2003年12月23日の日誌 迷惑メールが、来年の4月には70パーセントを超えるという。

2003年12月23日(火)

迷惑メールが、来年の4月には70パーセントを超えるという。

2003年12月8日、英国の電子メールセキュリティ会社のMessageLabsが迷惑メールとコンピュータウィルスの2003年の動向と今後の予測について発表した。この中で同社は、迷惑メールの数は前年比で77%増加し、電子メール全体に占める迷惑メールの数が、2003年5月に50%を超えたことを明らかにした。そして、米欧のスパム対策法の抑止力は期待できず、2004年4月、迷惑メールの数は電子メール全体の70%に達すると予測している。(Hotwiredからの孫引き)

メールがこのままでは機能しなくなってしまうだろう。われわれもその迷惑メールの増加に荷担しているかもしれないという点もあるが、先日、いままで使っていたメールリストサーバーが、メールの発信ができなくなった。発信できなくなっていたはずであるのに、何通かは送れていたようだなのが、そのタイミングで、そのメールに対して、応答があり、その応答した人のメールに対して不調であったメールリストサーバーが、メールを受け付けていないという趣旨のメールを、送られたメールの改行ごとに、返信を返すということがあり、原因は分かっていないのだが、ご本人には非常に迷惑をかけてしまった。まことに申し訳ありません。

本の刊行情報や、学術書の出し方についてなど、出版活動についてお伝えするためには、メールリストの機能は必須な方法である。必須であるならば、その運営は責任を伴うことになるが、どうもまだ、よい解決方法が浮かばないところである。ホームページなどは、自分で管理したいが、メールサーバーやメールリストについては、安定的なサービスを提供してくれるところに委託する方が賢い時代になってきているのだろうか。メールについても英語で書かれた「それを大きくします」とかそんなメールを削除している内に嫌になってくるので、そろそろメールについてのメンテナンスの時間とコストの削減について真剣に考えるべき時がきているのだろう。ただ、メールサーバーの管理だけを受注してくれるところがないようで、アサヒネットなどの法人サービスをみても、どうもアクセスから込みで、メールサーバーを中心にしたサービスはメニューすらない。とはいえ、サーバーのメンテナンスに人手を割けないということからすれば、来年は専用のメールサーバーをアウトソーシングしないといけないだろう。

メールサーバーの管理ということでは、プロバイダーの管理もきちんとしていない。昨日、大学3年生の田中さんという女性から、メールが来たが、メールアドレスがまちがっていて、返信しても戻ってきてしまう。そのメールアカウントのpostmasterにメールを出しても、受信すらしてくれない。postmasterという管理者は一応作っておかなければならないはずである。メールアカウントで、ネットにアクセスしてもサイトもなく、そのアカウントに管理者を置いていない。郵便であれば、届かなければ個別にたどっていくこともできるわけだが、無責任な状態でどうにもこれでは対応のしようがない。

ひつじのメールがいくつかの大学や研究機関で拒否されるが、ブロックされる理由について、明示的に表示されるケースは少ない。ブロックしていることが、分かるようになっていれば、その大元に交渉することもできるが、それができなければ届かないだけだ。ひどい場合は、メールが戻っても来ないので、届いていないことも分からないこともある。

ビジネスをしていない方は、メールの数が減ればよいと思うかもしれないが、メールが生命線になっている時代に、メールを管理するような専門家を置くことのできない小規模企業は、ビジネスができなくなってしまうだろう。インターネットが、個人やSOHOをサポートするというのは、1990年代の前半の夢に過ぎなかったのだろうか。

メールの状況はあまりにも宙ぶらりん。一年もしたら、電子メールが機能しない時代になるのではないだろうか。

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