どんなことをやろうとしているかをお伝え下されば、興味を持てれば、その次の学会で発表を聞きに行くことができますので。

思いますのは、出版社で編集をしているものも人間ですので、それまでお話しをしたことのない方から出版したいですとご連絡を受けますとどうしたらいいか戸惑うことがあります。「交際期間」なしに結婚してくれませんかと言われるようなものです。可能であれば、学会などでもお話しできていたら、いいなあということです。

次回は「交際期間」が作ることができなくて、関係をはじめようという場合についてお話しします。


執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。



「本の出し方」「学術書の刊行の仕方」「研究書」スタッフ募集について日誌の目次

日誌の目次へ
ホームページに戻る

ご意見、ご感想をお寄せ下さい。
房主
i-matumoto@hituzi.co.jp